飲食店やお客様が変化するなか、LINEとぐるなびはどのように店舗集客するのか

 Post by MML編集部
人々の働き方や休日の過ごし方など、ライフスタイルが劇的に変化した今、生活と密接に関わる飲食店は今後、顧客とどのようにコミュニケーションをとっていくべきだろうか。Withコロナの時代、飲食店はどのような変化があったのか、そして飲食を選択する消費者の行動はどのように変化したのか調査結果を見ながら、LINEとぐるなびでは、どのようなことができるのか具体策について語った。 小笠原 和哉 氏
株式会社ぐるなび 飲食店支援事業部 メディアサービス企画部 部長 小笠原 和哉 氏
本記事は、中堅・中小企業に向けたLINE活用カンファレンス「LINE SMB DAY」より、株式会社ぐるなび 小笠原氏から「『ニューノーマル』時代における飲食店の店舗集客」というテーマで講演が行われた。 LINEは、2020年11月に「LINEで予約」、2021年2月に「LINEプレイス」という新サービスを提供する予定である。このたびサービスのパートナーとして、ぐるなびと連携した。「LINEで予約」とは、LINE上で飲食店の予約ができるサービスであり、「LINEプレイス」は、LINE上でお店が探せるメディアである。この2つのサービスが開始することで、お客様は検索から相談、予約、来店まで一気通貫で利用できるようになる。

新型コロナにおける飲食店業界の大きな変化

Withコロナ、Afterコロナの時代、飲食店は対応する課題が増えてきている。それに併せて消費者の行動も変わってきているだろう。今回、独自に調査した統計データも交えて小笠原氏から解説された。 新型コロナの終息が見えない状況のなか、飲食店が対応するべき課題を6つ上げた。1つは「マーケティングの再構築」。従来は大人数のお客様を集客して利益を上げる方法だったが、コロナ以降は少人数の予約が増えてきており、マーケティングプランを変える必要がある。 2つ目は「販売チャネルの多角化」。従来はイートインを主力に運営できたが、コロナ以降は、テイクアウト、デリバリー、ECサイトにも力を入れる必要がある。3つ目は「消費者とのコミュニケーション強化」。コロナ以降、来店客をリピートさせるために、コミュニケーションを主軸としたコミュニケーションツールの導入を検討する必要がある。 4つ目は「感染症対策・衛生管理」。コロナ以降、お客様は飲食店を選ぶ際、感染症対策を重要視している。感染症対策を実施している・していないことで集客にも影響が出るので必ず行うべきである。5つ目は「収益体質の強化」。飲食店は集客を考える一方でコストカットしていく必要がある。そこを業務効率化、固定費削減ができればベストである。 6つ目は「サービスクオリティの維持・向上」。飲食店自体の魅力をアップし、リピートにつなげる努力を常に行っていく必要がある。 With/Afterコロナ時代に求められる飲食店の変化 ここからぐるなびの独自調査を表示して、消費者行動がどのように変化したのか紹介した。以下のグラフが、ぐるなびの月間予約数の推移となる。コロナ以前の1月は昨年対比約120%の予約数だったが、緊急事態宣言が発令された4月になると昨年対比約6%まで減少、そこから徐々に増加し、9月は昨年対比約70%まで回復した。 消費者行動の変化-予約数 以下のグラフは、1つの予約に対する来店人数を表したもの。コロナ以前は平均5.39人だったが、コロナ以降では3.38人まで減少した。月間の1予約あたりの人数内訳を見ると、コロナ以降から10人以上の予約が減少しており、一方で2~4名の予約が増加している。今後も少人数での予約が主流になるのではないか、と小笠原氏が語った。 消費者行動の変化-予約組人数の変化 以下のグラフは、コロナ前後の外食利用シーンの変化を表したもの。コロナ以降から「デート」「食事」「誕生日・記念日」での利用の割合が増えている。一方で「飲み会」「接待」「歓送迎会」といったビジネスシーンでの割合は減少傾向にある。 消費者行動の変化-外食利用シーンの変化 以下のグラフは、外食を利用する年代を表したもの。緊急事態宣言以降、20代以下の利用が昨年対比107%まで増加しており、顕著に回復している。一方で40~60代以上の回復は緩やかである。 消費者行動の変化-外食利用年代の変化 以下のグラフは、飲食店の選択について、今年6月にぐるなびユーザーにアンケートを取ったもの。これを見ると、衛生環境に対する取り組みをする飲食について、84.6%が安心できると回答。また87.6%のユーザーが、衛生対策が飲食店を決定する基準になると回答している。 消費者行動の変化-飲食店の選択基準 以下のグラフは、飲食店の選択基準について上記の詳細をまとめたもの。ユーザーが外食してもよい条件として「換気がしっかりできている」「スペースが広い」「屋外席・オープンテラスがある」など、3密が防げるお店が挙げられる。 消費者行動の変化-飲食店の選択基準

LINEを活用した集客施策

このようなWithコロナの時代、LINEとぐるなびではどのような集客ができるのだろうか。LINEではLINE公式アカウントを活用し、ぐるなびでは独自の販促送客コンサルテーションを活用して、それらの相乗効果で店舗集客を支援していきたいと考えているという。 具体的には、LINE公式アカウントを発行し、お客様が友だちの登録をすると直接伝えたいメッセージがすぐに送ることができるようになる。Withコロナの時代であれば「コロナ対策しています」とか、「少ない席数で営業しています」とか、「特別な日にいかがですか」とかのメッセージを送信すると効果的ではないだろうか。 また、LINE公式アカウントとLINEで予約を連携させることで、いくつかの課題が解決できるという。まずは、従来のLINE公式アカウントでは予約をスムーズに促すことができなかったものが、LINEで予約と連携するとプロフィールに予約ボタンが付くため、予約を促すことができる。 2つ目は、従来のLINE公式アカウントでは送客効果の分析ができなかった。LINEで予約と連携することで送客(予約)効果の分析ができるようになる。3つ目は、従来のLINE公式アカウントでは効果的な友だち集めやメッセージ配信が難しいところがあったのだが、LINEで予約と連携することで、例えば「1か月前に予約した20代男性」だけにメッセージ配信をすることが可能となる。 ”LINEで予約”とLINE公式アカウントが連携することで、より効果的なアカウント活用が可能に

ぐるなびが忙しい飲食店をサポート

このように多くの機能を搭載していて魅力的なツールなのだが、設定や運用に時間がない飲食店もいることだろう。そういったサポートをぐるなびがサポートしてくれる。具体的には「無料サポート」として、LINE公式アカウントの開設、ぐるなびに登録されている基本情報をLINEに登録する作業を行ってくれる。 「有料サポート」については、登録情報の拡充、LINEの友だちを獲得、メッセージ配信を行ってくれるという。「飲食店は非常に忙しい。本業に注力するため、このような作業はぐるなびにお任せください」と小笠原氏は語った。 このように、LINE公式アカウントやLINEで予約、ぐるなびの運用サポートをトータルに活用することで、お客様とのコミュニケーションの幅を広げ、またはWithコロナにおける課題解決の一助になったらと語りセミナーは終幕した。