アプリ活用で会員情報の統合に成功!

ミズノ株式会社

古城 里江子 氏
小森 誠之 氏

総合スポーツ用品メーカーとして、数多くのスポーツ用品の販売やスクールを運営するミズノ。

今回は、ミズノ株式会社の古城様と小森様に、ModuleAppsでのアプリ開発の決め手やアプリ公開後の変化、公式アプリを活用した具体的な改善事例についてお話を伺いました。

課題 ・会員証カード運用における人数の伸びと、オンタイムでの情報提供
効果 ・利便性向上でアプリ会員数20万人達成
展望 ・お客様一人ひとりに対する情報配信の精度向上

ばらばらだった会員情報をアプリで統合!セグメントに合わせたプッシュ通知も可能に

――MIZUNO公式アプリについて

古城様|スポーツやライフスタイルに関する情報をお届けする他、直営店やミズノ公式オンラインでのお買い物をサポートするアプリです。

今は複数の機能があるアプリですが、会員証発行と新製品告知のみの簡単なアプリとしてスモールスタートし、そこから細かいバージョンアップを繰り返しました。JANコードでの商品検索や、アプリからの購入を進めるにあたって、CLUB MIZUNO会員(オンライン会員)と店舗のポイントカードを統一できるようになったことで、アプリの利便性が高まってきたと思います。

小森様|MA(Marketing Automation)ツールを使ったメールの配信は今までも行っていたのですが、MAのセグメントに合わせてプッシュ通知も送れるようにした点が進化した部分かと思います。

古城様|CLUB MIZUNO会員(オンライン会員)とオフラインの店舗ポイントカードの会員様を統合したのが2020年の12月でした。その時まではインターネットでの購入によるポイント付与と、店舗での購入によるポイント付与はバラバラで運用していました。それを1つにして双方で使えるポイントに変更しました。会員組織を1つに統合したことで、管理も1つのツールで行えるようになり、お客様にとっても使いやすいアプリになったと思います。

弊社の直営店は全国に20店舗以上ありますが、お客様がミズノ公式アプリを使ってネット及び店舗のどちらでも購入できるようになり、さらにそれらが可視化できるようになったことは大きなメリットだったと思います。

ミズノアプリ導入事例1

豊富な知識と、親身に寄り添ってくれたのが決め手

――ModuleAppsでのアプリ開発前の課題

古城様|アプリ開発前は、各店舗が配布している物理的なポイントカードのみで運用しており、お客様にタイムリーな情報発信ができませんでした。年に数回、郵送物を送っていたのですが、それには時間やコストが多くかかってしまう。さらに、郵便物だけではお客様に見られたかどうかわからないので、費用対効果としてどうなのかと、ずっと疑問に感じていました。

――アプリ開発の経緯

古城様|スマートフォンが普及し、時代に沿ったアプリを開発すれば、アプリを用いて情報を発信し、その情報がお客様に到達したかどうかがわかることに加えて、会員登録の伸び数も可視化することができるので、より効率的にお客様の役に立つ販促活動が行えると考えました。

また、今まではポイントカードを作るために入会申込書にたくさんの個人情報を書き込んでいただく必要があり、店舗において従業員にもお客様にも多くの手間がかかっていました。ポイントカードの情報をアプリですぐに出せるようになったことで、お客様がカードを持って行かなくてよくなったことはアプリを開発した利点の一つだと思います。お客様にアプリでポイントカードを発行してもらった上で後からゆっくり CLUB MIZUNO会員になるための個人情報の登録や、購入履歴の閲覧をアプリを通じて行っていただくことができます。オンタイムでポイントカードを発行する手間を軽減できたことが開発のポイントです。

――他社アプリ開発サービスとの比較

古城様|アプリの開発は、複数社の候補から選びましたが、そもそも弊社がアプリに対する経験値を全く持っていなかったので何を選定基準にすれば良いのかもわかりませんでした。もちろん費用などの面もありますが、1番は弊社の理解度を優先し、こちらがやりたい事と照らし合わせた上でどこまで実現できるのか、しっかりと相談してくれることをポイントにしました。そして、元々アプリにいくつもの機能(モジュール)があるのなら、改めて開発しなくて良い項目もあるので、利用できる機能は使いたいという思いがありました。

