広告予算をアプリへシフトした。カーセンサーがアプリプロモーション事例を語る

 Post by MML編集部
本記事は、3月9日に開催されたRepro(リプロ)とセプテーニ共催のイベント「Growth Hack Talks3 成功企業から学ぶアプリマーケティングの最新トレンド」より、リクルートマーケティングパートナーズの中村 与希氏の講演「カーセンサーのアプリマーケティングへの取り組み」の模様をお届けする。
株式会社リクルートマーケティングパートナーズ ネットビジネス本部 中村 与希氏
リクルートマーケティングパートナーズは、「ゼクシィ」「スタディサプリ」「カーセンサー」など、ライフイベント領域の事業を展開している会社。「カーセンサー」では、広告を掲載していただけるクライアントと、そのジャンルに興味があるカスタマーの両者をつなげる送客ビジネスを行っている。つまり、「お問い合わせされたユーザー数の増加」ならびに「マッチングの最大化」がミッションとなる。 カーセンサーは、車を探しているメディアと車を売りたい販売店をつなげるマッチングメディアである。2010年10月に公式アプリを公開し、現在まで運営を行っている。ユーザーから「検索機能の使いやすさ」をメインに高い評価をいただいているという。

分析して分かったアプリの特徴

広告接触後の継続利用率について、PCサイト、スマホサイト、アプリの3つを対象に調査したところ、6か月のPCサイトやスマホサイトは5%を推移しているのに対し、アプリは20%をキープしており、アプリは継続利用率が高いことが分かったという。 続いて、1ユーザーあたりのセッション数とPV数を調査すると、スマホサイトとアプリを比較した場合、セッション数は3.5倍、PV数では12.2倍の差が見られた。 最後に、広告接触からアクションまでのリードタイムを、PCサイト、スマホサイト、アプリの3つを対象に調査したところ、アプリのリードタイムが非常に長かった。「時間の経過とともにアクションが積み上がって半年後でもアクションが出続けるという、他のデバイスでは見られない動きをするのがアプリの特徴」と中村氏は説明した。 つまり、「アプリはLTVが最も良いチャネル」であると社内では評価していると中村氏は語る。このような結果から、プロモーション予算の割合をアプリプロモーションに寄せているそうである。

カーセンサーのアプリプロモーション事例

では具体的に、どのようなアプリプロモーションを実施されているのだろうか。1つ目は、カーセンサーのスマホサイトを利用しているユーザーにリターゲティングを行い、アプリのダウンロード数を促す広告を配信している。 「調査していたら面白いことが分かりました。カスタマーがアプリをインストール数は 1領域 1.9個以下というデータがあります。例えばブラウザの場合、あるキーワードで検索すると自社なのか、競合なのか、どこへ行くか分からないという競争が起きるのですが、アプリの場合は1回インストールされれば競争が起きない環境のなかで、カスタマーとの接点が持てるというのは大きな利点」だと語った。 そのほかアプリをダウンロードされたユーザーに、アプリ内の物件閲覧履歴を活用して、他のサイトやアプリに訪問した時、類似物件を表示するレコメンド広告を掲載している。

アプリプロモーションで気をつけるポイントは?

アプリプロモーションを行う際、気にするポイントとして広告運用の際に根雪(後ノリコンバージョン)を加味することであると中村氏は話す。 「当月で見て今月いくら使って、何件アクション出たんだと判断してしまうと、半年で出るアクションのうちの20%しか獲得できなくて、このチャネルを過小評価してしまう可能性があります。アプリはアクションまでのリードタイムが長く、ドメインによってもリードタイムに違いがあるので、運用される際には領域ごとに見極めながら運用される方がいいのではないかなと思う」と説明した。 「アプリは他デバイスと比較しても、アクションシェアは高くかつ伸びています。そしてアプリは継続利用も高く、数か月経過してもアクションが出続けるのでLTVが高い。そして、アプリの広告運用時には、LTVを加味した運用をして獲得効率を上げる必要がある」とまとめセミナーが終了した。