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リテールメディアの成功事例13選|国内・海外+実測ROASデータで解説
リテールメディアの代表事例は、海外ではWalmart Connect・Amazon Ads、国内ではセブン-イレブン・アドコネクト、ファミマTV、トライアルなど。ARUTANAでは実測でROAS272%・購入率9.6倍の成果も出ており、成功企業の共通項は自社アプリと購買データの統合です
「リテールメディアの事例を集めて、会議で提案したい」
「Walmartの成功は知っているけれど、日本の、それも自社の規模で再現できるのか分からない」
その疑問に、この記事は数字で答えます。国内外の主要事例を網羅したうえで、他のメディアではほとんど公開されていない「広告主側の実測ROASデータ」まで揃えました。読み終える頃には、成功企業がなぜ精緻なターゲティングをできるのかという構造が見え、社内を説得する材料が手元に残っているはずです。
本記事は、NTTドコモグループとして累計1.5億ダウンロード以上のアプリを支援し、MAU5,000万以上のリテールメディアプラットフォーム「ARUTANA(アルタナ)」を自社で運営する株式会社DearOneの専門チームが執筆しています。
リテールメディアとは|市場は4年で2.2倍に伸びる
リテールメディアとは、小売企業が持つ顧客接点(公式アプリ・ECサイト・店頭サイネージ)と購買データを活用して広告を配信する仕組みです。定義や仕組みの全体像は、リテールメディアの基本を解説したこちらの記事で詳しくまとめているので、本記事では「事例」に集中します。
まず市場の規模感です。CARTA HOLDINGSとデジタルインファクトの調査(2026年1月27日発表)によると、2025年の国内リテールメディア広告市場は6,066億円で前年比129%。内訳はEC事業者が5,236億円、店舗事業者が830億円です。
2029年には1兆3,174億円と、2025年比で約2.2倍に達する予測が出ています。店舗事業者分に限れば1,939億円、約2.3倍。伸び率だけ見れば、店舗のほうがこれからの主戦場です。
(前年比129%)
(2025年比 約2.2倍)
(830億円→1,939億円)
参考:https://cartaholdings.co.jp/news/20260127_1/
海外の成功事例|WalmartとAmazonが「利益の柱」に育てた
海外の二大巨頭はWalmartとAmazonです。両社に共通するのは、広告事業の土台が会員とアプリのファーストパーティデータにあること。ここを押さえると、後述の国内事例もすっと理解できます。
Walmart Connect|広告+会員費で営業利益の約33%を構成
Walmartは2026年5月21日発表のQ1 FY2027決算で、グローバル広告事業が前年比37%増と報告しました。米国のWalmart Connect単体でも36%増、買収したVIZIOを除けば44%増です。
ただ、経営会議で使うならこちらの数字です。CFOは、広告と会員費を合わせて全社営業利益の約33%を構成すると発言しています。小売の本業で稼ぐ会社の営業利益の、およそ3分の1が広告と会員費。「広告はおまけの副収入」という認識は、もう完全に過去のものです。
そしてこの広告事業の土台になっているのが、有料会員プログラム「Walmart+」とアプリの会員基盤です。誰が会員で、何を買ったか。この1st Party Dataがあるからこそ、広告枠に高い値段がつきます。
出典:Walmart Q1 FY2027決算(2026年5月21日発表)
Amazon Ads|四半期172億ドル、年間累計700億ドル突破
Amazonの広告収益は2026年4月29日発表のQ1決算で四半期172億ドル(前年比22%増)、直近12ヶ月の累計では700億ドルを突破しました。
強さの源泉はクローズドループ計測です。ユーザーの検索から購入までがAmazonの中で完結するため、「広告を見た人が実際に買ったかどうか」を正確に計測できます。広告主にとって、効果が数字で証明される広告枠ほど予算を投じやすいものはありません。ここでも源泉は、自社プラットフォーム上の会員・購買データです。
出典:Amazon Q1 2026決算(2026年4月29日発表)
Target・Instacart・Kroger|広がる「小売×データ」のバリエーション
米国では他にも、Targetが自社ECとアプリの顧客データを使った広告事業「Roundel」を展開しています。買い物代行アプリのInstacartは「カートに入れる直前」という購買に最も近い接点での広告が特徴です。スーパー大手のKrogerは、ID-POSデータ分析会社を核にした「Kroger Precision Marketing」で精緻なターゲティング配信を行っています。
