前回は、ネットで
注文しない人の心理効果について解説しましたが、今回はこれとは逆に店舗で購入する消費者の心理をチェックしてみましょう。
ネットでの購買行動とは異なり、店舗では実際に商品を目にすることができます。商品によって異なりますが、五感で接することになるわけです。ここで消費者は、思いつきにより、衝動買いの消費者行動に走ります。
これを裏付ける調査資料があります。少し古いデータですが、2006年の
東急エージェンシー調べによると、店舗内で商品購買を決定する「非計画購買」の割合は全体の65.2%とかなり高い割合です。
これらの内容から、衝動買いの消費行動が店舗で発生する可能性が高いことを裏付けています。
ザイオンス効果
ザイオンス効果とは、最初は何とも思っていなくても、接触回数が増えれば増えるほど、回数に比例して、対象相手の印象が良くなる効果をいいます。店舗であれば、顧客対応の良さに加えて、特典を付与することで、来店頻度を上げ、店舗に対する信頼感を確実なものにしていく手法が考えられます。
バンドワゴン効果
バンドワゴン効果とは、行列のできる店についつい列びたくなる群衆心理の一種で、人気があれば、信頼できるという作用が消費者に働きます。ネットであれば、口コミサイトの消費者のレビュー数を媒介として購入心理に影響を与えますが、実店舗の場合は、「売上No.1」や「テレビで話題沸騰」などの効果的なコピーとともに、店頭のポップで訴求します。
返報の法則
一般的な感覚の方であれば、知人からプレゼントをもらったら、お返しをしなければいけないと思うはずです。その心理を消費者行動へ利用するのが、
返報の法則です。例えば、化粧品を買いに行くと、試供品やコスメグッズなどのオマケをくれる無料のものであることは理解していますが、親切さから他店で購入するのは申し訳ないと思い、継続的に購入するパターンです。
スーパーでの試食品はその場での購入を促し、季節ごとのクリーニングの預かりサービスなども、実店舗でのリピーター確保のために、この法則を活用したものです。
極端の回避性
松竹梅効果ともいいますが、3種類の価格帯がった場合まん中を選択する行為です。店舗に自社製品が並んだ際に、競合地社との価格と対比し、自社製品の価格を決定する際に、この行動心理を活用します。自社でプライベートブランドを提供している店舗では、これを避けてプライベートブランドだけで陳列するか、価格帯を中間から低価格へ設定しているケースも見受けられます。
希少性の原理
希少性の原理とは、残りが少ないものは今買わないとに度と手に入らなくなってしまうと思う心理効果です。「残り僅か」や「在庫僅少」、そして「限定品」などのポップで消費者へ希少性を訴え、購買行動を促します。
エピソード記憶
エピソード記憶とは、自らが体験した時に記憶される効果をいいます。例えば、発売中止していた清涼飲料水を「懐かしのあの味が復活」というコピーとともに、「希少性の原理」を利用して、8月中限定で発売したとします。消費者は、懐かしい味覚と限定品である希少性から、ダブルパンチの購買心理効果を受けて購買行動へと促されます。
いかがでしたでしょうか。今回は消費者に衝動買いを促す心理効果をまとめてみました。店舗のレイアウトやポップ制作時に役立てていただければ幸いです。