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「プッシュ通知は集客するための大きな武器」プッシュ通知の効果を最大限に引き出す6つの工夫とは?神戸デジタル・ラボ
神戸デジタル・ラボが運営するスキー場情報アプリ「yukiyama」で行っているプッシュ通知の取り組みについて講演を行った。 プッシュ通知は集客するための大きな武器と考えているが、スキー場側に権限を渡すとかえって困惑するのではないかと懸念していた。 そこでスキー場側に意味のあるプッシュ通知を配信するため、6つの施策を実行したという。
本記事は、富士通クラウドテクノロジーズ、Repro、フェンリルの3社主催、大塚製薬の協賛で行われた「『ぷっ』しゅま ~プッシュ通知ノムコウ」より、神戸デジタル・ラボの佐々木氏から「B2B2Cアプリ開発で感じたPUSH通知の勘所とは ウィンタースポーツO2Oアプリ yukiyama」と題した講演の模様をお届けする。
「yukiyama」とは、2016年11月にリリースした、スキー場情報アプリのこと。ユーザーは「食べログ」のようにスキー場の情報が検索できる。スキー場側は登録すると、管理画面上からパーク情報やリフト運行情報などが更新できるようになる。
もともとスキー場側は、紙媒体やWebサイトなどのコンテンツをメンテナンスすることが多く、日々行っている運用の手間を軽減したいと考えていた。 最近では公式アプリをリリースするスキー場も多いが、費用が200万円以上かかってしまうため、導入に難色を示す企業も多い。 そこでyukiyamaがスキー場とユーザーをつなぐ立ち位置で提供つなぐこととなった。
スキー場側がメリットを感じる6つのプッシュ施策
yukiyamaでもプッシュ通知は集客するための大きな武器と考えているが、スキー場側で自由にプッシュ通知を配信できると、ユーザーは嫌がるのではないかと佐々木氏は思っている。 そこでスキー場側に意味のあるプッシュ通知を配信するためにはどうしたらよいかを考えた。
1.利用者の属性を絞り込んでプッシュ通知を送信できる機能
スキー場では、ゲレンデの出会いイベントを行っており、お知らせを一斉配信していたが、ファミリーに送ってもあまり意味がないと思った。 それで、アプリ上で属性入力している「一人で滑りたい」「学生」に絞ってプッシュ通知を配信した。
2.利用者の来訪時期、回数によってプッシュ通知を送信できる機能
スキー場側は「集客」がメインであるため、一度来てもらった人に再訪してほしいという思いがあった。 ユーザーは先週来たのか、1年以内に来たのか、1年以上来ていないのかによってプッシュ通知の文言が変わってくるため、それらを精査しながらプッシュ通知を行った。
3.リアルタイムな現地情報をプッシュ送信できる機能
ほとんどのスキー場は16時に閉店してしまうが、閉店前に売れ残った商品を販売するため「ケーキ割引サービスを行います」という文言とともに、プッシュ通知をタイムリーに配信する。 これはスキー場にいる人だけに配信するため、チェックインした人のみに配信している。
4.ユーザーの負担を軽減するプッシュ通知を送信する機能
先程のチェックイン機能は、ユーザーが手動で行うものであることから、ユーザーが押し忘れていたり、または面倒臭がってしまったりすることがある。 そこで、ユーザーがスキー場近くへ来た場合、チェックインを促す文言のプッシュ通知を自動で配信する。
5.プッシュ通知のPDCAを行える機能
プッシュ通知の運用を行っていると、はたして狙った効果があったのか検証を行う必要がある。 プッシュ通知はどれくらい開封され、開封したあとどの画面へ行って、どの画面で離脱したのか検証しながらPDCAを回していく。
6.機能ではないが、初期サービスは実装にはコストをかけない
プッシュ通知を自前で実装すると実装や保守に、多くの時間と費用がかかってしまう。今回、mobile backendを利用することで、コストを安く済ませることができた。 新規サービスでは実装や保守にコストをかけるより、サービス設計にコストをかけていきたいと思っている。
プッシュ通知は何でも送ればよいというものではなく、意味のあるプッシュ通知を送る機能設計が重要である。 「プッシュ通知ではここに挙げている以外いろいろとできると思いますので、今後機能を追加して可能性を広げていこうと思っています」と語りセミナーが終了した。