形はサイネージ、EC、アプリ内広告と様々ですが、成果を出している事例の裏側には必ず会員基盤とアプリ経由の購買データがあります。この共通項、覚えておいてください。国内事例でも同じ構図が出てきます。
国内の成功事例|セブンが「アプリ会員基盤を主軸」と宣言した
国内は2026年、大きな転換点を迎えました。象徴がセブン-イレブンの専業会社設立です。
セブン-イレブン・アドコネクト|アプリ会員約2,800万人が主軸
2026年6月11日、セブン-イレブン・ジャパン(出資比率80%)、電通(10%)、サイバーエージェント(10%)の3社による合弁会社「セブン-イレブン・アドコネクト」の設立が発表されました。2026年9月1日に事業を開始し、資本金は1億円。基盤となるのは全国約22,000店舗と、セブン-イレブンアプリの会員約2,800万人です。店頭サイネージは現在の3,700店舗から8,700店舗へ拡大する方針で、2030年度にはリテールメディアを含む新規事業で収益200億円を目標に掲げています。広告収益は加盟店への再投資原資にする、という設計も特徴的です。
ここで注目してほしいのは、サイネージの台数ではありません。公式リリースが事業の主軸に据えたのは「約2,800万人のアプリ会員基盤という強固な顧客接点」だという点です(出典:電通ニュースリリース、2026年6月11日)。国内最大級のコンビニチェーンが、リテールメディアの心臓部はサイネージではなくアプリだと自ら宣言した。この一文の意味は大きいです。
ファミリーマート|「ファミマTV」×ファミペイの二段構え
ファミリーマートは店頭サイネージ「ファミマTV」(旧FamilyMartVision)を展開しています。仕組みとして面白いのは、サイネージ単体で完結させず、アプリ「ファミペイ」の会員・決済データと組み合わせている点です。サイネージで店内の認知を取り、ファミペイのデータで「誰に届いて、買われたか」を捕捉する。映像メディアとデータ基盤の二段構えです。
トライアル|店舗そのものを実験場にする
九州発のディスカウントストア、トライアルは店内カメラ・サイネージ・アプリを連動させたスマートストアで知られます。売場の人流や棚前の行動をデータ化し、メーカーと共同で販促の実験を回す。店舗を「メディア」であると同時に「マーケティングの実験場」として開放しているのが独自性です。
ツルハ・ウエルシアなどドラッグストア|メーカータイアップ配信
ドラッグストア各社も動いています。ツルハやウエルシアなどは、公式アプリを軸にメーカーとのタイアップ広告配信を展開中です。日用品・医薬品メーカーにとってドラッグストアの購買データは喉から手が出るほど欲しいもので、アプリ会員基盤を持つチェーンから順に広告主が集まっています。
ここまでの事例を一覧に整理します。
| 事例 | データ基盤 | 公表されている規模・成果 |
|---|---|---|
| Walmart Connect | Walmart+会員・アプリ | 広告事業37%増、広告+会員費で営業利益の約33%(Q1 FY2027) |
| Amazon Ads | EC購買データ(閉ループ計測) | 四半期172億ドル・12ヶ月累計700億ドル突破(2026年Q1) |
| セブン-イレブン・アドコネクト | アプリ会員約2,800万人+約22,000店舗 | 2026年9月事業開始、2030年度に新規事業収益200億円目標 |
| ファミリーマート | ファミマTV×ファミペイ | サイネージとアプリ決済データの連動運用 |
| トライアル | 店内カメラ・サイネージ・アプリ | メーカー協業の売場実験を常時運用 |
| ARUTANA | 全国のリテール公式アプリを横断 | 5,120万MAU(2026年5月時点)・最大42アプリに配信、実測ROASは次章 |
※ 各数値は各社公表資料・報道に基づく(2026年7月時点)
【1次データ】ARUTANAの実測事例4選|ROAS272%、購入率9.6倍
ここからは、弊社DearOneが運営するリテールメディアプラットフォーム「ARUTANA(アルタナ)」の実測データです。ARUTANAとは、Advertising(広告)をRetail(小売)を通じてUnique(独自)に配信できる「棚(TANA)」という意味。全国のリテール公式アプリを横断して広告配信できるアドネットワークで、リーチは約5,120万MAU(2026年5月時点)に達し、事業は前年度比約250%で成長しています。
導入する小売側の顔ぶれも公開されています。イオンとスギ薬局は、ARUTANA活用企業として自社のリテールメディア事業の現状をMarkeZineの対談記事で語っており(出典:MarkeZine「イオン×スギ薬局が語るリテールメディア事業の現状」)、メーカー側の成果と小売側の実名の両方を第三者メディアで確認できます。
