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「10代が最もマクドナルドアプリを利用すると思っていた」App Apeで分かった日本のアプリ市場規模と利用者の推移

 Post by MML編集部
6月7日から6月9日まで、ナノオプト・メディアが主催する「Interop Tokyo 2017」が開催された。フラーの按田 洋平氏より「2017年アプリ市場のこれから O2Oアプリ最前線 今年取り入れるべき○○という施策とは」というテーマで、アプリ利用者の現状とここ数年伸びてきているO2Oアプリの動向や、今後取り入れるべきアプリのKPIについて語った。
フラー株式会社 ビジネスマネージャー エヴァンジェリスト 按田 洋平氏
フラーは、視聴率調査のアプリ版サービス「App Ape」を提供している。App Apeでは3万人のモニターが利用するスマートフォン端末より、いつ、だれが、どのくらい、どのアプリを利用したのか集計している。アプリ開発事業者のほか、広告代理店、メディア、金融機関など約3,000社以上が導入している。 App Apeが提供するデータは、そのアプリの「想定ダウンロード数」や「ユーザー属性」「時間帯別アクティブ率」、ヘビーユーザーやライトユーザー、休眠ユーザーなどの割合が分かる「利用頻度別ユーザー比率」などを提供している。

アプリの増加率と利用者数には大きな開きがある

Google Playストアのアプリは、2016年で50万件近く存在し、2年間で130%も増加している。一方、ユーザーが所持しているアプリ数は2016年で70個、そのうち1か月に1回以上利用したアプリは29個存在し、2年間で21%しか増加していない。 「ここで何が言えるかというと、増加率には大きな開きがあります。ものすごい数のアプリがストア上で公開されていますが、ユーザーが利用するアプリはそれと同じように伸びているわけではありません。そのため、ユーザーへのPR競争は激化していると言えます 」と按田氏は説明した。

ユーザーはインストールした数だけアンインストールする

続いて、アプリのインストールとアンインストールの関係について調査。1か月のうちアプリをインストールされている数は2014年から2年連続で平均1.4回。同様にアンインストール数も2年連続で平均1.4回だった。2016年に入ってPR競争が激化した影響もあり、インストール数は平均4.7件、アンインストール数は4.6件となった。 公式発表でアプリダウンロード数〇〇件突破と出ている数値は、実際のアプリ利用者と乖離する傾向が強くなっている。つまり「いくらダウンロードされても、実際には使われないケースがすごくある。競合分析をする際は、利用者数を収集して分析する必要があるのではないか」と話す。

非ゲーム系アプリの利用者数が年々増加

ゲームアプリと非ゲーム系アプリで、月間の延べ利用者数の推移を調査した。全体的に利用者数は増加傾向であり、特にゲームアプリよりも、非ゲーム系アプリの伸び率が優位になっている。

そしてO2Oアプリは2年間で43%も増加

O2Oアプリの動向について調査した。Google Playストアに存在する、実店舗を持ったO2Oアプリは2017年4月時点で約110個存在しており、2014年から43%増加している。 続いて、Androidアプリの月間利用者ランキングを調査した。これを見ると、マクドナルドの月間利用者は想定262万人と圧倒的に多く、2位GUが121万人と3位UNIQLOが103万人を合計しても、マクドナルドに届かないことが分かる。 総合ランキングトップのアプリとそれ以外のアプリは、どこに違いがあるのだろうか。マクドナルドにフォーカスして、ハンバーガーチェーンを代表する3社の違いについて調査した。

10代が最もマクドナルドを利用すると予想していたが…

利用者の男女年代別構成比を調査した。男女を上下に分け、青色がマクドナルド、赤色がロッテリア、緑色がモスバーガーの割合となる。「もしかしたら利用者の構成が全く違っていて、例えばマクドナルドは10代の割合が多く、10代はお金を持っていないからアプリを使うのだろうなと予想していましたが、実際見てみると違っていました」。 マクドナルドやロッテリアは、女性30~40代の利用者が最も多いということが分かった。その理由について按田氏は、子供連れの女性がアプリを利用するから、結果として多くなるのではないかと予想する。クーポンがあまり発行されないモスバーガーは男性の30代が多かったが、結果としてどのアプリも大きな差は見られなかった。

マクドナルドは休眠率の低さが特徴

次にAndroidアプリの月間利用者を調査した。所持ユーザー数と月間利用者数を比較するとどのアプリも大きな差があった。では逆にアプリを持っているけど利用していない「休眠率」を集計したところ、一番少なかったのがマクドナルドで41%だった。 「利用者数との差は大きいのですが、マクドナルドは休眠率の低さ、つまり毎月60%の人がアプリを起動しているのですね。これはすごいことで、休眠率の低さは何か特徴があるのではないかなというところが見えてきます」。 これをAndroidアプリの月間利用者ランキングに当てはめると、上位にランキングされているアプリはおもに、休眠率が低いことが見えてきた。ランキングに入るアプリは休眠率が45前後で、特にGUは休眠率が30%と他と比べてかなり低い。 ただしヤマダ電機のように、来店頻度が低い業態は、休眠率が高くなってしまう傾向にある。そのため、業態全体の休眠率はどれくらいあるのか、あらかじめ知っておかないと、間違った判断をする可能性があるという。

休眠ユーザーを復帰させる秘策

では、休眠ユーザーを復帰させるためにどのような施策を行えばよいのだろうかまずはプッシュ通知を打つべきだと按田氏は語る。マクドナルドでは、LINE公式アカウントでプッシュ通知を配信すると、通常の3倍以上のアクティブ率が増加することが調査をして分かった。 「通常の公式アプリからのプッシュ通知ではなくて、LINE公式アカウントからプッシュ通知を打つとアクティブ率が増加し、休眠ユーザーがすごく復帰します。公式アカウントお持ちの方はお試しください」と説明した。

いかに休眠ユーザーを復帰させるかが大事

まとめとして、「O2Oアプリは、実店舗を活用して店内の告知やクーポンなどの特典を付与することで、他のアプリと比べても容易にダウンロード数が伸びやすいジャンルだと思います。しかし重要なことは、インストールされたアプリをどのように再び起動してもらうかです」と語る。 マクドナルドの事例からもわかるように、O2O系で最初のクーポン利用以降、休眠してしまいやすいアプリの場合、あえて通常の公式アプリのチャネルを使わずに、普段ユーザーがよく利用しているLineを利用するなど、より一層の工夫が求められます」と語りセミナーは終了した。

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