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アプリ運用とは?「保守」との違いや、費用・体制づくりを徹底解説

公開日:2025.12.23 / Post by 森 由紀乃

「アプリをリリースした後、具体的に何をすべきかわからない」
「アプリの運用にかかる費用ってどのくらい?」
「成果を出すためにはどうしたらいい?」

アプリリリース後、多くの企業が直面するのが「運用をどう進めれば良いのか」という課題です。

ストアに公開しただけでは、継続的な成果にはつながりません。ユーザーに選ばれ続けるアプリにするためには、安定した稼働を維持する「守り」と、ダウンロード数や利用率を高める「攻めの改善」を両立するアプリ運用がカギとなります。

本記事では、アプリ運用の基本的な役割や必要なコスト、ビジネスで成果を出すための具体的な施策を解説します。リソース不足やノウハウ不足でアプリ運用にお悩みの方は、ぜひご覧ください。

アプリ運用の概要

まずは、アプリ運用の役割や保守との違い、かかる費用とその目安を理解しましょう。

アプリ運用とは?

アプリ運用の役割とは、システムを管理して常に動かし続けることです。「ユーザーが快適にアプリを利用できる状態を維持すること」を目的に、様々な業務を行います。

具体的な業務としては、アプリケーションの起動・停止、データのバックアップ、システムの監視データの入力や出力作業などです。

成果を向上させるためには、これらの業務に加えてダウンロード数やアクティブ率などの数値を高めるための改善活動を行うことも必要です。単にアプリが動いている状態を保つだけではなく、ビジネスで成果を生み出す積極的な取り組みも求められます。

保守との違い

アプリ運用と似た概念として保守がありますが、保守の役割はシステムの機能と品質を維持・改善することです。アプリケーションの不具合・修正対応、OSのアップデート対応、セキュリティ対策の実施などがあげられます。

保守はアプリの最低限の品質維持を行うものとすると、運用はビジネスの成長も担う概念と理解すると良いでしょう。

家で例えるなら、保守は雨漏りの修理やシロアリ対策といったメンテナンスにあたり、放置すると住めなく(使えなく)なります。一方運用は、毎日の掃除や、電気・水道が止まらないように点検すること、さらには住み心地を良くするために古くなった設備・家具を新しいものに入れ替えることなども該当します。

運用には、時代やニーズに合わせて形を変える「攻め」の姿勢も必要なのです。

アプリ運用にかかる費用目安

アプリ運用を継続的に行うためにかかる費用について、6つの項目に分けて解説します。

一般的に、アプリ運用にかかる費用は利用ユーザー数に応じた従量課金性であることが多いですユーザー数が多い、もしくはアプリの規模が大きくなるほど、費用も高額になります。

そのため、リリース直後の利用者数だけでなく、将来的にサービスをどこまで伸ばしたいのか、まで考えると良いでしょう。

サーバー費用

アプリの動作に必要なインフラ費用です。小規模なアプリであれば月額数千円から1万円程度、ユーザー数が数万人規模になると数万円から数十万円、数百万円かかるケースもあります。

利用者の数やデータ量によって必要なメモリや容量が変動するので、自社アプリのユーザー数(MAU)やアクセスのピーク時に耐えられるスペックを確保する必要があります。

弊社DearOneが提供するアプリ開発サービス「ModuleApps2.0」は、親会社であるNTTドコモのセキュリティ基準に準拠したサーバーシステムを使用しており、提供開始以来、サービス停止時間ゼロを継続中。情報管理も徹底しており、アプリの運用に関しても安心してお任せいただけます。

「ModuleApps2.0」の詳細はこちら

ドメインにかかる費用/SSL証明書費用

こちらはサービスの継続に必要な費用です。ドメインやSSL対応は年間で契約することが一般的で、更新を忘れてしまうとサービスが停止してしまうため、確実な管理が求められます。

目安となる金額はドメインに年間1,000円から3,000円程度、SSL証明書は無料のものから年間数万円のものまで幅広いです。

OSアップデートに対応する費用

iOSやAndroidのアップデート時に必要となる改修費用です。OSの大型アップデートは年に数回行われ、対応は避けられません。1回のアップデート対応にかかる費用の幅は広く、アプリの複雑さや規模感によって大きく変わります。