――ModuleAppsを知ったきっかけ、DearOneを選んだ決め手

古城様|様々なシステムベンダーの方とも相談した中で、DaerOneさんは知見があり、こちらの相談内容を1番理解し、やりたいことに対して良い案を提案していただけました。最終的にはDearOneさんのご提案と弊社の業務や運用上の要件の親和性が高かったことが決め手となり、DearOneさんを選びました。

――アプリ開発中に苦労した点

古城様|当時は私自身もアプリの開発が初めてで、別の会社のアプリをあまり使ったことがなかったため、どれが使い勝手が良いのかなど、わからない点がありました。また、アプリ開発途中もユーザーに受け入れられるものにするにはレイアウトや使い勝手をどうしたら良いのかとても悩みました。案を数パターン作ってみても、それが事業者目線で使い勝手が良いだけなのか、お客様からしても使いやすいのか分からなくて、最終的にはDearOne様からのアドバイスと社内の複数の意見をもとに選定しました。

ミズノアプリ導入事例2

買い物の煩わしさを解消!アプリ会員20万人、MAU5万人達成

――アプリ公開後の効果やお客様の反応

小森様|自分やミズノ社内のマーケティング担当が何かアクションを起こすと、すぐに管理画面でお客様の反応が良いか悪いかを確認できるので、アプリを通じてお客様の反応を得られることはやりがいに直結する様に感じます。

また、新商品の情報はお客様の関心事や注目の的になるので、こちらのアクション経由で商品を買ってもらえた時にはこのタイミングで案内ができてよかったなと思います。最近だと、MORELIA(モレリア)という35年以上歴史のあるサッカーのスパイクの情報を発信したタイミングで多くの方にサイトにアクセスいただけたことが嬉しかったですね。

――アプリ活用前後での変化

古城様|お客様自身がポイントカードを持たなくてよくなったことによるお客様の手間の軽減や、アプリを持って画面をかざすだけでポイントやクーポンの利用が出来ることによるレジの待ち時間の軽減などが店舗での変化ですね。人気商品が販売開始になったときには店舗にお客様がたくさん集まることもあり、その際にレジで何分・何十分もお待たせするわけにはいきません。以前はレジで紙に会員登録に必要な情報を記入していただいている間に他のお客様を待たせてしまうということが多くありましたが、現在はアプリをダウンロードしていただければ、レジを待っている間にでも会員登録ができます。

また、これまではCLUB MIZUNO(オンライン)のポイントと店舗カードのポイントは別管理されており、別々の有効期限があったのですが、ポイントをアプリに統合した時に、どちらで買い物しても最終使用から1年の有効期限に変わったので、お客様にとっても分かりやすくなりました。

弊社はメールマガジンに対する反応が良いお客様が以前から多くいらっしゃいました。しかし、昨今は数あるメールの中から弊社のメールマガジンを見ていただける機会は少なくなっています。また弊社は多くの種目用品があるので、メールマガジンにいろいろなコンテンツを掲載すると、どうしても埋もれてしまう可能性があります。その点アプリではプッシュ通知を用いて、お客様に適した情報をピンポイントに届けることができるので、アプリならではのメリットだと感じています。

小森様|店舗限定の少人数のイベントなどは、制作運用の工数が掛かるためメールマガジンでは発信できないことがあるのですが、アプリであればすぐにコンテンツを登録してプッシュ通知を送ることができます。アプリではHTMLやCSSの知識も不要ですし運用的にもアプリは負担が小さいと思います。

――アプリ活用での改善の事例

古城様|物理的なポイントカードの場合、店舗に1年間来店されなかった場合、会員資格が失効する形式を取っておりましたが、アプリの場合は、お客様がアプリを持っている間はずっと会員とみなす様にしています。機種変更をされた場合でも、同じ会員番号を引き継ぐことが可能です。ポイントカードの場合は、紛失してしまうと別の会員番号で再発行するしかなく、ポイントも利用できなかったのですが、アプリの場合はその様な心配もありません。

