1年間で約2倍の効果!finbeeアプリが実践したASO施策。キーワードやタイトルの調整方法とは?

 Post by MML編集部
いつの間にか貯金できる自動貯金アプリ「finbee」のASO事例。半年間および1年間で、どのようにキーワードを最適化し、タイトルやサブタイトルを調整し、スクリーンショットのABテストを行ったのか、具体例を交えながら解説した。
株式会社ネストエッグ プロダクトマーケティング部 グロースマネージャー 富宇賀 直也氏
本記事は、Reproが主催する「aCrew for User Acquisition ~GYAO,ママリ,finbeeのASO施策~」より、ネストエッグ 富宇賀氏の講演「自動貯金アプリ『finbee』のアプリストア対策について」の模様をお届けする。 finbeeは、日本初の銀行口座と連動した自動貯金サービス。貯金目的と達成日を設定し、毎日の生活に合わせて貯金する金額を決めるだけで、自分の口座に自動貯金されていくというもの。 finbeeのチームは「プロダクトグロース」と「マーケティング」の2つに分かれており、富宇賀氏はその両方を見ている。プロダクトグロースでは3名体制で、プロダクトにおけるボトルネックを抽出して日々改善を行っている。マーケティングはダウンロード数の達成をミッションとしており、戦略立案、広告配信、ASOなどを1人で行っている。

効果的な施策を探すためのテストマーケティング

KPIを設定して効果的なチャネルは何かを発見するために、まずはテストマーケがしやすいようさまざまな広告を配信して、どんな傾向があるのかを検証した。そして配信した結果、finbeeはインストールされても貯金をするためには銀行口座と連携する必要があるのだが、そこが大きなネックとなって獲得コストが高く出てしまった。 finbee:ASO支援前のfinbeeの状況:テストマーケ 広告に舵を取れないという結論となり、そこで何をしようかとなった時、ASOの話が浮かび上がった。はたしてASOは投資対効果として広告を上回るのだろうか数値資産を実施したところ、当時の獲得コストと比べてASOは投資効果を上回るとの結果。しかし1人ではASOを運営するのに限界があると感じ、アプリグロースをトータルで行っているReproから支援を受けるに至ったという。

ASO施策の具体例

ここから具体的にASOを行ったのか、以下の図をもとに解説を行った。「サービスTOP」「関連アプリ」「ニーズ顕在層」という3つのレイヤーに分け、それぞれ1~2か月目、3~4か月目、5~6か月目に分けてキーワードの最適化を実施した。 「サービスTOP」では、コアとなるキーワードである「finbee」「フィンビー」「ふぃんびー」などを設定。「関連アプリ」では、関連のある競合アプリ名を設定。「ニーズ顕在層」では、そもそも貯金アプリを探しているユーザーが入力しそうなキーワードを設定する。 6か月間ずっと設定しているキーワードは、常に上位を狙っていきたいキーワードを設定している。では、運用1~2か月目、3~4か月目、5~6か月目ではどのような違いがあるのだろうか?最初の1か月は、直接アプリダウンロードにつながるような親和性の高いキーワードを設定。そこから効果が悪かったものを排除して、良かったキーワードから、さらにキーワードの幅を広げて設定した。 finbee:キーワード最適化に向けた具体的なプラン その結果、最も重要な「貯金」ワードが27位から3位まで上昇。「貯蓄」ワードでも15位から5位まで上昇した。これは変更してから4~5か月間の成果だという。 キーワードの最適化に加え、タイトル・サブタイトルの変更も行っている。以下の図は、この1年間でこれだけの更新を繰り返した変更履歴の一覧である。これらが原因でリジェクトされることもあるが、それでも更新を続けた。 finbee:キーワードのPDCAは月1~2回以上の頻度で行う 続いて、クリエイティブの事例。左側はASO実施前のクリエイティブ。縦長だったスクリーンショットを横長に変更し、テキストサイズを大きくして見せ方を変更した。その結果、実施前と比較してダウンロード率が9.5%も増加した。 ダウンロード率増加にともない、男女比も変化し、メッセージ性も変わっていった。いままで敷居が高い男性をメインターゲットにしていたことから機能訴求のメッセージを出していた。しかしダウンロード数が増えていくにつれ女性の割合が増加、情緒訴求のメッセージに変更したところヒットに繋がったという。 finbee:ストア画像のABテストを毎月繰り返し実施 キーワードに加え、スクリーンショットの方もPDCAを回している。スクリーンショットをABテストするにあたり、大きく2つのポイントがある。1つは、始めにデザインコンセプトからABテストを行うこと。 2つ目は、デザインコンセプトが決定したらデザインはそのままにして、テキストのABテストを行うこと。テキストに関しては1か月に1~2回変更し、それを1年間継続して検証した。検証方法はGoogle Play ConsoleのABテストツールを利用している。 finbee:クリエイティブ最適化に向けた具体的なプラン 地道にキーワードやクリエイティブのPDCAを回した結果、実施前よりオーガニックのインプレッション数は196%増加、PV数は180%増加、ダウンロード数は186%増加と、それぞれ約2倍の効果につながった。