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Twitterのフォロワーが1年で2倍に。サブウェイのファンを巻き込むデジタル戦略とは

 Post by MML編集部

サンドイッチをメインにしたファストフードチェーン「サブウェイ」の顧客体験価値について、さまざまな取り組みを行っている。例えば、サブウェイのターゲットに向けて新商品や商品プランを投入。その他、1年前から重点的にTwitterを中心としたデジタル戦略を開始。どのような取り組みを行っているのか具体的に解説された。

日本サブウェイ合同会社 社長 角田 淳氏

2019年11月、NTTドコモが主催する「商業施設や店舗で顧客体験を高めるための位置情報活用セミナー」が開催された。サブウェイの角田氏より「“体験重視”で改革を図る新たな店舗展開とブランドストーリーの伝え方」というテーマで講演された。

サブウェイは1965年、アメリカのコネチカット州でフレッド・デルーカ氏が大学へ行く資金調達のために始めたサンドイッチ屋から始まる。デルーカ氏はサンドイッチ屋のノウハウを持っておらず、どんな商品を作ったらいいのか分からなかったことから、お客様に自分の食べたいものを、その日の気分で選んでもらうスタイルで始めた。

それがアメリカのお客様にヒットし、創業から54年、4万店舗以上を展開する巨大チェーン店となった。日本では1992年、サントリーグループがフランチャイズの権利を取得、1号店をオープン。化学調味料を使用せずに、日本のお客様のテイストに合った商品を日々開発している。

まずはターゲットを理解すること

企業が誰に対して何を提供していくのかを進めていく上で、お客様を理解することは大事である。サブウェイの特徴は、ヘルシーな野菜だけでなく、美味しく、チョイスできるところ。思わず食べたくなる、お手軽価格で気軽に食べられるヘルシーフードを目指している。

つまり、お客様のジャンルとしては20~30代のうち、こだわりを持っている方、コスパ重視の方、気軽に食事できるものを求めている方を狙っている。

サブウェイの顧客理解。思わず食べたくなるお手頃価格で気軽に食べられるヘルシーフード

商品名についてもターゲットが共感するようなネーミングに変更し、またはサブウェイのヘルシーでアクティブなイメージとマッチした中村アンさんをアンバサダーとして起用、魅力的な新商品とお得な商品プランのキャンペーンを需要の高い春夏期に実施した。

「我々の店舗に来店するお客様をきちんと理解して、その方々に明確に伝わるメッセージを用意できるかどうかが一番大事だと思っている」と角田氏は述べた。

ファンを巻き込んだサブウェイさんの戦略

デジタルは、お客様が生活するために欠かせないツールの1つとなっている。サブウェイでも、無料から開始できる点や、ターゲットにマッチしている点において、デジタルを重要視している。ただテレビ時代のように、型のようなものさえ決まれば大きくヒットするようなものではないのも事実だ。逆をいうと、小さなバジェットでも、きちんとターゲットに届けば機能するわけである。

「それが何かというと、企業アカウントのことを『中の人』といいますが、個人的な印象では僕らは『サブウェイさん』であると。サブウェイさんと仲良くなれそうな、そういうファンたちに分かりやすくどのように紹介するのか、そのためのツールがデジタル」であると語った。

例えば、競合にもなるカーネル・サンダースの誕生日にメッセージを送ったり、サブウェイの内情を共有してお金がないからみんなで協力してリツイートしてもらったりと、ゆるいツイートも行っている。

「僕らが使っているプラットフォームはTwitterがメイン。Twitterはサブウェイさんに興味のある人が集まっているので、そういう内情を話しても怒られず、逆に共感してくれる。ファンとコミュニケーションができるので、僕らにはTwitterがすごく合っている」と述べた。

Twitterのフォロワー数は2018年で約17万人。それが1年間で35.5万人と約2倍も増加した。新商品のお知らせほか、ファンを巻き込むことも意識しており、商品開発に関わるアンケートも実施しているという。

サブウェイのデジタル活用例:Twitterの強化。フォロワー数35.5万。1年で約2倍に!

フレッシュさを追求してアンパンを投入。大きく話題を呼ぶ

サブウェイの売りの1つに「フレッシュさ」がある。日本視点で見て、フレッシュさで何ができるだろうと考えた時、それは「アンパン」だという結論にたどり着いたという。アンパンはコンビニエンスストアの定番商品で季節感に左右されず、常に売れ続けている商品だ。しかし出来立てのアンパンを食べた人は少ないだろうということで企画を開始した。

あんこの商品を発売すると、またたく間にSNSで評判を呼び、テレビ番組でも紹介された。今までの商品の広告換算を比較すると、今まで最も高かった「爽やかサラダチキン」を大きく離し、最高値となった。この記録は現在でも更新を続けているという。

「やはり、何が伝わるのか、どういう視点がいいのかというのを考えて、それを共感してくれる人達にきちんと届けていく。これをやって行くためにはデジタルというのはすごいツール」だと述べた。

サブウェイ、デジタルで話題化する商品企画。あんこ&マスカルポーネ

お客様に体験を届ける施策

サブウェイではお客様の体験を重要視している。極論を言えば、美味しい商品があり、素敵なサービさえあれば、広告を出さなくても外食産業はうまく稼働する、行列するラーメン屋はそれにあたる。

ではこの体験をどうやってお客様に届けていくのか、というのはすごく難しい。全てのアルバイトに、同じ視点でお客様を楽しませる教育をしていかなければならないし、過ごしやすい店舗に変えていかなければいけない。

サブウェイは新しいコンセプト店舗「フレッシュ・フォワード」を導入した。明るく遊び心あふれるダイニングエリア。パン・クッキー、具材などがお客様から見えやすいようショーケースも刷新。無料W-Fiや充電用コンセントも用意した。旗艦店の売上も好調に推移中である。

ちなみに、サブウェイが提供するサンドイッチの組み合わせは7,000万通りあるそうだ。自分の気持ちで作れるのはいいところだが、逆にお客様を悩ませているところもある。簡単に楽しくこの体験をお客様に届けられるよう、デジタルソリューションを提供している。

1つは、気軽に食べられるランチボックスの提供。2つ目は、UBER EATSや出前館などを活用したデリバリーサービス。最後が、モバイルオーダー。スマホ上から商品を選択し、決済を完了すればあとは受け取るだけのシステムを、現在一部店舗でテスト展開している。

サブウェイ、もっと便利に、新しい店舗体験。ランチボックス、デリバリー、モバイルオーダー

それを利用する人達がなかなか増えていかないのが課題である。もしかしたら利用するお客様のことをきちんと理解できていないのかもしれない。そこを突破すると、サブウェイの店舗に並んで商品を受け取るまでのオペレーションから開放され、あとは受け取るだけの時代がやってくる。

「今の若い世代は我々の時代と比べると、対面でのコミュニケーションに抵抗を感じる人も増えている。その世代が気軽に使えるツールとして使ってもらえることを期待している」と語る。

サブウェイの売上は非常に好調である。今年は6月以降、前年比106%、11月前年比109%で推移している。「年初では多くの方から心配される声を頂いたが、ターゲットに向かってデジタル施策をきちんとやる、それを店舗で体験できるような形にするだけで非常に環境が変わった」。

サブウェイは、総合代理店を中心に、SNS、PR、クリエイティブなどの専門チームとともに、フランチャイズオーナー・店舗も巻き込んで、ワンチームで今後も前進していくと語り、セミナーは終幕した。