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アプリ開発のセキュリティ対策を制作会社が具体的に解説
アプリ開発において、機能性や操作性などのUI/UXなども大切なことですが、それ以上にセキュリティリスクへの対策は非常に重要です。
適切なセキュリティ対策がされていない場合は、個人情報の漏洩や不正アクセスなどによって、リリース後のエンドユーザーへ迷惑をかけることはもちろん、企業としての信頼を失墜させることにつながりかねません。
本記事では、スマホアプリ開発における主なセキュリティリスクとその対策法などの最新情報を取りまとめて詳しく解説しています。
比較的経験の浅いアプリ開発者やIT担当者などでもわかりやすく、かつ安全・信頼性の高いアプリ開発をするための具体的な方法も含んでいるため、ぜひ参考にしてください。
アプリ開発におけるセキュリティリスク
アプリ開発におけるセキュリティ対策は、ユーザーが安全に利用できるようにするために不可欠です。
特にネットバンキングやオンラインショッピング、オンラインゲームなど、多岐にわたるアプリが日々登場する中で、セキュリティリスクは高まっています。
5GやAIの発展に伴い、学習系アプリや業務クラウド系アプリの数も急増しており、これらのアプリにも同様のリスクが存在します。
セブンペイの不正ログイン事件などが有名ですが、QR決済アプリのリリース直後に不正アクセスが相次ぎ、ログイン情報の乗っ取りやクレジットカードの不正チャージが発生するなど、実際に大規模なセキュリティ事故が発生しています。このような事態を防ぐためには、以下の3つのセキュリティ対策が重要です。
①情報漏えい対策として機密情報の暗号化やセキュアな認証と認可、不正アクセスの検知
②機密性・完全性・可用性の確保のため、データの機密性と完全性を維持したうえで、システムの可用性を確保
③法的要件・規制要件の遵守プライバシーポリシーの遵守やセキュリティ標準の適用、定期的なセキュリティ監査の実施
以上に加え、アプリ公開時のストア審査には脆弱性の有無の検査が含まれていないため、企業は独自に脆弱性診断を行い、早期に問題を発見して修正することが求められます。
セキュリティテストやセキュリティアップデートの定期的な実施、ユーザー教育とサポート、開発プロセスにおけるセキュリティの統合を徹底することで、アプリのセキュリティを向上させ、ユーザーの安全を守ることができます。これにより、企業の信頼性を高め、経済的損失や法的リスクを軽減することができます。
今回は、特にアプリ開発で重要となるセキュリティリスクである2つの問題をピックアップして解説します。
情報漏えいのリスク
ユーザーの個人情報や機密データが不正にアクセスされ、外部に流出する危険性が該当します。
これらのリスクは、アプリの設計や実装の段階での不備、リリース後のセキュリティ管理の不足、そして新たな脆弱性の発見により発生します。さらに、情報漏洩は、ユーザーの信頼を失い、企業に多大な経済的損失や法的リスクをもたらす可能性があるため、企業及び開発者は細心の注意を払った対応が必要です。
情報漏洩の具体的なリリース時点での事例として、先述したセブンペイの事例など、システムセキュリティ対策が不十分であったため、リリース直後に大規模な不正アクセスが発生し、ユーザー情報やクレジットカード情報が不正に使用されたケースが実際に起きています。
さらに、リリース直後は問題ない場合であっても、アップデートによって新たな脆弱性が生まれるケースもあります。オンラインショッピングアプリにおいて定期的なセキュリティアップデートを実施していた際に、新たな脆弱性によって不正アクセスが発生した事例も挙げられます。
情報漏洩のリスクはアプリ利用者にもある?
