今すぐ活用できる!プッシュ通知の効果を上げるノウハウをReproが惜しげもなく披露

 Post by MML編集部
3月9日、Repro(リプロ)とセプテーニの共催で「Growth Hack Talks3 成功企業から学ぶアプリマーケティングの最新トレンド」が開催された。このイベントは、アプリの成長をミッションとする企業担当者がグロースハックのノウハウをシェアし合うイベントである。 今回のテーマは「成功企業から学ぶアプリマーケティング ~モバイルアプリに注力する狙いと戦略~」。Reproの平田 祐介氏が「アプリ内マーケティングの重要性と実践」をテーマに、プッシュ通知の許諾方法やタイミングを最適化して、ユーザーのリテンション率(アプリの継続率)を増加する方法について講演した。
Repro株式会社 代表取締役 CEO 平田 祐介氏
Reproは、46か国3,200アプリに導入されているアプリマーケティングツールを提供する企業。Googleアナリティクスのようなログ解析のほか、実際にユーザーが利用したアプリの操作を動画で撮影して、何が悪かったのか確認できる定性分析機能を搭載している。 このほか、よく購入する人などの属性データを、FacebookやTwitterのAPIに連携して広告配信するといったDMP機能も搭載している。

アプリ内マーケティングとは?

アプリ内マーケティングとは、必要なユーザーに、必要なコンテンツを、必要なタイミングで届けることで、ユーザー体験を最適化するマーケティング手法のことである。それによって、エンゲージメントの高いユーザーを大きく増やし、アプリにとっての価値を最大化するわけだ。具体的には「プッシュ通知」と「アプリ内メッセージ」を最適化する。 エンゲージメントが高まると、「商品一覧」「商品詳細」「カートに入れる」「購入する」といった各ファネルの離脱率が減少し、コンバージョン率も改善するという。 「当社のクライアントベースでどういう経済効果があったのかで言うと、例えば新規ユーザー獲得に 5,000,000円使っている会社があります。1万人獲得したため、CPIは 500円です。1か月後、1,500人しか残っていなかったため、1か月後のリテンション率が15%でした。それでリテンション率を5%上げることができたら、逆算してどれくらいの効果があるのかというと、毎月 1,670,000円の経済効果があります」と平田氏は説明した。

初回起動時に承諾ダイアログを出してはダメ

アプリ内マーケティングを実施する際、まずはプッシュ通知の許諾率を上げることが重要となる。「ユーザーがアプリを初回起動したら、いきなり『プッシュ通知を送ってもいいですか?』と表示されますが、これは一番ダメな例です」と語る。 プッシュ通知は、許諾ダイアログを表示する「タイミング」があるという。「結論から言うと、ユーザーがこのアプリ良いなと思ったタイミングで表示した方がいいです。配車アプリのUberでは、配車オーダーした後と直前に『あなたは配車の進捗を知りたいですか?それならプッシュ通知を許諾してね』と表示されます。そりゃ知りたいですよね、到着45分と書いてあるけど、本当に45分で到着するのか気になりますから」と説明する。

承諾タイミングを変えただけで、20%増加

続いて、ゲーム攻略法を紹介するニュースアプリ「ゲーマグ」の事例を紹介した。「もともとは初回起動時に承諾ダイアログを表示していたのですが、これは不自然だよねと思った。さまざまなタイミングで承諾を出して一番自然だったのは、1回以上記事を読んだタイミングで許諾ダイアログを出すことでした。その結果、タイミングを変更しただけで20%改善しました」 「自分のアプリもう一度見直してください。皆さんのアプリの中で、ユーザーが楽しいなと思うタイミングってどこなのかというのを改めて考えていただきたい」と説明した。

効果は1.4倍!「リッチプッシュ通知」

それに関連して平田氏は「リッチプッシュ通知」について説明をした。「リッチプッシュとは、タップ後の画面に画像や動画を挿入できる機能ですが、これを使っている事業者は少ない状況です。リッチプッシュをやると開封率が平均1.4倍に増加します。高いもので2.0倍増加します。しかし、みんなやり始めると効果が下がってしまうので、早めにやったほうがいい」とリッチプッシュの効果について説明した。

説明文を入れるだけで承諾率は65%に増加

続いて、アプリ内メッセージを説明した。iOSでは、必ず承諾ダイアログが表示されるのだが、ユーザーが納得してもらうことを考えると、このダイアログだけでは説明が不足している。そのため、承諾ダイアログが表示される直前に「アプリ内メッセージ」を表示する必要がある。 「Reproを導入している3,200アプリの平均値を集計すると、プッシュ通知の平均許諾率は40%ぐらいでした。アプリ内メッセージを表示したあと許諾ダイアログを表示すると、平均65%に増加しました。ちょっと考えるだけで25%も訴求できます、25%って全体の 1/4ですよ、すぐに実践しましょう」と平田氏は説明した。

アプリ内メッセージを表示して、10%増加

モバオクの場合、もともとはダイアログのみ表示していたのだが、直前でアプリ内メッセージを表示したところ、前回より10%改善したという。ここで大事なのは、イラストや訴求文言のほかに、「承認ボタンの文言」を入れること。ここで意思表示をさせることが許諾率を上げるポイントだと平田氏は語った。

さらなるコミュニケーションの最適化とは

ユーザーの許諾率が上がったところで、今度はどうやってコミュニケーションの最適化を行うのだろうか。この方法について平田氏は「マーケティングシナリオを作ってひたすらPDCAを回していく」と話す。 「まずは初回利用、利用開始、継続利用、課金が自分のアプリにとって何なのかというところを整理して、シナリオを作成します。やってみて効果が無かったら見直して、また実施します。これをやるとユーザーが戻ってきてくれることがあります」。 「例えば分かりやすい例で言うと、アカウント登録から利用開始までのストーリーを描いた場合、アプリを起動した後にこういう広告を出しましょう、その後アカウント作成をしなかったユーザーは、3日以内にプッシュ通知を配信しましょう。それで戻ってくればアプリを起動します。それでも開封しなかった人はリエンゲージメント広告で対応しましょう、というふうにシナリオを作ります」。 「それで効果があったものに対しては継続だし、効果がなかったものはシナリオが間違っているのか、提供する施策の画像やコンテンツが間違っているのか、施策内容を1つひとつ効果検証していきましょう」と語った。