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CCCマーケティング。Tポイント基盤を活用したデータドリブンマーケティング戦略

 Post by MML編集部

CCCマーケティングはTポイントを軸として、データベース・マーケティングを中心に行っている企業。昨今、リアルのTカードからデジタルへとシフトしていく中、DMPの活用は大きなテーマとなってきている。CCCマーケティングではどのようにデータ活用を行い、提携企業に提供しているのか、その取り組みと最新事例について語った。

CCCマーケティング株式会社 マーケティング・コンサルティング管掌COO 小林 浩輔氏

CCCマーケティング株式会社 マーケティング・コンサルティング管掌COO 小林 浩輔氏

2020年2月、トレジャーデータが主催する、デジタルイノベーションをテーマに最先端の情報を発信するイベント「PLAZMA 2020 KANDA」が開催された。CCCマーケティングの小林氏より「オフラインデータ活用最前線」をテーマに講演を行った。

これまでTカードの累計発行枚数は2億数千万枚、そのうち1年間に利用されているT会員は2019年12月末現在で7,017万人を誇る。日本の総人口のうち55.5%がT会員であり、そのうち20~40代は7割以上が利用しているという。

Tポイントと提携している企業のうち、ナショナルクライアントは194社、エリアアライアンスは5,895社と店舗数を合計すると約17万3,000店舗が加盟している(2019年12月末現在)。これらの店舗で利用されたデータがTポイントにまとまっている、というのが強みの1つとなっている。

CCCマーケティングは、リテール企業にはTポイントの提携企業中心にデータ活用の推進を行っている。一方で、メーカー企業には、リテール提携企業から預かっているデータを統合的に解析し、マーケティングソリューションとして提案を行っている。

もちろんCCCマーケティングでは、個人情報保護法やプライバシーポリシーに遵守して、適切な状態でのデータ活用を推進している。個人情報保護法も、今後の改正を含めていろいろと状況が変わっていくと推測される。CCCマーケティングで語られる構想も、現時点でその状況に合わせたものであると小林氏は解説した。

提携企業との相互送客が実現できる

Tポイントは1つの会員証で、さまざまな提携店舗のポイントが貯まり、さらに使用することができる基盤となっている。さらに、クーポンネットワークを構築。具体的には、商品を購入する他社のクーポンを渡されるもので、提携企業間の相互送客を実現している。

「自社のお客様は自社で把握できるが、自社に来ていないお客様を把握することは難しい。提携先双方で送客しあうビジネススキームを実現している。個社では実現できないようなネットワークの構築を実現している」と小林氏は語った。

そのほか、各店舗アプリにTカードの会員証機能搭載を提供。会員証に加え、クーポン機能やメッセージが搭載可能となるため、提携先企業はスマホでデジタルマーケティングができ、お客様にはいつものTカードで買い物支援が実現できる。

たとえば、TSUTAYAでレンタルすると10ポイントもらえるクーポンを各店舗アプリで配信し、相互送客を行えるわけだ。通常、自社のクーポンに対しては自社顧客だけしか利用されないが、自社のクーポンを他社のさまざまなアプリで配信した場合、3.3倍の送客効果があったという。つまり、クーポン利用の幅が広がっていくことを意味する。

オウンドメディア活用の高度化にも視野

Tポイントを軸としたデータ基盤が広がっていくなかでCCCマーケティングは、トレジャーデータのCDPを導入しオウンドメディア活用の高度化に努めているという。つまりCDPを導入することで、インプットの最大化、マーケティングオートメーションやAIを含めたプロセッシングの高度化、分析のアウトプットの最大化、この3つをイメージしているという。

特に、オウンドメディア以外のデジタルタッチポイントの連携拡大、リテールやメーカーなど提携企業とのデジタル検証環境を構築、この2つを狙いとしている。

インプットとアウトプットとの最大化を目指す

ここからリテール企業との取り組みについて紹介が行われた。基本的にはクーポンを配信する One to One マーケティングを実施しており、今後タッチポイントが増えていくなかで、顧客理解のためのインプットと、個客コミュニケーションを実現するアウトプットとの両輪を目指していく。