「事例記事はよく見るけど、結局ROASの実数がどこにも書いていない……」という経験、ありませんか。ここでは第三者メディアに掲載された広告主側の成果を、数字ごと4つ紹介します。
ARUTANA事例1:明治「ザバス」|広告接触ユーザーの購入率9.6倍・ROAS156%

プロテイン市場No.1の「ザバス」が抱えていたのは、意外にも王者ならではの課題でした。市場の成長で競合が続々と参入しコモディティ化が進む中、購買直前のラストワンマイルで商品特長を伝えきれない。しかも従来頼ってきた店頭での推売活動は、店舗側の人材・時間効率化の流れで時間を確保しづらくなっていました。広告施策と店頭購買の因果を紐づけられない効果検証の課題も、高単価な粉末プロテインでは切実です。
転機は2025年3月発売の新商品「ザバス マッスルエリート」。上級者向けかつ高価格帯で、店頭に並べるだけでは手に取ってもらえない商品だったため、顧客に直接情報を届ける手段としてARUTANAを導入しました。リテーラー1社1社と個別交渉するのではなく、複数のリテールメディアを横断できる“傘”となるプラットフォームを選んだ形です。
結果、あるリテールでROAS156%を記録。広告接触ユーザーの購買率は、非接触ユーザーの9.6倍に達しました。ID-POSデータで広告と購買が直接紐づいたことで、長年の効果検証課題にも答えが出ています。さらに「リテールメディアでの広告配信も強化します」という一言が、営業がリテーラーに売場づくりを提案する際のフックとしても機能したといいます。
出典:MarkeZine「広告接触ユーザーの購入率9.6倍!明治『ザバス』のリテールメディア活用と『ARUTANA』の有用性」(2025年9月12日)
ARUTANA事例2:ファイントゥデイ「+tmr」|ROAS272%、既存顧客セグメントでは9843%

ヘアケアブランド「+tmr(プラストゥモロー)」を展開するファイントゥデイは、認知訴求を目的に、大手ドラッグストアや総合ディスカウントストアのアプリ面で視認性の高いモーダル広告・バナー配信を実施しました。
特徴はセグメント設計です。「対象商品の既存顧客」に加え、「1,000円以上のシャンプー・コンディショナーカテゴリ購買者」「ヘアケアカテゴリ購買者」など、購買データそのものを起点にターゲットを組み立てています。
成果はROAS272%。さらに既存顧客セグメントに絞った配信では、ROASが9,843%という数字に到達しました(実績期間は出典記事の注記参照)。
市場全体でカテゴリー売上が前年比18%ダウンしていた需要期外のタイミングで、広告接触ユーザーの売上を伸ばした点も見逃せません。「買ってくれそうな人」を推測ではなく購買履歴で特定できる、リテールメディアならではの成果です。
出典:MarkeZine「ROAS272%を実現!ファイントゥデイが『ARUTANA』活用でトライしたリテールメディアの最適化」(2025年12月26日)/AdverTimes「アプリ×1stPartyデータで実現 ARUTANAが拓くリテールメディアの新機軸」(2026年6月1日)
ARUTANA事例3:飲料ブランド|iROAS166%、購買率・平均購買額も上昇

高価格帯の商材だけではありません。コンビニエンスストア市場での高いシェアを背景に、日常的に手に取りやすいデイリー商材でも効果が確認されています。ある飲料ブランドの配信では、iROAS(純増ROAS)が166%に到達し、購買率・平均購買額も広告接触によって右肩上がりに推移しました。
iROASは「広告がなくても買われていた分」を除いた純増効果を測る指標で、米国リテールメディア業界で標準化が進んでいます。単なるROASより厳しい基準で166%という数字が出ていることは、配信が実際に新しい購買を生んでいる証拠と言えます。
ARUTANA事例4:医薬品|「買える時間・買える場所」への限定配信
リテールメディアの精度を最も象徴するのが医薬品の事例です。医薬品は販売に条件が伴う商材ですが、ARUTANAは購買実績に基づく柔軟なセグメント配信と細かな時間設定ができるため、「その商品を買える店舗の利用者」に「買える時間帯」だけ広告を届けるという緻密な設計が可能になりました。
どれだけ精緻にターゲティングしても、買えない場所・買えない時間に届く広告はコンバージョンしません。配信面が「売場そのもの」であるリテールメディアだからこそ成立する運用設計です。
※本記事の実測データは各メディア掲載の公開情報に基づきます。数値はいずれも個別事例・個別期間の実績であり、一般的な効果を保証するものではありません。
💡関連記事:リテールアプリの利用実態を独自調査したARUTANA Labレポート
事例から見える成功パターン3つ
WalmartからARUTANAの広告主まで見てきて、成功事例の共通項は3つに集約できます。サイネージの台数でも、店舗数でもありません。
パターン1:高頻度で開かれる自社アプリ=会員基盤がデータの源泉