保守対応にかかる費用

先ほど解説した“保守”にかかるもので、システムの監視、障害対応、セキュリティ対策など、アプリを運営する上で最低限必要な維持費用です。

アプリ開発を外部に依頼する場合は、こうした保守費用の一部が開発会社の月額料金等に含まれている場合もあります。どこまで含まれているのかなど、料金の内訳はあらかじめ把握しておくとよいでしょう。

機能の追加や改善を行う費用

ユーザーのニーズに応じた機能の追加やUX改善などにかかる費用です。ユーザー満足度向上や競合との差別化のために、継続的に投資することが必要な領域と言えます。

小規模な機能追加で数十万円、中規模で100〜300万円、大規模なリニューアルでは数百万円から1,000万円以上かかることもあります。

アプリのコンテンツを更新する費用

プッシュ通知、ニュース、イベント情報などの情報配信にかかる費用で、ユーザーと接点を保ち、アクティブ率を維持するために欠かせない要素です。月数万円から10万円程度が目安で、更新頻度や外部にどこまで依頼するかによっても変動します。

以下の記事では、アプリの開発費用~運用費の詳細や、費用を抑えるポイントなども解説しています。併せてご覧ください。
💡関連記事:【2025】アプリ開発費用を実際の見積書7社分から徹底解説

アプリ運用で成果を出すための5つの戦略

では、アプリで成果を出すためには実際どのような体制のもと、施策や業務を行えば良いのでしょうか。ここでは、安定的な稼働を維持しながらビジネスを最大化するために重要となる方法を5つ紹介します。

1. 運用効率を高める組織体制を構築する

アプリ運用の成否を左右する重要な要素の一つは組織体制です。マーケター・エンジニア・分析担当がシームレスに連携できる体制が重要になります。なぜなら、アプリ運用には担当者同士が密にコミュニケーションを取ることが必要だからです。

例えば、マーケターが施策を企画する時には分析データが必要になり、実装にはエンジニアの協力が不可欠です。各担当者が別々に動いていると、情報共有に時間がかかったり、認識のズレも生じやすくなります。

一方、日常的にコミュニケーションが取れている体制であれば、データ分析から施策立案、実装までをスムーズに進められ、市場やユーザーニーズの変化に素早く対応できるでしょう。

2. 守りと攻めのタスクを定義する

運用の業務においては、タスクを「守り」と「攻め」に切り分けることがリソース配分を最適化する上で非常に効果的です。

守りのタスクには、保守・不具合対応・OS対応などが含まれます。一方、攻めのタスクとしては、改善施策・ASO(アプリストア最適化)・UX改善などがあげられます。これらを混同せずに、自分の業務が何を目的に行っているのか把握することが重要です。

そして、タスクに取りかかる際には、優先度を明確にして改善施策が後回しにならない仕組みを作りましょう。緊急の対応に追われて、本来注力すべき施策が進まなくなってしまうと、アプリの成長にはつながりません。

3. OSアップデートやセキュリティ対応を確立する

iOS・Androidアップデート時に動作検証を行い、不具合を早期に発見するなど、守りのタスクについては、特に体制を整えておくことが重要です。不具合やセキュリティの脆弱性への対策が後回しになってしまい、致命的な事故が起きてしまうとユーザーからの信頼を一気に失いかねません。

OSのアップデートは年に数回発生しますが、そのたびに想定外の動作が発生する可能性があります。事前に検証を行うなど、計画やプロセスを確立しておきましょう。

4. コストを最小限にして余ったリソースを投資に回す

アプリ運用にかかるコストは、開発の15%~20%程度が一般的な目安とされています。

その限られた予算やリソースを最大限活用することが、成長につながります。例えば、既存機能の整理や無駄な改修作業を削減して保守の費用を最適化しましょう。使われていない機能をメンテナンスし続けることは、リソースの浪費につながります。

そして、浮いたリソースを新機能やUX改善などの成長施策に投資することで、アプリの価値を高めることができます。

5. KPIを設定して改善サイクルを回す

成果を上げるためには適切なKPIの設定が必要です。

ダウンロード数、リテンション、MAU・DAU、LTVなどのKPIを設定して、継続的な改善サイクルを構築しましょう。これらの指標を定期的にチェックすることで、経営におけるアプリの健康状態を把握できます。

