新型コロナウィルスが蔓延して個人でアプリ開発を行う副業が増えてきました。でも実際儲からないのではないかという噂も聞くようになって、その答えは定かではありません。今回、個人アプリ開発者の収入調査を紐解きながら、実施成功されているアプリ開発者の事例を紹介します。
アプリ開発者の収入調査
Vision Movileよりアプリ開発者を対象にしたレポート「
Developer Economics – State of the Developer Nation 2015Q1」が発表されました。調査によるとトータルで無収入だった人は全体の17%、100ドル(約12,100円)以下の人は18%と全体の3割ほどが1万2千円以下であると報告されています。(2015年当時の円相場で算出しています)。1万ドル(121万円)以上は全体の24%いることから、1/4の人は大金を手にしていることになります。
またiOSやAndroidと比較すると、月間100ドル以下の割合はiOSが全体の37%、Androidが55%とAndroidが18ポイント多い結果となり、利益に結びつきにくい結果となりました。調査結果の時期が古いためご参考までにご覧ください。
アプリ開発者の事例
実際、アプリ開発で稼いでいる方は、どのようなアプリを開発して収入を得たのか、アプリマーケティング研究所の協力を得て、その中から事例を紹介させていただきます。
高校野球ゲームアプリの事例
名古屋で活動されている個人アプリ開発者さん。主に野球シミュレーションゲーム(シリーズ3作品)を開発されています。高校野球ゲームなので、甲子園が終わると3年生は引退してしまい、せっかく育てた選手が消えてしまう設定となっています。それを対人戦でつかえる「OBチーム」に確実に登録できる「ドラフト課金システム」を開始したところ、課金収益が10倍に跳ね上がったそうです。
https://appmarketinglabo.net/furuapp-koushien/
電卓アプリの事例
シンプルな「電卓アプリ」を開発。累計で161万ダウンロード(取材当時)されています。電卓アプリについては「老若男女つかえる」「全世界でニーズがある」「極力言葉をつかわない(翻訳しやすい)」という条件で決めたとか。収益額については、累計で1,180万円くらいです。内訳は広告収益が1,100万円、アプリ内課金が80万円という感じ。瞬発力はないものの、ユーザーが長くつかってくれるので、寿命が長くて、収益も安定しているとか。
https://appmarketinglabo.net/calculator-1100man/
有料ゲームアプリの事例
ゲームアプリをつくっている個人デベロッパー。4年間の累計で、売上800万円くらい、最高で月100万円を超えたこともあったとか。有料アプリを売るコツとして、アプリを公開して、すぐ「値下げセール」はやらないほうが良いとか。すぐ買うユーザーは、そこまで値段を気にしないからだそうです。一方、セールで買うユーザーの心理は、「安いから買う」というよりは、「セールしているから買う」だと思うのだとか。
https://appmarketinglabo.net/qcumber-app/
診断アプリの事例
個人でずっと「診断アプリ」に特化して開発された方のインタビュー。4年間で90アプリを開発し、累計で820万ダウンロード。評判の良いアプリでは「付き合える度診断」が400万円くらい、「動物キャラ診断」と「戦闘力診断」が400〜600万円くらいだとか。診断結果を表示する前に出てくる「動画インタースティシャル広告」や診断の結果ページに「レクタングル広告」などを設置してマネタイズを行っているとか。
https://appmarketinglabo.net/shindan-appman/
4つの事例を紹介させていただきましたが、どれも開発された方の生の声は、大いなる示唆と勉強となるところが豊富に含まれていました。これらの内容を参考にアプリ開発のアイデアやマネタイズに活用いただけたらと思います。