つまり、タッチポイントが増えていくたびにコストも増えていくことから、インプットデータとアウトプットデータをいかにバランスよく最適化していくかが重要になる。そして、2019年7月からマーケティングオートメーションを導入、顧客ごとに最適化された販促シナリオを自動実行している。

その結果、導入前100投下していたコストを15%減少しても、同様の効果が得られたのだという。顧客に応じてきちんとタッチポイントのメディアと、オンライン・オフライン問わず、統合的にシナリオを作って出し分けていくことが今後求められていくのだと小林氏は語った。

メーカー企業が抱える2つの課題

続いてメーカー企業との取り組み事例。メーカー企業はオウンドメディアを軸に、自社CRMを強化していることから、このような企業はますます増えていくだろう。メーカーが抱えている課題は大きく分けて2つあるのだという。

1つはKPI。オウンドメディアの購買が自社の売上にどう関係しているのか、経営者から求められることがある。しかし、そこの指標作りは難しいのだが、ユーザーの態度変容がオウンドメディアの中で起きていることは感じている。つまり、オウンドメディアの投資対効果が算出できないという課題である。

2つ目は、マスメディア系のブランドで起こるギャップ。つまり、オウンドメディアでタッチポイントが取れるユーザーは数百万人と他のオウンドメディアと比べて多いのにも関わらず、対象としているユーザーは約1億2千万人の日本人全体という課題。

規模を最大化するための統合CRMを確立すべし

「そのなかで我々が提供できることは、CDPを活用しながらオウンドメディアの活動高度化。Tポイントは一番のテストマーケティング(実験場)なので、そこで得られたノウハウを蓄積し、そのノウハウを外でも活用する量的拡大が求められている。これでオウンド領域(提携企業のオウンド)とオウンド外領域(T会員)を併せて統合的にCRMをしていく基盤が作れる」と語った。

オウンド外領域では、ビールやコーヒーなどを購入されている「モノ軸パネル」で見ると、おおよそ1,000万人以上のパネルが抽出できるため、オウンドと連携しながら分析を行うことができる。

オウンド領域では、購買データの提供を行わないなど、個人情報保護法やプライバシーポリシーに則った範囲の取り組みを行っている。最近では、メーカーのオウンドメディアから提供できるCDPを、CCCマーケティングの環境から統計レポートとして分析。T会員の商圏のなかで、クロスメディアで改修をかけていく。

それを行うために、大きく2つをチェックする。1つは、キャンペーン・広告の効果を可視化すること。売上や購買の指標を設定せず、KPIが曖昧になっているオウンドメディアに対して、きちんとKPIを設定し、キャンペーン参加者や購買リフトを検証していく。

メーカーの場合、トライアルの拡大やリテンション向上を目的にキャンペーンを行っていることが多く、実際キャンペーン単体の検証を行っている。年間数百本のキャンペーンを展開されているなか横並びで見たときに、どのキャンペーンがどういう効果があったのかナレッジの共有が難しくなっている。CCCマーケティングの場合、これらのデータを可視化できるようになったという。

2つ目は、サイトの来訪者やキャンペーン参加者の人物像を可視化すること。オウンドメディアによく来ている人を対象に、どんな商品を購入しているのか、例えば購入した雑誌、よく借りるアーティストなどを見ていくとユーザーの嗜好性が見えてくる。またCCCマーケティングでは25万人のパネルで、テレビの視聴データを1秒単位のログで取得している。

さらに、リアルのイベントでもTポイントが貯まる簡易端末を貸している。こうしたデジタルのデータベースと、テレビの視聴データ、リアルイベントのデータといったオンライン・オフラインのデータをクロスして分析していくことで、認知から購買、ロイヤルカスタマーへ至る動きを可視化することができ、CCCマーケティングにおいては購買するユーザー像を浮き彫りにできることが強みである。

まとめになるが、リテール企業においては One to One きちんと実現できるようなインプットの最大化、アウトプットの最大化をいかにバランスよく最適化していくかが重要になる。メーカー企業においては、統合CRMを実現するために、オウンドを軸としながら、同時にオウンドをハブにして、そこから規模を最大化していく仕組み作りが大事だと語った。