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本田圭佑のビジネス論「守ってはいけない、攻め続けなければ。攻撃は最大の防御だ」

 Post by MML編集部

サッカー元日本代表MF本田 圭佑氏が、今回 実業家として講演に参加。どうしてサッカー選手を続けながらビジネスを起こそうと思ったのか、きっかけとなる出来事や 今後挑戦するブロックチェーンファンドの構想についても語った。また、日本人は意識が低く危機感や使命感が足りないと語る。そのためにはどうしたらいいのか具体例を交えて説明した。

本田圭佑

サッカー選手・指導者、経営者 本田 圭佑氏

本記事は、5月29日開催された Advertising Week Asia 2019(AWAsia)より、本田 圭佑氏から「Global Keynote Series: 本田圭佑」というテーマで講演を行った。

本田氏の活動は現在、サッカーとしての面だけではなくKSK Angel Fundというグループとして活動も行っている。そのグループミッションは、「世界中の誰もが、夢を追いかけられる世界をグループとして作ること」。グループが誕生した背景は、2008年までさかのぼる。

オランダ1部リーグへの移籍が決定し、海外へ行くことが多くなった。ある国で貧しい子どもたちが、自分の弟を背負いながら物乞いをしている光景を目の当たりにした。その時、今までサッカーばかりしてきたけれど、これは何かしなければいけないという思いに駆られる。すぐに行動に移し、サッカースクールを開設。子どもたちの夢を与える活動を始めた。

一方で、家族を支えることを最優先に働いている最も貧しい子どもたちを誘って、サッカースクールを広げるのは難しいと感じ、自らの資金を社会に活用できるよう エンジェル投資を開始した。貧困問題を抱える国に影響を及ぼすような、志の高い企業に投資を行っており、現在では約50社に投資を行った。

ただ自らの資金も限界があるため、2018年、俳優のウィル・スミス氏とベンチャーキャピタル「ドリーマーズファンド」を設立。現在まで30社近く投資を行った。投資をきっかけに夢を挑戦したい人たちを応援している。

今後ブロックチェーンファンドを計画

その中で今後挑戦していく「ブロックチェーンファンド」について紹介した。その背景について本田氏は、世の中には自国の通貨価値が不安定な国がある。誰の手によっても支配されていない「分散型」というブロックチェーンの思想に共感してファンドを立ち上げるという。今回、パートナーとして大日方 祐介氏を紹介、壇上にあがった。

本田氏は「日本では投資目的としての面がクローズアップされていて、あまりいいイメージを持たない人もいるかも知れないが、そこではなくて、ブロックチェーンの思想について共感している。いろいろな専門家から話を聞いて共通して言えるのは、インターネットが出てきた雰囲気に似ていると。僕は夢を追いかけられるような環境作りをしたい。それがブロックチェーンの技術によって実現したい」と語った。

誰のために努力するのか。使命感を持て

本田氏は「日本の起業家にしても、サッカーで招集された若者にしても意識が低く、話をしてもギラギラ感がない。世界と日本の社会問題について意識するか・しないかで、1年後、5年後、10年後、成果は天と地の差だと思っている。だから会う日本人選手に海外へ出ろとか、とにかく世界へ行ってみようとか、言い続けている」と語った。

それを受けて大日方氏は「僕も18歳の時に海外へ行ったが、日本って非常にラッキーな国なんだと初めて痛感した。ラッキーな国で生まれた自分が、日本のために何かやっても非常にもったいないと感じた。せっかく大学に行って、英語も勉強できる環境で育ったので、日本だけではなくて世界で活躍できることを目指したいとその時から思った」という。

本田氏は「僕は日本人という意識とグローバルという意識を両方持っているが、日本人という意識でコメントさせてもらうと、僕たちは資本主義と言われる世界で競争しているわけで、日本人はもっと危機感を持たないといけない。他人事に思っている人が多すぎる、使命感がない」。

「ただし、ポイントとなるのは1人じゃできない。自分のビジョンに共感してくれる仲間が必要だ。僕はスクールやファンドをやっているが、今後は事業もやろうとしている。ミッションを達成するためには、本当に熱い志を持った仲間が必要だ」と切実に訴えかけた。

日本人が海外へ飛び出せない原因

その後、参加者から質疑応答が行われた。「日本人が海外で飛び出せないのはどういう原因があって、どう改善していけばよいか」との質問に対し、本田氏は回答した。

「日本の根本的な文化の問題なので、簡単なことではない。なぜなら、失敗に対してあまり寛容ではないから。僕はカンボジアで監督をやっているのですが、カンボジアも日本と似たような文化なんですよ。みんなミスを怖がってサッカーを全然トライしないんです」。

「それをどうやって変えようかと思って、一気に10段くらいジャンプアップするような方法じゃないと駄目だと思ったから、ミスしたやつは絶対にガッツポーズしろと言ったんです。なぜかというと、うまく行かなかったことは、自分の価値になるんです。失敗したくなければ誰も挑戦しないんです、やらなければ失敗しないから。失敗するのは新しいことに挑戦している証なので、成功するためには必須のことなんです」。

「この失敗に対する考え方に賛同してくれる人が増えて、それが多くの人に伝わっていけば、いい意味で常識は変わっていくんじゃないかと期待している。リスクを恐れずにチャレンジしてくれる人が増え続けていったら、日本が変わっていく」と熱く語った。

さらに、守ってはいけない、攻め続けなければいけない。攻撃は最大の防御だ とエールを送った。