経済産業省は、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアを活用することにより、企業が販売促進、商品企画などの事業活動を高度化する取り組みを普及させるため、先進事例を取りまとめています。
今回、それらの集大成として「企業のソーシャルメディア活用に関する調査報告書」を発表されました。事例や活用状況、指標など内容は膨大ですが、今回はダイジェストでご紹介いたします。
アンケートから見えた企業のSNS活用状況とは?
2016年3月3日、「ソーシャルメディア活用先進事例報告会」が行われました。今回、170名の参加者に「ソーシャルメディアの活用状況」についてアンケートを行いました。
まずは参加企業の業種についてお聞きしました。最も多かったのは「通信・情報」でした。これは、ソーシャルメディアの支援事業が多かったものと思われます。次いで、製造、サービス、その他、食品・日用品と続きます。
ソーシャルメディアの活用状況について質問したところ、「活用している」と回答した人は63%、「今後取り組みたい」と回答した人は35%でした。
上記で「活用している」と回答した企業を対象に、ソーシャルメディアの活用目的について質問したところ、「認知向上」が88社と大部分を占めました。次いで、「販売促進」が35社となりました。
上記で「活用していない」と回答した企業を対象に、その理由について質問しました。「人材や知見がない」と回答数る人が最も多く、次いで「効果があるのかわからない」「担当部署がいない」と続き、それらが3大課題となっているようです。
SNSを活用している企業の目的とは?
現在、ソーシャルメディアは、「売るための情報を一気に拡散する」という活用から、「共感を得て、顧客との一歩踏み込んだ関係を構築」、「顧客の本音や真のニーズを知り、商品やサービスに生かす」ためのツールとして活用する動きへと変わりつつあるそうです。
ソーシャルメディアを活用した先進企業42社の事例を以下、5つのカテゴリーに分類するとこのようになりました。
活用目的として最も多かった「販売促進」は、ソーシャルメディア上でお話題を作り、自社のECサイトに誘導するといった使い方が一般的です。この際に重要となってくるのがソーシャルメディア上の話題作りであり、飽きられない投稿を行うことが重要になってきます。
続いて「認知向上」は、自社の商品やサービスについて、Webサイトに掲載しただけでは伝わらない良さをソーシャルメディアで伝える企業が増えてきているそうです。特にマス広告に費用をかけられない中堅・中小企業にとっては活用の価値があります。
ソーシャルメディアに対する効果の考え方と指標について
事例を調査していくと、ソーシャルメディアの効果について、「売上」や「収益」と直結した指標を持っている企業は一部にとどまっています。一方で、各社が重視し活用しているのが、「サイトへの流入数」や「フォロワー数、ファン数、友だち数」、「リーチ」、「エンゲージメント率」といった指標でした。
ソーシャルメディアから企業サイトへ流入し、商品の詳細情報を見てもらうことはユーザーの「認知向上」につながっています。また、投稿に対してユーザーが共感を覚えたあと、いいね!やリツイートなどのアクションを行うことは「ブランディング」につながっています。リーチ数や友だちの数の大きさは投稿やアカウントの「影響力」を測る指標になります。
ソーシャルメディアの取り組みはさまざまですが、一様に言えることは「企業から一方的にコンテンツを提供するだけでなく、いかに商品やサービスなどに共感してもらい、愛着を持ってもらうかが重要である」と調査書のなかで述べられました。
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