10月5日、セブン-イレブンは公式アプリを公開しました。今回なぜこのタイミングで公式アプリを公開されたのでしょうか。セブン-イレブン公式アプリを公開された狙いについてまとめました。
セブン-イレブン公式アプリが公開
2015年10月、セブン-イレブンは公式アプリを公開しました。このアプリはセブン-イレブンが提供されているオリジナルブランドなどの商品や現在開催されているキャンペーン情報、オンラインショッピング、店舗検索などが利用できます。
また、「セブンスポット」と呼ばれるWi-Fiサービスが1日3回まで接続可能、1回につき1時間までという制限がかかっていたところを、このアプリからWi-Fiに接続すると、無制限になります。
セブンスポットが利用できる店舗はセブン-イレブンのほかに、イトーヨーカドー、デニーズ、Ario、ヨークマートなどのセブン&アイグループで利用できます。「セブン-イレブンの店内ではスマホを見ないな」という方でも、イトーヨーカドーやArioなどの休憩スペース、フードコーナーなどから利用できるため、活用できる場は広がっていきそうです。
セブン&アイHLDGS.が推進するオムニチャネル戦略
2015年2月期の
有価証券報告書のなかで、セブン&アイHLDGS.はお客様の購買行動の変化に対応すべく、グループの全国店舗網、物流基盤などを活用し、新しい小売環境を目指してオムニチャネル戦略を推進しています。
セブン&アイグループが
オムニチャネルの取り組みで最も重視している点は、実店舗の商品やサービス提供を支えている情報システムなどの「既存システム」とオムニチャネルシステムを融合させることです。
そのため、2015年10月よりセブン&アイグループのサービスを統合する「
オムニ7」がプレオープンされました。このサイトはイトーヨーカドーやそごう、ロフト、デニーズなどセブン&アイグループが運営するオンラインショッピングが横断的に利用できます。
セブン-イレブンは
オムニチャネル戦略の推進により、買い物シーンも変わっていきます。例えば、宅配サービス「セブン-イレブンのネットサービス(旧セブンミール)」で注文後、店員がご自宅に訪問する際、タブレット端末を用意し、店舗にもない商品が注文できることを店員が紹介する、いわゆる「御用聞き」の方法を取っています。
また、オンラインショッピングで注文した商品の受け取りが、セブン-イレブンやイトーヨーカドー、西武、そごうなどの店舗で受け取れる「店頭受け取りサービス」を強化しました。また、一部の店舗で返品対応の実証実験も行っています。
セブン-イレブン公式アプリが本当にやりたかったこととは?
以上のように、セブン-イレブンは店舗を軸として買い物シーンや商品受け取りシーンを円滑に行えるオムニチャネル戦略について強化しています。
セブン-イレブン公式アプリが公開された際、さまざまなメディアで無料Wi-Fiサービス「セブンスポット」が無制限に利用できることが大きく取り上げられました。
確かに、セブン&アイグループに訪問されるお客様の滞在時間は向上しますが、決算説明会資料を読みかえしても滞在時間の減少がグループの課題とはなっていません。おそらく顧客満足度向上や訪日客対応に関する補足機能だと想像します。
セブン-イレブン公式アプリの画面を見るとなぜ、「ショッピング」ボタンが目立つ場所に設置されているのか、「セブンスポット」が目立たない場所に設置しているのかということに納得がいきます。