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コロナ禍で状況が大きく変化。TVerとFODが語る「ニューノーマル時代におけるテレビの役割と動画ストリーミングサービス」

 Post by MML編集部
今回、新型コロナの影響で、多くの方が外出自粛となり、エンターテインメント・コンテンツもオンラインからアクセスして楽しむ人が増えたという。今回、VOD業界として今年のユーザー動向や氏状況などどのように変化したのか、今年の状況を交えながら解説された。 須賀 久彌氏、野村 和生氏、武藤 孝之氏
(画像左から)株式会社TVer 取締役 須賀 久彌氏 / 株式会社フジテレビ 総合事業局コンテンツ事業室 部長職 野村 和生氏 / アップアニージャパン株式会社 Account Exective 武藤 孝之氏
本記事は、『ニューノーマル時代を生き抜くための「新」モバイル戦略』をテーマにしたオンラインイベント「Mobile Leaders Sumit」より、株式会社TVer 須賀氏、株式会社フジテレビ 野村氏を迎え「既存事業と新規事業 ー ニューノーマル時代におけるテレビの役割と動画ストリーミングサービス」というテーマでパネルディスカッションが行われた。App Annie Japan 武藤氏がモデレータを務めた。

テレビポータルTVer、動画配信サービスFOD

TVerは、民放キー局5局が中心となって運営する民放公式テレビポータル。各局好きな番組が好きな時に、好きな場所で、好きなデバイスから、約7日間無料で視聴できる。アプリのダウンロード数は約3,000万ダウンロード、MAUは1,350万を誇る(2020年9月、株式会社ビデオリサーチ調べ)。 レギュラー配信局は2020年10月時点、東京都・大阪府を中心に41局300番組以上を配信。TVerの利用状況を見ると、2020年9月時点の月間再生割合は、スマートフォンやタブレットが73%、PCが14%、TVが13%。2019年からコネクテッドTVを開始しテレビデバイスの割合は13%まで増加。数か月後には、TVがPCの割合を逆転する状態にあるという。 FODはフジテレビの動画配信サービス。現在放送されている30本以上のテレビ番組を見逃し配信されているほか、有料会員になれば約55,000本のドラマ、バラエティ、映画、アニメを視聴することができる。さらにオリジナル番組やオリジナルマンガ、電子書籍やVRコンテンツなども提供されている。 FODの利用者は女性の割合が多く、年代では20代前半の女性に支持されている。スマートフォンアプリは現在1,500万ダウンロードを突破しており、TVアプリもまもなく300万件を突破する勢いだという。デバイスの利用割合は、スマートフォンが65%、PCが7%、TVが28%で、非常にTVの視聴が伸びている段階だという。 コロナ禍の状況でVOD業界におけるユーザーの利用状況や視聴方法について、大きな変化が見られたと思う。その中でいくつか質問を答えていただいた。

視聴者の割合、視聴数の状況について

―― コロナ禍の「巣ごもり需要」でVOD市場はますます伸びていると思います。サービス提供側として今年の動向や、各世代における利用動向についてどのように感じていますか? 須賀:TVerとFODを比較した場合、若年層向けのコンテンツを用意しているFODのほうがTVerよりも、若年層の視聴者が多いです。TVerは基本的にテレビ番組のコンテンツを配信しているので、いわゆるオールターゲットのコンテンツですから。ただし、そうはいっても、スマートフォンがメインのデバイスであることもあり、テレビを見ている世代よりも、かなり若い世代になっています。 コロナ禍の話でいうと、TVerは、2~5月に関しては、例年と同じぐらいの前年比2割増ぐらいでの視聴数の伸びでした。ドラマの制作が止まったりして、新作の投入がなかったので、コロナ禍のプラス要因と相殺しちゃった感じです。一方で、ドラマの新作が再開し始めた6~7月は急激に伸びる感じでした。 野村:緊急事態宣言が発令された4月に会員数が急上昇したのですが、解除された時にはそのままスライドして退会された方もいて、現在は安定しています。TVerと同様、我々も新作コンテンツが提供できなかったのですが、その時は旧作品が視聴されていて視聴世代が広がった感じがありました。

