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アプリを活用してビジネスを促進させる5つのステップとは?App Annie滝澤氏が事例を交えて解説

 Post by MML編集部

本記事は、2月22日に開催されたApp Annieが主催するイベントDECODE「スマホファースト時代の最新アプリマーケティングセミナー」より、App Annieの滝澤 琢人氏の講演「効果的なアプリ展開のための市場データ活用のポイント」の模様をお届けする。

App Annie 日本・韓国カントリーディレクター 滝澤 琢人氏

App Annieは、世界中のアプリデータを収集し、そのデータを活用した市場データ・分析ツールを提供する企業である。世界のアプリ収益トップ100社のうち9割以上がApp Annieを利用している。

アプリで何かをやりたいという企業からの問い合わせで、「何から初めていいのかわからない」「いろいろな課題があってどうやって整理したらいいのかわからない」という話をもらうことが多いという。このような企業側の課題を踏まえ、今回App Annieは「アプリを活用してビジネスを促進するための5つのステップ」について事例を交えながら解説を行った。

アプリビジネスを促進する5つのステップ

アプリを活用したビジネス促進を考えるとき、5つのステップに分けポイントを整理するとわかりやすい。まずはモバイル市場でどんな変化がおこっているのか、市場の理解・発見にあたる「DISCOVER」。次に、モバイルアプリを活用した自社のビジネスを企画し、戦略立案をする「STRATEGIZE」、アプリの新規ユーザーを獲得する「ACQUIRE」、獲得したユーザーに対してアプリ上でエンゲージメントを促進する「ENGAGE」、最後に、モバイルのタッチポイントを活用して収益を拡大する「MONETIZE」というステップに分けて考えていくとアクションプランを組み立てやすい。

1.市場の理解・発見

市場の理解や発見の必要性について滝澤氏は「これからアプリをやっていく企業は、『何でこれからアプリやるの?』という社内の関連部門や、経営層からの疑問に答えていく必要がある。そういったところで事業インパクトをきちんと見極め、データに基づく説明をするために、市場データを活用する必要がある」と説明した。

2.企画・戦略の立案

次に、アプリの活用へと動き出すタイミングで、どのようなアプリを開発するべきか、なぜそのアプリが必要なのか、どれくらいの事業インパクトが見込めるのか、プロジェクトの成功を測定するKPIは何を基準に設定すべきかといったことを検討する。

玩具メーカーのMattel社は、機関車トーマスやバービー人形、UNOなどのライセンスを保有している企業。子供が成長していくに伴い玩具を購入しなくなり、ブランドとの接点が減っていくことが課題だったという。そこで、「どうやってアプリを通じてユーザーを継続的に惹きつけていったらいいのか、また、全世界の市場を見たときに、どこにチャンスがあるのかをきちんと捉えたいというところで、App Annieのデータを使って市場参入の意思決定を行っている」と滝澤氏は説明する。

3.アプリを使った新規ユーザーの獲得

アプリのリリース後は、アプリのダウンロード数増加を目指すためには何が必要なのか、 テレビCMがどれくらいダウンロードにつながるのか、デジタル広告でどのようなクリエイティブやチャネルが有効なのかを検討することが必要である。

例えばApp Annieを利用すると、大手アパレルメーカーのアプリを使っているユーザーが他にもどんなアプリを使っているのか関連性を見ることができる。すると、アパレル系アプリと決済系アプリとの親和性が高いとか、ポイントアプリ、ビューティー検索アプリとの親和性が高いといった情報が確認できる。これによって新たな潜在顧客は、普段どのようなサービスに触れていて、どうすれば、そのユーザーにアプローチすることができるのか、という仮説を立てることができる。

また、App Annieでは全世界のモバイル広告を毎日5万クリエイティブ収集している。どのようなアプリが、どのようなクリエイティブ広告を提供して、どの程度ダウンロードが促進されたのかが管理画面上から分かるため、どのような広告が好まれるのか仮説を立てることもできる。

4.アプリ上でのエンゲージメント促進

アプリをリリース後、どうやってアプリを継続的に使ってもらうか、起動していないユーザーをどうアクティブ化するかといったエンゲージメント促進の方法についてこの段階では検討する。

例えば、フリマアプリのメルカリは、リテンションを重要なKPIとして設定しているとのこと。リテンションとは、例えば今日100人ユーザーを獲得した場合、1週間後(もしくは1か月後)何人残っているのかという数値のこと。競合アプリのアクティブユーザー数、滞在時間、ユーザー利用率といった複数の指標をかけ合わせて、何がリテンション向上につながるのか分析を行い、自社の施策の参考として活用しているという。

5.モバイルでのタッチポイントを活用した収益の拡大

最後のパートでは、アプリによってどれくらいの売上拡大が見込めるのか、アプリからの直接的な収益を求めないケースでも、事業に貢献するKPIをどのように選べばよいのか、どのような施策が、モバイルユーザーを経由した収益に影響するのかを検討する。「アプリってどれだけ投資した価値が見込めるの?という話、どうしても出てきます。これらをこのパートで考えます」と説明した。

ここでは自社の事業に貢献するKPIが何なのかを見極めることが重要だとした上で、「例えば、無印良品では、1会員あたりの年間の店舗での購買回数に基づきDAUやWAUではなくMAUをアプリのKPIとして捉え、他社と比較しているそうです。」と説明した。

「5つのステップを説明させていただきましたが、各ステップにおいて、正しい打ち手を選択するためには、競合を含めた外部環境にも目を向けていただいて、今後どういった戦略を立てて行けばいいのかというところを考えて頂きたい」と話しセミナーが終了した。