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接触確認アプリ「COCOA」など、日本の新型コロナ接触追跡アプリ・通知サービスまとめ

 Post by MML編集部

内閣官房の情報通信技術総合戦略室は、国内の新型コロナ感染拡大防止を目的に、2020年6月より接触確認アプリの公開を発表しました。利用者の視点から接触確認アプリはどのようなメリットをもたらすのでしょうか。このアプリが誕生した背景から、個人を特定しない仕組みなどを解説し、または他の自治体でも提供している接触追跡(コンタクトトレーシング)サービスを紹介します。

接触確認アプリとは

接触確認アプリとは、新型コロナウィルス感染拡大の防止を目的に開発されたスマートフォンアプリです。スマートフォンのBluetooth(近距離無線通信)を利用して、バックグラウンドでアプリユーザー同士の接触を検知・記録し、自らの行動変容を確認できます。

この接触確認者とは、おおむね1メートル以内の距離で継続して15分以上の近接状態が続いたものを定義します。

普段は、本アプリを導入してからの日数、日々の全接触回数(相手が陽性者か否かにかかわらず接触した回数)を確認ができ、行動変容のための情報として活用できます。

本人が保健所などでPCR検査を受け、「陽性」と判明した場合、保健所などから処理番号が渡されます。本人が接触確認アプリの入力欄に処理番号を入力し、サーバ側でそれが正しいと判明すると、一定期間 本人と接触した人のスマートフォン端末に通知が表示される仕組みです。

また、本人が感染していなくても接触感染者のうちどなたかが陽性と判明した場合、個人が特定できない形でスマートフォン端末に通知が届きます。そして陽性者との接触が確認された場合には、その接触確認者に対し、適切な行動と帰国者・接触者相談センターへの相談方法などをメッセージによりガイダンスします。

接触確認アプリの仕組み<通常時>他社との接触についてアプリの端末に相手の識別子(個人に紐付かない)が記録される。識別子の記録は、一定時間経過後に順次削除されていく。<陽性確認時>保健所で感染者確認システムに陽性者が登録される。登録された陽性者は保健所の通知を受けて、自分が陽性者であることをアプリ上で入力。アプリユーザーに対して、陽性者との接触歴がある場合に、接触者アラートが通知され、これを確認(接触した個人が特定できない形で通知)接触が確認されたものには、メッセージにより適切な行動と帰国者・接触者相談センターへの相談方法をガイダンス

出典:接触確認アプリに関する仕様書:政府CIOポータル

以下からダウンロード

個人情報・プライバシーは大丈夫なのか?

「ユーザー同士の接触を検知・記録する」と聞くと、個人情報は大丈夫なのかと気になります。接触確認に関する仕様書については、以下のように記載されています。

接触確認アプリでは、個人のプライバシーに配慮し、名前、性別、住所、生年月日、位置情報、電話番号、メールアドレス等の特定の個人が直接識別される可能性のある情報は取得しない仕様となっています。

接触確認アプリは、プライバシーの保護と潜伏期間等を考慮して、過去に遡って利用者が自らの接触の情報を確認できるのは14日間までとしており、14日経過後のデータは自動的に削除される仕様となっています。

つまり個人情報を取得しない、位置情報でユーザーを追跡しない、情報は14日間に限定してそれ以降のデータは削除する仕様になっているそうです。

接触確認アプリが誕生した背景

新型コロナウイルス防止の取り組みが続けられているなか、これまで世界各国の政府、産業界、教育界によりITやデータを活用したさまざまな対策が講じられています。2020年4月6日、内閣官房、総務省、厚生労働省および経済産業省など、関係省庁からなるテックチームを組成しました。

テックチームは、民間企業や技術者の協力を得ながら諸外国の状況も踏まえ、考えられるITやデータの活用を検討し、TECH企業による新たな提案も受けながら、迅速に開発・実装できることを目的としています。

新型コロナ感染症が拡大するなか、IT を活用して国民の行動変容を積極的に促すとともに、効率的な感染症対策や感染状況等の把握を行うツールを導入することが重要であると考え、2020年5月9日、「第1回 接触確認アプリに関する有識者検討会合」が開催されました。

海外では公衆衛生当局から同様のアプリを開発し、多くの人に提供しています。日本では公衆衛生当局にあたる厚生労働省がアプリ開発から運用までを担当します。複数のアプリが発行されることによるユーザーの混乱を避けるため、アプリについては厚生労働省から1つのアプリのみ、提供することになりました。このアプリは、AppleとGoogleが提供するAPI「Exposure Notification(濃厚接触の可能性を検出するシステム)」を使ってアプリ開発を進めると決定しました。

同じアプリは作れるのか?