「情報漏洩のリスク」は、アプリ開発者やアプリを提供する企業のみが注意すれば防げる事ではありません。
2019年度総務省調査研究 「インターネット利用におけるトラブル事例等に関する調査研究」に、「不正アプリやウイルスによる個人情報流出」に関する具体的な事例が紹介されています。
昨今では、無料でダウンロード・利用できる便利なアプリが増える一方で、セキュリティ対策が不十分だったり、ウイルスなどによる不正アクセスを目的としたアプリもあるため、アプリを利用する一人ひとりが情報漏洩のリスクを抱えていること理解した上で、注意しておくことが大切です。
マルウェア・ウイルスのリスク
マルウェアとは「悪意のあるソフトウェアの総称」です。
モバイルマルウェアは、ユーザーのデバイス(スマホやタブレット)に感染し、データ盗難、金融詐欺、アイデンティティ盗難などの危険性が該当します。
特にAndroidデバイスは、オープンな性質のためマルウェア攻撃に対して脆弱です。iOSデバイスも完全ではなく、特に旧バージョンのOSを使用している場合は、攻撃のリスクが高まります。
マルウェアの具体的な事例として、2019年3月にAndroidスマホに感染する「Exodus」が発見されました。”Exodus”は強力なスパイウェアであり、感染したAndroidスマホを完全に乗っ取ることで、連絡先・写真・ビデオなどの各種データへのアクセス及び盗聴などを行うことで情報漏洩が起こりました。
具体的なセキュリティ対策
アプリ開発におけるセキュリティリスクに対する対策の重要性はわかったものの、どのような対策を取れば良いのでしょうか。
ユーザーが安心して使用でき、かつ企業としての信頼を守るために、具体的なセキュリティ対策方法を解説するのでぜひ参考にしてください。
セキュアコーディング
セキュアコーディングとは、ソフトウェア開発におけるセキュリティリスクを最小限に抑えるためのプログラミング手法のことです。
情報漏洩などの被害が発生してから事後的に発生する対策より、事前に予防する対策の方が様々なコストを抑えることができます。
そのため、事前に被害を防ぐために攻撃者からのデータの改ざんやマルウェア感染といった脅威を想定したコーディングを以下の要素をもとに設計しています。
- 入力バリデーション:ユーザーの入力を適切に検証し、不正データやコードの侵入を予防する
- データの暗号化:データの送受信や保存時に暗号化を施し、情報の盗聴・漏洩・改ざんを予防する
- 認証と認可:ユーザーやシステムの正しいアクセス権限の保持を確認する
- エラーハンドリング:エラーやトラブルが発生した際に、ステムが安全な状態を維持・継続する
- セッション管理:セッション管理を適正に行うことで、乗っ取りや不正利用を予防する
- 安全なコードレビュー:コードレビューにより、セキュリティ上の不備や欠陥を早期発見する
- 定期的なセキュリティテスト:各種テストやコード分析を定期的に実施する
ユーザー認証・アクセス制御の強化
ユーザ認証やアクセス制御は、システムやアプリケーションのセキュリティを確保するために非常に重要な対策です。
次に紹介するような対策を強化することで、不正アクセスやデータ漏洩のリスクを大幅に軽減することができます。
- 強力なパスワードポリシー:安全かつ強力なパスワード設定と定期的な変更をユーザーに促進する
- 他要素認証(MFA):パスワードに加えて、別の認証要素(例:SMSコード、認証アプリなど)を利用してセキュリティ強化する
- 役割ベースのアクセス制御(RBAC):ユーザーの役割に基づいて、異なるアクセス権限を設定する
- シングルサインオン(SSO):一度の認証で複数のシステムやアプリケーションのアクセスを可能にする
- セッション管理:一定時間の無操作後に自動的にログアウトするなど、セッション管理を適正化する
データの暗号化
データの暗号化は、情報の機密性を確保するために不可欠なセキュリティ対策の一つです。
データをコード(暗号)に変換することを暗号化といいますが、暗号化されたデータは権限のない第三者が簡単にデータを読み取ることができません。そのため、データの不正目的での利用や誤送付などによる情報漏洩リスクを軽減することができます。
