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赤羽駅、AIを活用した無人決済店舗が無事終了。施策を通じてどのような効果をもたらし、どんな課題が見えたのか?

 Post by MML編集部
JR東日本は12月14日、赤羽駅の特設会場で行ったAI無人決済店舗における実証実験が無事終了した。 この施策は、スタートアップ企業を対象に、未来を変える技術やアイデアを盛り込んだ企画を募集し、採択されたものの中からテストマーケティングを行った施策となる。 最初の実証実験は2017年、大宮駅の特設会場で行っており、赤羽駅は2回目の実証実験となる。 この施策を通じてJR東日本は、どのような効果を感じ、そしてどのような課題を見つけたのだろうか。 施策の概要を振り返りながら、担当者にもインタビューを行った。

まずは大宮駅で無人店舗実証実験をスタート

2017年11月20日から11月26日までの1週間、大宮駅から改札を出た西口イベントスペースで、AI無人決済における店舗の実証実験を開始した。 お客様は入口のゲートでICカード「Suica」を使って入店。 欲しい商品を手に取り、出口までやってくると、そばに設置されたディスプレイにその商品と合計金額が表示される。 間違っていなければそのままSuicaで決済する仕組み。 これはサインポスト株式会社が技術特許を有するAI無人決済システム「スーパーワンダーレジ」を使って実現できたシステム。 天井に設置されたカメラが人物を特定しており、商品棚に設置されたカメラがどの商品を取ったのかをAIで把握する。 商品は手に取った時点で取得したことになるので、そのままバッグへ入れても購入予定としてキープされている。 そして、その人が出口へ行くと集計結果が表示されるという仕組みだ。

実証実験 第2弾は赤羽駅で開催。期間は2か月間

2018年10月17日から12月14日までの約2か月間、赤羽駅5・6番ホームで、AI無人決済店舗における実証実験の第2弾が行われた。前回よりも商品の認識率による精度が向上されたほか、入店できる人数制限も、1人から3人へと緩和された。 店舗面積は約21㎡と一般的なキオスク店舗とほぼ同じ面積であるため狭い印象はあるが、レジの面積を省略できた分、飲料、ベーカリー、菓子類の商品が140種類も陳列できている。

実証実験を始めた背景

今回、AI無人決済店舗の実証実験に携わった2名の担当者に、実証実験を始めた背景、お客様の感想、今後の方針などについて伺った(聞き手:編集部 矢野 祐一)
画像右より、JR東日本スタートアップ株式会社 マネージャー 阿久津 智紀氏 / サインポスト株式会社 イノベーション事業部 部長代理 波川 敏也氏
―― 今回、実証実験を始めた背景は? 阿久津: JR東日本グループではコンビニを運営しておりまして、かつて私もコンビニ店長として出向していました。 以前からコンビニでは、「人材不足」に悩まされておりまして、そのほか「レジの効率化」や「要因の効率化」という課題も出ていました。次第にそれらを解決する新しい技術と求めていたその時、サインポストと初めてお会いしました。 サインポストでは当時「ワンダーレジ」という、購入する商品を対象のエリアに置くと画像認識され、一人で決済処理が行えるレジスターを開発されていました。 ゆくゆくは無人店舗を導入するために、以前から試作機を作っていたという話を聞きまして、では一緒にやりませんかという話となりました。 ―― 実証実験の期間中、どれくらいの方が参加されましたか? 阿久津:第1弾は1週間で約2,000人が参加されました。 第2弾は1日平均386人が参加されました。 多くのメディアで紹介されたこともあって、10月は30分から1時間待ちの状態でした。 ―― 赤羽駅の店舗では、紀ノ国屋の商品を使ったそうですが。 阿久津:大宮駅の店舗ではNewDaysの商品を取り扱いましたが、赤羽駅では近くにNewDaysの店舗があったので、違う商品を取り扱いました。 ハイクオリティの商品が駅のホームで売れるのか試してみたかったので、紀ノ国屋の商品で差別化を図りました。 お客様からすごく良かったというアンケートをいただきました。 特に女性からの感想が多かったですね。それは非常に良かったと思っています。 ―― そのほか、どんな感想が寄せられましたか? 阿久津:大宮駅のアンケートで言いますと、基本的に肯定的なものが多く、ぜひこういうものを進めていって欲しいというご意見が多かったですね。 ですので、未来の店舗はこうなる、というイメージは湧いたのではないかなと思います。 波川:ゲートの前へ行くと自分で取った商品がモニターに表示される、ということ自体がすごいという声を聞きました。 そこで感動される人が多いですね。あとは、自動改札機と一緒でタッチするだけで、一瞬で決済できるので、「早い」という声もありました。 ―― 今後の予定をお聞かせください。 阿久津:実証実験を行って、現在の精度ではそのまま実用化できる段階ではないと考えています。 ロジスティクスの問題、オペレーションの問題、陳列の問題、トラブル対応といったビジネス面の改善が次のステップだと思います。 蓄積したデータを見直して、早い段階で実用化へ向けて進めていきたいと思います。 ―― どうもありがとうございました。

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