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「プッシュ通知を適当に送っても効果は出ない」モバオクが語るプッシュの配信タイミングや文字、画像、絵文字の使い方

 Post by MML編集部

2004年からサービスを開始しているオークション・フリマアプリ「モバオク」は、昨年からプッシュ通知を開始。 ユーザーの課金率が3倍に増加するなど、サービスの課題が一気に解決できた。 今回取り組んだ方法から、言葉や画像、絵文字の組み合わせ方など、運用して分かったプッシュ通知の改善事例を披露する。

株式会社ディー・エヌ・エー 小田切 航平氏

本記事は、富士通クラウドテクノロジーズ、Repro、フェンリルの3社主催、大塚製薬の協賛で行われた「『ぷっ』しゅま ~プッシュ通知ノムコウ」より、ディー・エヌ・エーの小田切 航平氏から「老舗Webサービスが課金コンバージョンを3倍改善させたノウハウ」と題した講演の模様をお届けする。

プッシュ通知を開始してユーザーの課金率が3倍に

今回はKDDIとディー・エヌ・エーが共同で運営しているオークション・フリマアプリ「モバオク」におけるプッシュ通知の取り組みについて語る。 モバオクは2004年からサービスを開始、スマホアプリを公開後、プッシュ通知の本格運用は2016年から開始した。

プッシュ通知をやり始めた結果について小田切氏は「ユーザーの月額課金率が今までの3倍になりました。もちろんさまざまな施策を行った結果そうなりましたが、その中でもプッシュ通知の効果が半数以上あったのかなと思う」と話す。 リアルタイム性を活かして効果的な施策を打てたことが、大きな要因であると語った。

オークションイベントの課題が一気に解決

モバオクは「1円オークション」などのオークションイベントを開催しているが、プッシュ通知を開始する以前は、いまいち盛り上がっていなかったという。 そもそも、オークションイベントは開始直後が一番盛り上がるタイミングなのだが、開催時間に来てくれるユーザーは限られてしまう。

その後、プッシュ通知を開始したところ、その課題は一気に解決した。 イベント開始直前にプッシュ通知を配信すると、数十秒後には数万単位のアクセスに変わり、オークションが一瞬で終わるなど、大いに盛り上がる結果となったという。

また、当日の夜に行うイベントを昼間に告知をした。「メールだと厳しいところがあったのですが、プッシュ通知はその場で見てくれる人が多いので、こういう当日の告知というのがプッシュならでは」と語る。

メールだと厳しいという点について小田切氏は「ガラケーの場合は良かったのですが、スマホの場合Gmailとかすぐに読んでくれないところがあって、それで昼を逃すと夕方ってそんなの読んでくれる人が少なくなります。プッシュ通知だと当然、その瞬間に見てくれる人がいるので、効果はケタ違いですね」と話した。

最もコンバージョンの高いプッシュ通知は?

それで最もコンバージョンの高いプッシュ通知は、「自分で配信登録したプッシュ通知」であったという。 そのため、「お客様が事前にカレンダーを確認して、自分でリマインダー登録してくださいとアナウンスしたらコンバージョンが上がりました」。

結論として、アプリのプッシュ通知に関しては、その特性を活かせれば非常に効果的である。 特にリアルタイム性を活かせるようなアイデアがあれば、是非トライすべきであると小田切氏は語った。

プッシュ通知をリアルなコミュニケーションに例えると?

「モバオクの配信担当者が、『基本的にプッシュ通知って、肩ポンポンして、ねえねえ○○って知ってる?ぐらいですよ』という話をして、それは何なの?と聞いたら『結構プッシュ通知って強引ですよね、ノリとしてはこの感じ、伝えられるのはこの程度です』ということで、なるほどと思いました」。つまりプッシュ通知とは“呼びかけ“なのだという。

プッシュの運用をしていると、開封率やコンバージョンを上げるためにABテストを行いたくなる。 「ABテストを考えるときは、基本的に伝えたいことと、固有名詞や絵文字、画像の組み合わせなので、この3つをどういうふうに組み合わせるか、最適なパターンを編み出すというのが基本的な組み方」だと説明した。

「伝えたいこと」と「固有名詞」とのバランス

プッシュ通知の文字数は非常に限られるので、「固有名詞」をうまく利用することは重要だ。 固有名詞とは「プレステ4」や「iPhone」といった言葉を示す。 固有名詞はとても注目されるので、それを先に言うか、後に言うかによって、開封率やコンバージョンに違いが出てくる。

「画像」や「絵文字」の活用方法

絵文字や画像は、固有名詞のイメージがより湧きやすいよう補強することが必要である。 または感情を乗せるために、絵文字や画像を使用していく。

画像を掲載できる「リッチ通知」の場合、基本的に開封率が上がると言われている。 モバオクの場合、「プレステ4」のような、誰でも分かる画像を掲載すると、開封率は下がり、コンバージョンが上がるそうだ。 それなら「ニッチな商材」を掲載すると、開封率もコンバージョンも低くなってしまう。

つまりユーザーは、掲載された画像をパッと見ただけで、その情報に興味があるか、興味がないかを自動的に選別してしまうらしい。

絵文字の場合は、画像と同じように、固有名詞のイメージを補足する役割で使用できる。 そのため、言ってほしいことに感情を乗せることができる。

ただし、毎日プッシュを配信している場合に対しては、絵文字すらも入れず、シンプルなバージョンがいいこともあるそうだ。

ABテストを行うコツとして、「ユーザーとの関係性」や「アクションのハードル」によって、最適な掛け合わせを見つけることが必要であるという。 モバオクの場合、以下のようなマトリックスとなった。

「まだきちんと掴めていませんが、画像やリッチ通知、絵文字は使えばいいというわけではなくて、例えばユーザーとの関係性が近い人は文字数も短くてシンプルのほうが最適というところがあって、このへんは関係性を見ながらABテストを回していってほしい」と話し、講演が終了した。