データの暗号化の具体的な事例として、「HTTPS」と「データベースの暗号化」の2つをご紹介します。
HTTPSとは
HTTPSとは、Web通信のセキュリティを確保するために広く使用されるプロトコルであり、HTTSとSSL/TLSを組み合わせたものです。
データがインターネット上で転送される際に暗号化されます。利用者の判別も簡単で、インターネットサイトのURLが、「HTTPS」から始まっている場合は、通信が暗号化されている証拠となります。
データベースの暗号化とは
データベースの暗号化は、データベースに保管・保存している機密データに暗号化を行うことで各種情報漏洩を予防する方法です。
企業や組織が管理する顧客の個人情報やクレジットカード情報などを守るために取られる対策の一つです。
脆弱診断と侵入テスト
脆弱診断や侵入テストでは、自社内のアプリやシステムにおけるセキュリティの脆弱性や対策の十分性、被害レベルの想定などを評価することができます。
「脆弱診断」とは、アプリやシステムに存在する潜在的なセキュリティの脆弱性を網羅的に検出することを目的に実施します。
また、「侵入テスト」とは、想定されるサイバー攻撃の手法に基づき、実際にアプリやシステムに攻撃を試みることで攻撃耐性やセキュリティ対策の効果を検証・測定することを目的に実施します。
これらのセキュリティ対策を講じることで、外部からの攻撃者に対して予めのリスク対策や管理を行うことができます。
これらのサービスはセキュリティ会社が展開していたり、今はクラウド型の脆弱性診断ツールなどもあります。
セキュリティ面におけるアプリ開発外注のメリット
アプリ開発におけるセキュリティリスクやリスク対策の重要度について説明しましたが、実際にセキュリティ対策を自社だけで実施することは非常に大変です。
そんな時は、セキュリティに関する専門知識を持つ外部パートナーにアプリ開発などを委託することも効果的な選択肢の一つになります。
アプリ開発を外注することメリットは、セキュリティ面での対応から以下の2つが挙げられます。
- アプリセキュリティにおける知見がある
- 時間・費用面で効率よくセキュリティ対策ができる
それぞれの詳細については、次項以降で解説していきます。
アプリセキュリティにおける知見がある
ある程度の規模をもつアプリ開発会社では、開発のみならず、セキュリティリスクや対策や市場の最新トレンドなどを含めて、セキュリティの専門性を有した担当者や開発チームが存在します。そのため、自社に各専門知識を持った人材を抱える必要がありません。
特にセキュリティ対策の観点では、新たな脅威や潜在的な脅威が多く発生する分野でもあり、専門的な知見なく都度対策をしていくのは困難です。
知見のある開発元であれば、もし新たなリスクが発生した場合であっても迅速に対応・対策が可能であり、アプリ等のセキュリティ強化が実現できます。
また、外注先の企業によっては、様々な専門性を持った開発者やデザイナーなどの人材がおり、多種多様な企業や案件に関する経験とノウハウを持っています。これによって、各セキュリティ対策や強化に対しても問題発見、解決などを迅速にできることが大きなメリットとなります。
おすすめのアプリ開発会社を探している方は、アプリ開発業界のプロが選ぶおすすめの12社をご覧ください
時間・費用面で効率よくセキュリティ対策ができる
アプリ開発・セキュリティ対策には、高度な専門性や経験が必要となります。
一方で、自社内でこれらのプロフェッショナルを育成する時間や費用、外部から新しく採用するコストなどを考慮すると、外部企業への開発委託等はトータルでのコスト削減につながることが多くあります。
また、多様な経験やノウハウを有している外部の開発者へ委託することで、当初想定していなかったセキュリティリスクの発見やセキュリティ以外での開発・アップデートの必要性などが見つかる可能性があります。
自社だけでは発見できなかったこと、解決に時間がかかってしまうことなど、外部パートナーへ依頼することで効率よく効果的にアプリ開発に繋げることができる点が2つ目のメリットとなります。
