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ブラウザとアプリとの違いは何か?今さら聞けない基本のキ

 Post by MML編集部

スマートフォンが誕生してから多くのページが閲覧できましたが、「スマホブラウザでページが見られるのになぜ、わざわざ同じアプリを作る必要があるの?」という質問をよく聞かれます。はたしてブラウザとアプリの違いとは何でしょうか?

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サイトは検索結果に表示される

スマホで調べたいものがあったとき、検索サイトであるキーワードを入力すると検索結果の一覧にサイトが表示されます。多くのユーザーはブラウザからGoogleやYahoo!などの検索サイトを利用してアクセスするため、アプリストアと比べて検索サイトからの流入はひときわ高いのが特徴の一つです。

最近では、スマホブラウザの検索サイトでアプリ名を検索するとアプリが表示したり、または「App Index」を導入して検索結果に掲載するパターンを見たりますが、検索結果の中でサイトとアプリの出現割合を見ると圧倒的にサイトが多いことから、現在でもブラウザから検索サイトを利用してサイトを見つけるパターンがメジャーとなっています。

サイトはソーシャルメディアで拡散できる

例えば 面白い記事やブログを見つけたとき、フェイスブックやツイッターから「いいね」や「共有」を行って友達に拡散することができます。それを読んだユーザーはさらに「いいね」や「共有」されるので、爆発的な拡散効果が生まれます。

アプリの場合、アプリ内の1つの画面を共有することが難しいため、ブラウザ上の拡散効果は得られないと考えられます。

サイトは常に最新版の情報を表示できる

サイトは、更新した内容をサーバにアップロードするだけで、誰がアクセスしても最新の情報を表示することができます。サーバに連携していない基本的なアプリは、情報を更新する場合、アプリストアに申請する必要があります。

アプリ申請に通過すると、スマートフォン端末にアップロードのお知らせが届くため、ユーザーは更新を行いますが、それらが面倒くさいと思うことから、それはスマートなやり方ではないなと考えている人もいるようです。

サイトはアプリのように容量を使わない

アプリストア上でこのアプリを使いたいと思ったら、1つにつき数メガから数十メガある容量のアプリをダウンロードする必要があります。スマートフォンではある程度決まった容量しかファイルを入れることができないことから、無制限にアプリをダウンロードできません。下手したら写真の容量も気にすることになりかねません。

サイトの場合、多少のキャッシュが蓄積されることはあるものの、アプリほどの容量を溜め込むことがないため、好きな時に好きな数のサイトを閲覧することができます。

スマホサイトはアプリ開発より低価格でできる

アプリ開発の場合、公式アプリを1からオーダーメイドで開発する場合は数百万円、それがデータベース連携のアプリとなると数千万円の費用や時間がかかります。サイトの場合、HTMLやCSS、javaScriptなど汎用的なもので制作するため、アプリの開発費より低価格で作ることができます。

アプリはホーム画面からアクセスできる

欲しいアプリをダウンロードすると、そのアプリはホーム画面にアイコンが表示されます。また、ホーム画面からアプリが起動できるため、スマホサイトよりもダイレクトにアクセスされます。

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最近では、ブラウザへのショートカットをホーム画面に設置することができるようになりましたが、他人のスマホ画面を見る限り、ショートカットを置いているケースはあまり見かけません。ほとんどの方は、ブラウザへのショートカットをブックマークフォルダに置くことから、ホーム画面にショートカットを置くような文化がないのかもしれません。

ホーム画面からブランド想起できる

スマートフォンのホーム画面を見ると、さまざまなアイコンが並んでいます。別の視点で捉えると、すなわちホーム画面を見るということは、自社ブランドのイメージを自然と宣伝していることになります。

例えば、ユーザーは1日何回スマホを起動するのでしょうか?インテージの調査によると、スマートフォンのロックを解除して利用した回数は平均 23回だそうです。仮に1インプレッション1円と換算し、対象のアプリが入ったスマホを10万人が利用した場合、1日230万円、1か月で6900万円にものぼります。

  • 1円(1imp) X 23回=23円
  • 23円 X 10万人=230万円(1日)
  • 230万円 X 30日=6,900万円(1か月)