また、上記のデータについて分析→仮説立案→施策→検証のPDCAを短い周期で回すことが成果につながります。週次や月次で振り返りを行うようにしてください。

「ModuleApps2.0」で提供している伴走コンサルティングサービスの紹介

一方、アップデート対応からUX改善、適切なKPI設定など、数多くの施策を社内リソースだけで回していくのは容易ではありません。外部に依頼するというのも一つの手です。

弊社DearOneが提供している「ModuleApps2.0」では、アプリの開発からリリース後の安定稼働を担う保守運用まで、トータルでご支援させていただきます。

加えて、各企業様のKPI達成に向けたデータ分析に基づく改善施策の立案~実行までをトータルで伴走支援するサービスもご用意しております。上記5つの戦略についても、多くのアプリ開発を支援してきたプロと一緒に進めることができ、アプリで確実に成果を出したいと考えている方にはおすすめです。

アプリの運用にお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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アプリ運用で押さえるべき主な指標

続いては、アプリ運用で成果の把握につながる主な指標を紹介します。

指標を適切に使うことで、施策の効果が出ているかどうかを様々な角度から分析することができ、より精度の高い検証を行うことができます。運用担当者は押さえておきましょう。

アプリ運用の重要指標(KPI)一覧表。ダウンロード数、CPI、AU、MAU/DAU、リテンション率、インプレッション数、CTR、CVRの意味と詳細解説

具体的なアプリ運用施策|成果が出やすい5つの方法

ここからは、実際のアプリ運用で成果につながりやすい「攻め」の具体的な施策を5つ紹介します。

①ASO(アプリストア最適化)

ストアは、多くのユーザーにとってアプリとの最初の接点になります。
そのため、タイトルや説明文に適切なキーワードを含める、魅力的なスクリーンショットを用意するなど、ストアページを最適化することは非常に重要です。

具体的なASO施策としては、以下のようなものがあげられます。

効果的なASO対策(アプリストア最適化)の具体策一覧。タイトル・アイコン・スクショの最適化、ローカライズ、レビュー改善、競合分析など

ASO対策に関しては、以下の記事でもより詳しく解説しています。併せてご覧ください。
関連記事:アプリマーケティングとは?代表的な施策と成功事例を解説

②プッシュ通知とアプリ内メッセージの最適化

プッシュ通知やアプリ内メッセージを活用して、タイミング・頻度・ユーザーセグメントごとの配信を行いリテンション改善を狙う施策です。

プッシュ通知は使い方やタイミング次第でユーザーの利用を促すツールになりますが、過度な配信は逆効果になるので注意が必要です。ユーザーの行動パターンや過去の反応に基づいて、最適なタイミングで配信したり、セグメントごとにパーソナライズすることで効果を高められます

たとえば、一定期間ログインしていないユーザーにだけ「あなた向けの新機能が追加されました」と通知を送る、過去の閲覧・購入履歴をもとに関連商品の情報を送るなど、蓄積されたデータをもとにメッセージを工夫することで、開封率やアプリの利用率を改善することができます。

実際に「ModuleApps2.0」を使ってターゲットを明確に絞ったプッシュ通知を配信し、MAUを175%改善したアプリの事例もあります。
【タワーレコード株式会社】正確なターゲティングによるプッシュ通知で会員アプリMAU数175%増!

また、“パーソナライズされたプッシュ通知・メッセージ配信”を自動で行ってくれるツールも数多くあります。
中でも「MoEngage」は、キャンペーン自動化による運用効率化、顧客行動の分析など機能も幅広く、顧客体験を向上させるMAツールとして幅広い企業で導入されています。

MoEngage バナー

「MoEngage」の詳細はこちら

③UI/UX改善

UI/UX改善は、離脱ポイントの可視化、ABテストによる導線改善、オンボーディング最適化などを通じて、ユーザー体験を向上するための施策です。

特に初回利用時のチュートリアルは、その後の継続率に大きな影響を与えます。ユーザーが迷わずに使い方や価値を理解できるよう、分かりやすい導線を設計することが重要です。また、ABテストを活用するなどしてデータに基づく改善を行いましょう。