WalmartはWalmart+、セブンは約2,800万人のアプリ会員を戦略の中心に置いています。理由はシンプルで、使われないアプリはデータを生まないからです。
逆に言えば、優れたUI/UXで日常的に開かれるアプリなしに、リテールメディアは機能しません。広告事業の前に、まずアプリが顧客の生活に入り込んでいるか。順番はこちらが先です。
💡関連記事:使われるアプリを作れる開発会社の選び方はこちらで解説しています
パターン2:オンとオフの購買データ統合と、広告主への価値還元
アプリやECのオンラインデータと、店頭・サイネージのオフライン接点を統合し、購買リフトやROASを広告主に可視化して返す。Amazonの閉ループ計測も、ARUTANAの実測ROASも構造は同じです。広告主が出稿を続けるのは「効果が数字で見える」から。計測基盤のないリテールメディアは、単価の安い看板で終わります。
パターン3:「買える場所・買える時間」への配信設計
医薬品の事例では、薬剤師が在籍する時間帯に取扱店舗の利用者へ限定配信するという設計が成果を生みました。セブンも時間帯・天候・在庫と連動した配信を志向しています。買えない場所・買えない時間に届く広告は、どれだけ精緻でもコンバージョンしません。「今まさに買える人」に届ける設計こそ、購買データを持つリテールメディアだけの武器です。
日本ならではの追い風|分散市場だから中堅小売にも余地がある
もうひとつ、日本固有の構造に触れておきます。米国はWalmartへの集中度が極めて高い市場ですが、日本の小売は地域・業態ごとに分散しています。つまり、全国区の巨人でなくても、自社アプリ起点でリテールメディアに参入する余地が中堅小売にも残されているということです。単独でリーチが足りなければ、複数の小売アプリを束ねるアドネットワークに参加する道もあります。
💡関連記事:自社でリテールメディアを立ち上げる手順はこちらの記事が実践的です
まとめ|成功の土台は「使われるアプリ」と「データ基盤」
国内外の事例を貫く結論はひとつです。リテールメディア成功の土台は、高頻度で利用される自社アプリと、購買データの統合・配信基盤の構築にあります。セブンもWalmartも、サイネージより先にアプリ会員基盤を主軸に据えました。鍵は店頭の画面ではなく、顧客のポケットの中にあります。
とはいえ正直なところ、会員基盤づくり、データ統合、広告主開拓のすべてを自前で揃えるのは重たい仕事です。「アプリはあるが広告収益化のノウハウがない」「そもそも使われるアプリから作り直したい」。その段階の企業ほど、既存プラットフォームの活用が近道になります。
弊社DearOneは、累計1.5億ダウンロード以上を支援してきたアプリ開発プラットフォーム「ModuleApps2.0」と、リテール公式アプリ専用アドネットワーク「ARUTANA」(約5,120万MAU・2026年5月時点)を提供しています。ARUTANAは公式アプリに導入するだけで、追加開発コストなしで広告収益化が可能です。ModuleApps2.0で開発したアプリなら、広告表示までの連携もスムーズに進みます。
こんなお困りごとはありませんか?
リテールメディアに参入したいが、何から着手すべきか判断できない
公式アプリの会員基盤はあるのに、広告収益に変える仕組みがない
アプリの利用頻度が低く、データの源泉として機能していない
→ ARUTANAのサービス詳細を見る(アプリの広告収益化)
→ ModuleApps2.0の資料を請求する(費用目安つき)
→ リテールメディアの始め方を専門チームに相談する
よくある質問
Q:リテールメディアの代表例は?
海外ではWalmart ConnectとAmazon Adsが二大巨頭です。国内ではセブン-イレブン・アドコネクト、ファミリーマートのファミマTV、トライアルが代表例で、複数の小売アプリを横断して配信できるARUTANAのようなアドネットワーク型も広がっています。
Q:国内のリテールメディアの一覧は?
国内の主なリテールメディアは、セブン-イレブン・アドコネクト、ファミマTV(ファミリーマート)、トライアル、ツルハやウエルシアなどドラッグストアのアプリ広告です。形式は店頭サイネージ型・EC型・公式アプリ型・複数の小売を束ねるARUTANAなどのプラットフォーム型の4つに大別できます。
Q:リテールメディアを始めるには何が必要ですか?
高頻度で使われる自社アプリ(会員基盤)、購買データの統合基盤、広告配信と効果計測の仕組みの3点です。すべて自前で構築するのはハードルが高いため、既存プラットフォームの活用も現実的な選択肢です。
Q:サイネージを置くだけでは収益化できませんか?
サイネージ単体では「誰が見て、買ったか」を計測できず、広告主に効果を証明できないため広告単価が上がりません。ファミリーマートがサイネージとファミペイのデータを連動させているように、アプリ会員データと組み合わせて購買リフトを可視化することが重要です。