アプリアホーム画面に置いてあるだけで、1か月で6900万円の広告換算価値があるということはとてもすごい効果だと思います。

アプリはアイコンにバッジを表示できる

バッジ機能は、お知らせなどの更新があった際、アプリアイコンの右上に赤丸の数字アイコンが表示される機能です。ユーザーはホーム画面のアイコンにバッジが表示されると、何かお知らせが追加されたと思ってアプリをタップするため、その結果、ユーザーの掘り起こしが可能となります。

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今までバッジ機能はiPhoneアプリだけ表示できる機能でした、最近ではAndroid 8 のOSを入れているスマートフォンは、iPhoneと同様にバッジを表示することができるようになったため、ますます掘り起こしの効果が期待できる機能になりました。

アプリはプッシュ通知が利用できる

スマホアプリを開発する代表的なメリットを言えば、プッシュ通知が上げられます。プッシュ通知とは、特定のアプリをダウンロードし、プッシュ通知の許可を得たユーザーへ向けてメッセージを配信する機能のことです。プッシュ通知はスマホのメイン画面に表示されるので、メッセージが気になった方は画面をタップすると、アプリが起動できるというものです。

AppBank Felloの調査によると、約70%のユーザーがプッシュ通知を受け取った後、「プッシュ通知からアプリを起動する」もしくは「ホーム画面に戻ってからアプリ起動する」と回答されました。特に重要度が高く緊急性の高いメッセージはアプリが起動される可能性が高いので、割引率の高いキャンペーンやタイムセールは重宝されます。

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ここ最近、Chromeからプッシュ通知を配信できる機能がリリースされました。この機能はWindows、Macのほか、Android OSにも対応されるものですが、まだまだ課題も多く普及には時間がかかりそうです。

アプリはサイトよりアクセスが深い

アプリやスマホも見た目は一緒ですが、運用している企業に聞いてみると、アプリのほうが閲覧数やコンバージョンに違いがあると回答しました。

SHOPLISTを運営するクールズの田丸氏は「1回あたりのページ閲覧数ではアプリが4.7倍、ユーザーの滞在時間はアプリが約1.1倍、客単価ではアプリが約1.1倍となった」と説明しています。

また、オイシックスの普川氏は「アプリの特徴は、画面が小さいのはスマホと一緒ですが、滞在時間が短い割に訪問率がすごく高いのが特徴で、それが受注率アップにつながっている」とおっしゃっています。

そもそも両者は 利用するきっかけが違う

サイトよりもアプリのほうが閲覧数やコンバージョン数が違うという話がありましたが、なぜこのようなことが起こるのでしょうか。それは、利用するきっかけに違いがあります。

サイトの場合、ユーザーは「この言葉ってなんだろう?」「この人物って誰だろう?」と思ったとき、検索サイトにキーワードを入力して、目的に合ったサイトを選んでアクセスします。つまり、疑問を解決するためにブラウザから検索するわけです。

一方アプリの場合、アプリストアでブランド名や目的に合ったキーワードを入力してアプリをダウンロードします。例えばプッシュ通知でお知らせが届いたときや、新商品のニュースを見た時、店舗へ行った時などにアプリを起動して、目的にあった画面へアクセスします。

アプリの場合は、商品を購入する、新しい情報を仕入れるなどコンバージョンに関連することから行動が始まっています。サイトの場合は疑問から始まっているので疑問が解決したらサイトを離脱する。ゆえにアプリの場合はコンバージョンの手前にある「比較・検討」するためにアプリを使うといった深い行動が閲覧数やコンバージョンを押し上げているのでしょう。

「プッシュ型」と「プル型」

では、スマホサイトとアプリの違いとは何でしょうか?大きな違いは、スマホサイトは「プル型メディア」で、アプリは「プッシュ型メディア」の違いがあります。

スマホサイトはブラウザを使ってさまざまなページを閲覧できます。ソーシャルメディアや検索エンジンから多くのユーザーが流入されます。ページの作成費用も安価なことから多くのページが誕生しています。

スマホアプリはプッシュ通知に代表されるように、キャンペーンや新商品など価値ある情報を多くのユーザーにすぐその場で配信することができます。また、iPhoneはアプリアイコンにバッジを表示させることで、アプリからお知らせがあることを伝えることができます。

スマホサイトでは位置情報検索はできても、プッシュ通知やバッジ表示のプッシュ型機能や、店舗内で来店チェックインできるBeacon機能やカードをまとめられるPassbook機能などアプリで実現できる機能があることから、それらの機能を使って集客したい企業は、積極的にアプリを導入しているようです。