平均視聴時間について

―― 上の世代はスマートフォンで視聴することに抵抗があるのでしょうか? 野村:もともとテレビ端末で視聴する習慣のある方は、テレビで見ようと思っているようです。 須賀:スマートフォンは、年齢の高い人達にもある程度の数まで普及したので、スマートフォンで動画を見るという行為は高年齢層でもあるとは思います。一方、テレビで動画が見られるようになると、視聴者が一気に広がっていく気はしますね。逆に言うと、スマートフォンは習熟した人が長時間動画を視聴するデバイスになるので、企業同士がユーザーの可処分時間を争うことになると思いますね。 野村:FODのスマートフォン平均動画視聴時間は23分くらい、テレビが27分くらいですから、時間差はそんなに変わらないです。そのため短尺動画を提供しないとだめだとか、そういったことはあまり考えていないです。 須賀:そういう意味では、若い人は短尺動画をよく視聴しているという話を聞きますが、それは世の中に短尺動画ばかり配信されていた時代の話だと思います。今は、長尺動画も提供され始めていますので、長尺でもどんどん視聴されるようになってきたと思いますね。 我々の調査では、本編45分の動画を、スタートを押して最後まで見る人は全体の60%を超えています。そういうことで、ユーザーは好きなシーンだけつまんで視聴しているわけではなくて、長尺をきちんと最初から最後まで見ていただいている方が多いです。

VODのゴールデンタイムとは

―― こういった変化の中で、生活の中心にスマートフォンがある場面はどのようなことでしょうか?テレビとスマートフォンでは、視聴される時間帯に差はありますか? 野村:FODのゴールデンタイムは22時以降なので、テレビより2時間ほど遅れています。それで24時すぎると視聴数が急激に減少します。そして、自分の部屋で横になりながら動画を見ている。だから視聴時間が長いのだろうと思います。 須賀:TVerも19時頃から視聴数が伸びだして22~24時が一番多いですね。ユーザーの声を聞くと、出産されたお母さんが、お子さんを寝かしつけてからでなければテレビ番組を見られなかったけれど、スマートフォンの場合は片手で見ることができるのでとても便利だという意見がありました。そのような、テレビでは届かなかった需要がスマートフォンによって届いたという実感があります。

コロナ禍で気づいた、対応が必要なもの

―― 今後5Gの普及により、よりリッチなコンテンツになっていくと考えられます。VODにはどのようなインパクトがあるのでしょうか? 野村:別の視点になりますが、今回のコロナ禍で痛切に感じたのは、マンションのような多くの人が同時に、たくさんのインターネット回線を使うような場所は、極端に回線速度が低下して「映像が停止する」「映像が表示しない」という事態が起こっているようです。 我々のサーバは増強しているので問題は起こらなかったのですが、それがクライアント側で起きていました。5Gというと高画質化の方に目を向けてしまいがちなのですが、そうではなくてクライアント側の品質の安定がとても重要だと感じています。つまり、インターネットの低速度でも映像が表示できるような対応をしていく必要があると感じています。

テレビ局の強みと今後の方向性

―― 近年、個人レベルでもクオリティの高いコンテンツが作られるようになり、YouTuberやTikTockerが台頭してきています。これからテレビ局の役割はどのようになるべきでしょうか? 須賀:テレビ広告の話で言えば、リーチが取れることは非常に重要なことだと思います。オンエア形式で視聴する人が減少しているのであれば、テレビ局もどこまでサービスを広げていくのか、どれだけきちんと届けられるのか、我々も協力してコンテンツを届けていけるのか考える必要があります。 野村:テレビ局は多くの資金を投入し、多くのスタッフが参加して、豪華なコンテンツが作れるというのが強みだと思います。YouTubeも動画制作能力が向上して市場は広がってきていると思うのですが、それでも大きな住み分けはできているのではないかと思っています。先行して予算を持っていなければ豪華なコンテンツを作ることはできません。FODのコンテンツも多くの資金を投入してコンテンツを作っています。

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