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フリマアプリ「メルカリ」のマーケティング戦略。メルカリはなぜWebサイトを重要視するのか?

 Post by MML編集部
テレビCMでもおなじみのフリマアプリ「メルカリ」におけるマーケティング事例を紹介。今までメルカリは、どのように成長していき、どのようなマーケティング施策を行って利益を生み出しているのだろうか。
株式会社メルカリ マーケティンググループ・シニアマーケティングスペシャリスト 坂田 博昭氏
サービス紹介バナー_価格 7月27日、メルカリとメタップスリンクスの共催セミナーが開催され、メルカリの坂田氏より「アプリとモバイルウェブの統合的モバイルマーケティング戦略」というテーマで講演を行った。 メルカリは2013年に創業、現在約650名の従業員を抱えている。メルカリアプリの国内におけるダウンロード数は約7,100万件、月間の利用者は1,050万人、流通総額は938億円超(2018年1月~3月)にも及ぶ メルカリの原動力は、「メルカリというブランド認知」が大きいところにある。2014年から開始した「テレビCM」の反響でサービスの認知度が上がり、そこから、メルカリの検索ボリュームが爆発的に上がっていった。 メルカリのカテゴリ別販売シェアを見ると、一番多いのは「レディース」で26.2%、続いて「エンタメ・ホビー」が18.0%、「メンズ」が16.9%と続く。それ以外の割合が低い分野について、どのように商品量を伸ばしていくのか、チームにおける今後の課題となっている。

メルカリ事業を成長させるための取り組み

メルカリから利益を生み出すためには、新規ユーザーを増やすことが必要である。しかし、これだけ認知されていると、ある程度、新規ユーザーが増えにくくなってしまう。そのため、一人あたりの利益をどう増やすかというところを「in APP施策」として、プッシュ通知やキャンペーンを実施しながらテストを行っている。 その中で、マーケティングチームが担っている部分は、新規ユーザーを増やすことである。この新規ユーザーは、一度メルカリを使ったけれど現在は使っていない「休眠ユーザー」も含まれている。そのため、in APP施策を行う「CRMチーム」と、集客を行う「マーケティングチーム」が連動して施策を行っている。 サービス紹介バナー

検索流入数を支える「AMP」の導入

新規ユーザー獲得のために、具体的には、取扱商品を探しているユーザーを、メルカリへと誘導させる施策を行っている。メルカリでは、Webページの表示を高速化する「AMP」を重要視しており、メルカリのWebサイトで導入を行っている。 AMPを導入した結果、「自然検索流入数」は施策前と比較して45%の増加、「セッション数」は施策前より30%増加しており、ユーザーの流入数増加に寄与していることが分かった。 その件について坂田氏は、「Webからスタートしている企業はWebを重要視していますし、アプリからスタートしている企業はアプリを重要視しています。それでもやはり、Webは重要だよねということで、我々はアプリとWebを総合的に最適化する総合マーケティングで活動している」と語った。

Googleショッピングなどを使って流入増加

2つ目は、Googleショッピングなどの「PLA広告」を実施している。ここで注意しなければいけないことは、Amazonや楽天のように在庫がたくさんある商品を販売するものではなく、メルカリは1点物を販売しているため、いかにデータを最適化してアップしていくかということである。 自然検索や広告で流入したお客様はWebサイトに一旦集めておく。ユーザーにはメルカリのWebサイトを知ってもらい、Webサイトで購入してもらう。ステップ2としてその後、アプリへ誘導する。 「Web to APPは、まだ改善の余地があります。Webページはほぼアプリに誘導していますが、このページははたして全部Webでいいのかと言うと、まだそうではないと思っている。ここからも改修できればと思っています」。 そこで注目しておきたいポイントは「計測」である。「どのWebページが最もダウンロードに寄与しているのかということをきちんと計測する。そのデータをもとに更に最適化する、それがWebサイトのうまい使い方である」と坂田氏は語った。 資料請求バナー_記事下

Web集客を検討しているならば、PWAを検討するべき

メルカリでは日本のほかにアメリカにも拠点がある。2つを比較すると、集客施策やコンテンツ最適化が強いのはアメリカの方であるという。日本でも最近始まった「Search Ads」など、アメリカではすでにサービスが開始されている環境でノウハウも溜まっていることから、日本では勝てない理由が存在する。 そのなかで上手くやっているなと思ったのは「PWA」である。日本ではPWAを導入するか・しないかで議論が起こっているが、「少なくともWeb集客が大事だと思われているのならば、PWAの検討をしたほうがいい」と坂田氏は解説した。 「三角形のピラミッドをイメージすると、一番上はロイヤルユーザー、ここは『アプリ』を使ってもらいます。まだメルカリのサービスを知らない方は『Webサービス』ですね。その中間を埋めるのが『PWA』と思っていて、PWAの良いところはプッシュ通知が配信できるところですね。プッシュを上手く使えるのが大きな特徴です」。

ユーザーテストを行って使い勝手の改修も行う

もちろんこれらの集客だけではうまくいかないと思っている。集客以降、メルカリアプリの使い勝手にも取り組んでいる。実際、お客様をお呼びして、メルカリを使ってもらうユーザーテストも頻繁に行っている。さらに、UIの改修やプッシュ通知のABテストも行っているそうだ。 「やはり担当する人間が中身を知らないと最適化は絶対に進まないなと思っていて、ユーザーに何を学ばせるか、UXとして何をフィードバックするかが大事です。メルカリではインハウスを徹底的に進めていってそれを適切にやっていきたい」と語り、講演は終幕した。 【関連情報】データドリブンの活用事例。リクルートやメルカリが実践するオフラインデータの活用法、骨太な組織の作りかた https://moduleapps.com/mobile-marketing/12407rpt/

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