AppleとGoogleが提供するAPIは1つの国に対し1つのみという制約があります。そのため このAPIを使ったアプリは、厚生労働省が提供するこのアプリのみということになります。

ガラケー向け「接触確認アプリ」は出るのか?

携帯電話を使っている方でしたら、ガラケー(フィーチャーフォン)向け接触確認アプリはあるのかと思います。今回、AppleとGoogleのAPIを使ったアプリの仕様を考えると、そのようなアプリが提供されることは難しいと思います。しかし、ガラホ向けアプリの提供はあるのかもしれません。

国内の接触追跡アプリの状況

厚生労働省が主導する接触確認アプリのほか、さまざまな自治体で独自の接触追跡アプリ・サービスを提供しています。

北海道 北海道コロナ通知システム
青森県八戸市 はちのへwithコロナあんしん行動サービス
宮城県 みやぎお知らせコロナアプリ(MICA)
東京都 東京版新型コロナ見守りサービス
神奈川県 LINEコロナお知らせシステム
千葉県千葉市 千葉市コロナ追跡サービス
大阪府 大阪コロナ追跡システム
京都府京都市 京都市新型コロナあんしん追跡サービス
沖縄県 (準備中)

この中で、いくつかのサービスをピックアップします。

大阪コロナ追跡システム

大阪府は、ウイルスとの「共存」を前提とし、感染拡大の抑制と社会経済活動の維持の両立を図るため、大阪コロナ追跡システムを開発しました。接触確認アプリとの違いは、メールアドレスがあればサービスを利用できるということです。

施設(店舗)運営者・イベント主催者は施設情報を登録すると、QRコードがメールで届きます。そのQRコードをお客様が登録しやすい場所に貼って作業は完了します。

施設イベント会場でのシステム導入の手続き。大阪コロナ追跡システム

施設(店舗)利用者・イベント参加者は、掲載されたQRコードを読み込み、メールアドレスを入力すると登録完了メールが届きます。

登録した施設(店舗)・イベント会場に感染者がいたことがわかった時、注意喚起のメールが届きます登録後、万が一ご自身の感染が判明したときは、大阪府からの案内に従って、登録したメールアドレスと発症日を、大阪府にお知らせください。

東京版新型コロナ見守りサービス

東京都は、東京版新型コロナ見守りサービスを提供しています。このサービスは都立施設で新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生した場合に、施設の訪問履歴に基づき利用者に迅速に感染情報を通知する仕組みです。

QRコードを読み取り、メールアドレスまたはLINEから簡単登録することができます。対象は都の文化施設、スポーツ施設、庭園・動物園、図書館などとなっており、今後拡大していく予定です。

東京版新型コロナ見守りサービス 登録の流れ

みやぎお知らせコロナアプリ(MICA)

宮城県は新型コロナウィルス感染拡大防止に向けた追跡アプリ、みやぎお知らせコロナアプリ(MICA)を公開しています。店舗はシステムに登録するとQRコードがメールで届きます。利用者はそのQRコードからメールアドレスを登録すると、対象店舗で新型コロナウィルスが発生した時、登録されたメールアドレスにお知らせが届きます。

みやぎお知らせコロナアプリ(MICA)登録の流れ

LINEコロナお知らせシステム

神奈川県は濃厚接触の可能性が疑われる方へ通知するシステム、LINEコロナお知らせシステムを提供しています「登録・発行フォーム」から店舗等の情報を登録すると、「感染防止対策取組書」とLINEお知らせシステム用「QRコード」が発行されます。

利用者は掲示されたQRコードを読み取ると、神奈川県LINE公式アカウントに登録されます。対象店舗等で感染者の利用が判明し、保健所の調査上必要と判断された場合、その感染者が訪れた場所を同じ時間帯に訪れた方に対してLINEメッセージを配信します。受信者はメッセージに記載された保健所の電話番号に連絡することでスムーズな対応ができます。

LINEコロナお知らせシステム 登録の流れ

今後多くの自治体でも接触追跡アプリ・サービスが公開され、この流れはますます広がっていくことでしょう。新型コロナウィルス感染の状況については予断を許さない状況ですが、これらのサービスが世の中に広がっていくことで感染者の防止につながることでしょう。