なお、外部パートナーへセキュリティ対策等の一部業務を依頼することで、自社のリソースを本来業務等へ集中できることから、アプリ開発以外での企業運営そのものの効率性UPにもつながります。
アプリベンダーの選び方
アプリ開発を外注する場合、セキュリティ対策を強化するなどの目的に応じて適切なアプリベンダーを選定することが重要です。
今回は、アプリベンダーを選ぶ際のポイントを2つご紹介します。
- セキュリティ対策についてしっかり確認する
- 運用・保守体制を確認する
なお、アプリベンダーを実際に選定する場合には、候補となりうる複数のベンダーと比較することをおすすめします。アプリ開発会社である弊社がこんなことを言うのは不思議かもしれませんが、アプリは千差万別です。お客様が叶えたいアプリを、最も良い条件で開発できる会社を選びましょう。
比較項目としては、次項以降で紹介する内容に加えて、サービスの内容、品質、価格及び自社ビジネスへの精通度などを確認するようにしましょう。
セキュリティ対策についてしっかり確認する
一つ目は、アプリ開発においては機密データ管理やセキュリティ対策などが非常に重要であるため、データ漏洩や不正アクセスなど未然に防ぐためにセキュリティ対策に優れた企業であるかを確認しましょう。
アプリ開発においては、個人情報保護法や電気通信事業法などの法規制を遵守することに加えて、様々なセキュリティ対策に精通した組織や専門家の協力が必要不可欠です。これらリソースを自社で保有しているか、過去の実績・経験があるかなどを事前に確認することが大切です。
また、アプリ開発そのものへのセキュリティ対策のみではなく、依頼するベンダー自体のセキュリティ対策も確認することが大切です。企業がデータ・セキュリティ・ポリシーを掲げていることや、従業員などへデータセキュリティや保護に関する訓練や教育が行き届いているかなどを確認すると良いでしょう。
例えば弊社DearOneでは、NTTドコモの子会社であることからNTTのセキュリティ基準に準拠した内容でサーバーの構築などをおこなっています。
自社ビジネスや業界におけるセキュリティリスクを理解して、自社と一緒に適切な対策を講じてくれるアプリベンダーを選びましょう。
運用・保守体制を確認する
二つ目は、開発・リリース以降もアプリを適切に運営・運用していく上で、運用・保守の体制を整えているかを確認しましょう。
アプリベンダーの中には開発のみを請け負うところもあり、自社で運用していく場合でない限りは避けるべき選択肢になります。
また、アプリは開発・リリース後も新機能を追加したり、不具合を修正したり、常に変化する外部環境や競合企業(競合アプリなど)に合わせて必要な要件や機能が変化します。
特に、セキュリティリスクや対策においては、開発時に一度設定・設計すれば終わりというものではありません。運用過程において脆弱性が発覚したり、新たな脅威が発見されるたびに対策を講じたり、アプリをアップデートしていく必要があります。
中長期的なセキュリティ対策を、適切な費用で運用・保守を実施してくれるベンダーであれば、アプリの安全性や健全性は保ちやすいかと思います。
なお、反対にアプリの開発・リリース以降、全くサポートがないベンダーや、過剰な追加費用などを要求するベンダーは避けた方が無難でしょう。セキュリティ面に不安がある場合、リプレイスの検討も視野に入れる必要があります。
低コストで高セキュリティのアプリの開発であれば ModuleAppsを
NTTドコモの子会社「DearOne」が提供するアプリ開発サービス「ModuleApps 2.0」は、徹底した情報セキュリティ方針が特徴。
サーバーもNTTドコモのセキュリティ基準に準拠したサーバーシステムを活用し、提供開始以来、サービス停止時間ゼロ継続中。
低価格・短納期でありながら高いカスタマイズ性を有しており、累計1億ダウンロードの実績。ダイソー、GRL(グレイル)、ドトールコーヒーなど多くの大手企業公式アプリの開発実績があります。
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