博報堂「生活定点」から読み解く、ユーザーの買い物心理とは?

 Post by MML編集部

博報堂は1992年から隔年で実施している生活者意識の観測調査情報「生活定点」を無償で一般公開しました。この調査は、同じ条件で設定した調査地域で同じ状況の調査対象者に毎回同じ質問を投げかけ、その変化を数値化したものです。

この調査結果から、マーケティング担当者や販売促進担当者が注目すべき「集客」を視点とした結果をピックアップします。

勤務中に私用でネット閲覧する割合が増加している

「勤務中に会社のパソコンでインターネットを私用で見たことがありますか?」という質問に対して、「ある」と回答したのは27.2%、「ない」と回答したのは72.8%でした。全体の約7割が会社のパソコンからの私用でネット閲覧したことはないと答えたものの、12年前の調査で「ない」と回答したのは8割だったことから、割合は年々増加していることが分かります。

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PCからのオンラインショッピング利用は大幅減少、スマホへのシフトが進む

「今後オンラインショッピングを利用したいと思いますか?」の問いに「利用したい」と答えた人は59.6%と、約6割に上りました。8年前の調査での同様の質問では、「利用したい」と回答したのは47.6%であり、8年間で12.0%の大きな上昇を見せています。

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また、オンラインショッピングを主にどの機器で利用しているかの質問で、最も多い回答はパソコンの58.6%でした。しかし、8年前の調査ではこの割合が88.9%だったことから大幅に減少していることが分かります。

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それに代わって上昇したのが、携帯電話やスマートフォンからの利用率で、今回の調査では28.9%となりました。パソコンからの利用が大きく減少したのは20代で、特に若い世代においてパソコンに代わってスマートフォンからオンラインショッピングを利用する人が増えているようです。

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パソコンからスマホなどのモバイルへのシフトは、ネット閲覧の手段からもうかがえます。パソコンからインターネットやメールを見ている人は、2006年と比較すると約8%上昇の平日59.6%、休日57.6%でした。そして、携帯電話・スマートフォンからインターネットやメールを見ている人は、平日80.5%、休日79.1%とパソコンに比べてはるかに高く、2006年との比較では約25%の大幅な上昇となっています。

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自分なりの情報収集の方法を持たない人が8割、情報提供の方法を整備することが必要

これらの調査結果から見えてくるのは、8年前と比較してスマートフォンの利用者が大きく増加していることです。スマホ利用者が増加したということは、待ち合わせの時間などを利用してニュースやSNSのチェックをする機会も増加しているはずです。

しかし、情報を集める自分なりの方法を持っているかとの問いに、「持っている」と回答したのは約2割にとどまっており、その状況は1998年からあまり変化が無いようです。そのため、キュレーションサイトやSNSが発展した現在においても、約8割の人は何らかの媒体や口コミから気持ちが動く情報をキャッチしている状況だと考えられます。

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今後は、情報を集める方法を持たない人に向けて、欲しい情報を提供する手段を整えることも必要となってくるのかもしれません。

 

関連情報

博報堂 「生活定点」
http://seikatsusoken.jp/teiten2014/