④レビュー・ストア評価対策

評価やレビューは、ダウンロード率に直結する重要な要素です。特にネガティブなレビューへの対応や改善施策を告知することがポイントになります。

低評価のレビューについては、丁寧に返信し問題について認識していることを示しましょう。また、指摘された問題を実際に改善したら、アップデート情報として報告することで、誠実に運営していることをアピールできます。満足度が高いユーザーにレビューを促す仕組みを作ることも効果的です。

⑤機能追加・アップデート運用

利用データに基づいた機能改修、不要機能の整理、定期的なバグ修正で品質を維持する施策です。ユーザーの実際の利用状況を分析して、本当に必要な機能を優先的に改善するようにします。

一方で、ほとんど使われていない機能は思い切って削除することも検討しましょう。機能をシンプルにし、運用しやすいアプリはユーザーにとっても、運用側にとってもメリットが大きいです。

アプリ運用を内製化するか外注するかの判断基準

アプリ運用をどこまで自社で行うか、外部に委託するかは多くの企業が悩むポイントでもあります。最後に、それぞれ向いているケースを整理します。

内製化に向いているケース

以下のようなケースでは、内製化する方が向いています。

アプリが事業の中核を担っている場合

アプリ運用が事業の中心業務になっていて迅速な改善が求められる場合は、内製化が適しています。外部とのやり取りを挟まないので、意思決定から実行までをスピーディーに行えるでしょう。例えば、フードデリバリーアプリやフィンテックアプリのようなものがあげられます。

専門スキルを持つ人材が社内にいる場合

社内にマーケティング・分析・改善のスキルが揃っているケースも内製化に向いています。自社のメンバーで行えば、コミュニケーションコストを抑えながら質の高い運用が可能です。

内製と外注の併用

一方で、完全に内製化すると、担当者の役割や負担が多くなりすぎる可能性もあります。
その場合は、一部の業務を外注する「内製と外注の併用」も検討しましょう。

全てを外注するのではなく、
・開発やシステム保守など、専門性が高い部分は外注、「施策立案や企画」などのコア業務は社内で行う
・専任のコンサルタントに依頼し、相談しながら一緒に運用する
など、自社の体制や割けるリソースの状態に合わせて柔軟に考えられるとベストです。

外注に向いているケース

一方、専門人材の確保が難しく、早期に成果を出したい場合は外注を検討する価値があります。

アプリの開発・運用経験が豊富なパートナーを活用することで、リソース確保や試行錯誤の時間を短縮し、よりスピード感をもって成果を出すことが可能です。アプリユーザーの傾向やトレンドを素早くつかむことも重要ですので、社内にDXやアプリに関する知見がない場合は特に、外注することをおすすめします。

💡自社に合うアプリ開発会社を探している方はこちら
アプリ開発会社のおすすめ12社をプロがジャンル別に紹介

まとめ | アプリ運用では「守り」と「攻め」の両立が成果につながる

以上、アプリ運用の基本や成果を出すためのポイント、重要指標などを紹介しました。

繰り返しになりますが、アプリ運用で継続的に成果を出すには、安定稼働(守り)と改善施策(攻め)の両輪で運用することがポイントです。どちらか一方に偏ってしまうと、システムが不安定になるか、成長が止まってしまいます。

運用のためのシームレスな体制を作り、データに基づいて改善サイクルを回し続けることでアプリで成果をあげることができます。適切なKPIを設定して、成果向上に必要な施策を実行しましょう。

弊社DearOneが提供する「ModuleApps2.0」は、豊富なアプリ機能から必要な機能を選択して組み込むことで、低価格で自社独自のアプリが開発できるサービスです。

NTTドコモのセキュリティ基準に準拠した、高品質なアプリ開発・運用が可能です。伴走コンサルティングなど、運用面のサポート体制も整っておりますので、「アプリを作りたいけど、運用のノウハウがない…」という方でも安心してお任せいただけます。

少しでもご興味がある方はぜひ、お気軽にご相談ください。

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