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ファンとのコミュニケーションを大切にする、BAKE CHEESE TARTのLINE公式アカウント戦略

 Post by MML編集部

焼きたてチーズタルト専門店「BAKE CHEESE TART」(以下 BAKE)は、2018年1月にLINE公式アカウントを開設。広告を一切利用せず1か月で約4万人、1年間で約13万人の友だちを獲得。平均的なLINE公式アカウントと比べて、驚くべき増加数だという。BAKEはなぜLINE公式アカウントを始めたのか。どのようにして友だちを獲得したのか。そのノウハウを余すところなく披露した。

株式会社BAKE マーケティング部CRMチーム マネージャー 中村 健二氏

本記事は、LINEが主催する「LINE Biz-Day for SMB」より、株式会社BAKEの講演「お菓子のスタートアップ BAKEが目指す、LINEとファンコミュニティ形成」の模様をお届けする。

BAKEは、国内55店舗、海外48店舗を展開する企業。焼きたてチーズタルト専門店「BAKE」のほか合計で6ブランドを展開しており、それぞれ個性を追求したブランドとなっている。LINEを開設する以前のBAKEでは定期的に、各店舗で新作のフレーバーやノベルティを来店したお客様にプレゼントする販売促進を行っていた。

お客様の声をきっかけにLINE公式アカウントを開設

コアファンを獲得するために行っていたこの販売促進も、コアファンには伝わっていないということが後で分かってきた。そのきっかけは消費者調査を行った際、お客様の声で「プロモーションの情報がなかなか得られない。情報を知っていたらお店に行ったのに」「企業のLINEアカウントは多く登録している。BAKEでも通知されたらいいのに」などの意見があったからだ。

BAKE。プロモーション情報がなかなか得られない。情報を知っていたらお店に行ったのに

2018年1月、LINE公式アカウントを開設した。当初はベイクチーズタルトの16店舗で開始、1年後にはブランドを拡大し26店舗で運営している。LINEを選んだ理由は、生活の一部となっているLINEでお客様とコミュニケーションを取りたいと思ったからLINEを選択したのだという。

LINE公式アカウントの友だち獲得方法

まずお客様が友だち登録していただく接点として、「チーズタルト6個購入の方に、チーズタルト1個プレゼント」というクーポンを配信。これを1年間に3回配信した。このクーポンはLINE公式アカウントで友だち登録すると、自身のアカウントにクーポンが届く仕組みのもの。

「BAKEの強みは、弊社スタッフが積極的にお客様へお声がけしてくれたところ。リアルなコミュニケーションを取りながら、登録数を増やしていった」という。ちなみにクーポン利用率は全店平均で約30%(既存4%、新規26%)。客単価は170%アップというから驚きだ。

「特徴的だったのは、情報を知っていたら店舗に行っていたとおっしゃっていた既存のお客様が、こちらが回を重ねるごとにクーポンの利用率が増えていった。既存のお客様はクーポンのエンゲージメントが高いと感じている」という。

BAKE。クーポン利用率は全国平均で約30%(既存4%・新規26%)客単価が170%UP。試作を重ねるごとに、既存の友だちのクーポン利用率が伸長

友だち数増加のカギは、店舗運営のサポートにあり

一般的には、キャンペーンが終了すると友だちの登録数は減少してしまう。しかし、BAKEではスタッフがモチベーション高く取り組むポイントが4つあるという。1つは、店舗で目標をもたせること。なんとなく友だちを増やすのではなく目標をもたせることをマネージャーに理解してもらい、マネージャーが店舗スタッフに目標をもつ意味を教え込んだ。

2つ目は、こまめな中間報告。現在どれくらい友だちが登録しているのか毎日、全店舗の登録数を集計し、各マネージャーへ適宜報告した。3つ目は、他店アクションの共有。報告においても単純に報告するのではなく、他店はどんなアクションをしているのか共有し、自店ではどんな状況なのかコメントを添えて、頑張りましょうというコミュニケーションを取ったという。4つ目は、コンテストの表彰。全店で友だち数を競い、トップを取った店舗を表彰した。

通常、人通りの多い店舗がどの店舗よりも友だち登録数を多く獲得される。そんなことがないよう、コンテストでは少ない店舗の頑張りもフォーカスされるよう工夫されている。たとえば、クーポンの利用率や、購入者に対する登録者割合など総合的な項目を判断したうえで、店舗の頑張りを評価している。

BAKE。トラフィックの多い店舗だけでなく、少ない店舗の頑張りもフォーカスされるように工夫

最後に、キャンペーンが終了したあと各店舗が達成した数があり、その数を各店で乗り越えるよう主体的に行動している。上からの押しつけで目標を超えてもらうのではなく、自分で目標を設定し、その目標を乗り越えるようにしているという。自分たちで目標を設定したからこそ、自分たちからお客様にLINEをおすすめできるのである。

結果だけでなく、目標を持たせるために工夫を重ねる

お客様の声から新商品が誕生

LINEを開設してから半年、お知らせの配信タイミング、配信頻度などを含めたアンケート調査を行った。ベイクチーズタルトについて何かご意見があればと聞いたところ、気持ち程度のインセンティブにもかかわらず全体の14%が回答してくれたという。

ご意見の中には、「味のバリエーションを増やしてほしい」「いろいろな味を食べてみたい」「味のレパートリーを増やしてほしい」など、フレーバーの種類を増やしてほしいという声が多いことに驚いたという。

BAKE。開設から半年が経過した時点で初めて、満足度を実施。回答率14%

新商品を考えている中で、今まで無かった「おつまみ系タルトがあったらいいよね」という言葉から、前代未聞のしょっぱい系タルトが誕生した。試供品を制作し、BAKEのファンイベントでみんなに試してもらおうということとなった。LINE公式アカウントでイベントを告知し、来場者に意見を伺った。提供した試供品の中で好評だった商品は、正式に商品化された。

BAKEが考えるファンマーケティングとは

BAKEが考えるファンマーケティングについて中村氏は「自社のファンを集めるだけではなくて、アンケートを取ってお客様にフィードバックし、それでまた改善するという、ブランドとファンをつないでコミュニケーションを取っていくことが重要だと思う。そのため、友だちの登録数がどれだけいるかというのが重要ではなくて、実際にお客様とどれだけコミュニケーションを取ったのかが重要」だと語った。

今後はLINEをハブにして、ブランドのファンになってもらうようなコミュニケーションを密に行い、BAKEを好きになったお客様が来店してもらえるよう頑張っていきたいと語った。