7月18日、Repro、ロケーションバリュー、FROSKの3社共催で、有名企業のアプリ活用事例を披露するセミナー「
アプリの虎」が開催された。アプリの虎とは、かつて放送されていたテレビ番組「マネーの虎」をもじったもの。サブタイトルの「No Challenge, No Success(挑戦なければ成功なし)」が今回のテーマに通じることからこのような名前となった。
ここ数年、PCからスマホへのシフトが進んでおり、スマホを使っているユーザーはブラウザよりもアプリの利用時間が多いことから、公式アプリへ参入する企業も多いと聞く。
開催に先立ち、Repro伊藤氏は「いざ自社でアプリを作って、アプリを活用するとなった時、何から始めたらいいのか分からない。そういった興味はあるけれどアプリに振り切れないという、悩みをお持ちの企業へ向けたのが今回のセミナーになる」と説明した。
クラッシュレビューを1.5%に抑えることが重要
続いて主催企業から、情報提供とサービスの紹介という部分を兼ねて説明をした。FROSKは、アプリ品質改善ツール「SmartBeat」を提供する。「SmartBeat」は、スマホアプリのエラーを検知・解析するツール。不具合を早期発見してデバッグなどの開発を効率化し、その結果、アプリの顧客満足度を向上するというもの。
「実際、アプリが落ちる現象はどれくらい減らせばユーザーにとって満足度が向上するのでしょうか。もちろんゼロに近づけるのがベストなのですが、アプリストアに『クラッシュした』と書かれない境界線はどこか調査したところ、100件につき1.5件以下だった」と吉井氏は語る。つまり全体レビューのうちクラッシュに関するレビューが1.5%までに抑まると満足度が向上するという。
ユーザー目線から機能選定を
次はロケーションバリューが登壇。「ModuleApps」と呼ばれる、アプリ機能がモジュールとなっていて、それをレゴブロックのように組み合わせると自社の公式アプリが完成する、アプリ開発サービスを提供している。iOSとAndroid 両対応で、管理画面やサーバーも費用に含まれている。
企業はどうしても「あの機能が入れたい」「この機能を入れたい」と欲張ってしまい、目的が不鮮明なごちゃごちゃとしたアプリができてしまう。「当社は『超ユーザーファースト』を掲げています。ユーザー目線から機能をきちんと絞って、目的に合わせたアプリを作っていただきたい」と小嶋氏は語った。
機能を絞り込んで日常使いのアプリを作る
最後にReproが登壇した。Reproはアプリの分析・マーケティングツールの提供にとどまらず、アプリのコンサルティングや運用も手がける。非IT系企業がアプリを導入して失敗する、ありがちな例として「多機能化」があげられる。機能を絞り込んで、日常使いされるようなアプリを作ることが、重要な要素の1つであると平田氏は語る。
「アプリが本業に対して、どういうシナジーを持たせたいか意識してください。本業が小売だったら『セールスチャネル』として本業と同じ商品を販売するアプリを作るか、もしくは『プリセールスチャネル』として、既存のお客様を囲い込むためのCRM的なアプリを作るかの、どちらかに絞ってください」と語った。
3社によるアプリ導入事例
主催企業のライトニングトークが終わったところで、ユナイテッドアローズ、JALカード、アスクルの3社から「アプリの活用事例」についての講演が行われた。
ユナイテッドアローズの安藤 彩子氏から、コミュニケーションチャネルのひとつとしてのアプリの役割や、リアル店舗との連携について講演を行った。
https://moduleapps.com/mobile-marketing/12096rpt/
続いて、JALカードの鳥海 淳一氏から、会員によるクレジット利用金額が他のクレジットカード会社平均の3倍にも及ぶJALカードの、アプリを活用した会員とのコミュニケーション術について語った。
https://moduleapps.com/mobile-marketing/12131rpt/
最後は、「LOHACO(ロハコ)」を運営するアスクルの土屋 文明氏、田中 久美子氏から、アプリを導入した背景から、現場の苦労話。アプリとWebサイトでのユーザー層の違いからプッシュ通知を活用したアプリならではのコミュニケーション事例などを披露した。
https://moduleapps.com/mobile-marketing/12106rpt/
参加者は登壇者のコメントにうなずき、時にはメモを取るなど、「アプリの虎」は大盛況のうちに閉幕した。