小森様|ボリューム的な話をすると、50万人程いたポイントカードの会員のうち、20万人ほどがアプリの会員に移行してくれています。その中で、月間を通してアクティブな会員が4〜5万人程いるイメージです。

古城様|アプリを導入した当初は、店舗の従業員が物理的なポイントカードに慣れていたこともあり、アプリへの移行率は低い状態でした。しかし、店舗スタッフと協力し、改善したことで伸び率は少しずつ上がっていきました。加えてポイントの統合をおこなったことで、店舗のスタッフもアプリへの移行を後押ししやすくなったこともあり、2021年の1月頃から移行率はぐっと上がりました。これからもまだまだ伸び代はあると思います。

小森様|各店舗で月にどれくらい新規会員登録して頂いたかの数字が確認できるので、店舗ごとのグラフを出して、実績のある店舗のやり方を横展開していきたいと考えています。また、アプリをダウンロード頂くことで、レジ客単価や年間購入金額が向上していく傾向も現れており、今後もアプリのダウンロードとCLUB MIZUNOの会員登録を促進していきたいと思います。

古城様|店舗に来て頂いて商品を買っていただくことは弊社としては非常に大切な機会なのですが、ご来店いただいて時間も手間もかかるようではお客様にとってメリットが無いので、簡単に買い物ができるようになることがお客様にとってもスタッフにとっても1番だと思います。

小森様|店舗のスタッフも、店舗で買ってもらった後にオンラインに繋げることを意識してくれており、店舗経由の公式オンラインの売上にも繋がっています。

古城様|弊社は様々な競技の用品を多く扱っているので、それらを弊社で購入していただいている方々にオンタイムの良い情報をピンポイントで発信していきたいという思いがあります。それが少しでもお客様の気づきになって、また弊社を利用していただける様になればとてもありがたいです。

小森様|
最近は用品だけでなく、卓球教室やスイミングスクールなどいろいろなスポーツサービスを提供しているのですが、過去に卓球用品を購入いただいたお客様に、元日本代表選手がコーチとして参加する卓球教室の案内を送るとやはり良い反応が得られます。この様にピンポイントで情報を発信できる精度が上がれば、それが弊社の強みになるのではないかと思っています。

ミズノアプリ導入事例3

よりセグメントを細分化し、会員ロイヤリティの向上を

――今後リリース予定の新機能や、改良していきたい点

小森様|直近では、アプリを業務で利用しているメンバーがもっとリアルタイムに手間なく運用できるようにすることが課題ですし、お客様一人ひとりに合わせた情報配信の精度も更に上げていきたいです。現在は商品購入の軸でしかセグメントできていないものを、運営しているスポーツ施設やスクールの利用など、日常のスポーツ体験に即した案内が届けられるように変えていきたいです。

また、弊社はゴルフサービスも幅広く展開しており、クラブフィッティングやゴルフスクールとアプリの連携などが取れればなと思います。種目に応じてアプリコンテンツの表示や案内が変えられて、更にアプリ上の機能もユーザーに合わせて変えていくことができればベストですね。

――部署やDX全体としての今後の目標、アプリをどのように活用されて行きますか?

古城様|私の部署は国内オウンドECの拡大が大命題としてあります。お客様のLTVを高めていくために、ロイヤルカスタマーの数を増やすことに伴って顧客単価を上げることが課題だと思っています。

小森様|私の部署は、ユーザー起点におけるマーケティングやLTVの向上、またグローバルを含めたオウンドECの売上拡大を目標として掲げています。これからも、アプリをダウンロードしていただいたお客様に対して、ミズノのよさがわかってもらえるOne to Oneマーケティングツールとしてさらに活用していきたいです。

古城様|アプリで会員統合を行ってから1年経って、徐々にいろいろなお客様との接点ができ始め、店舗・オンラインを利用してくれているお客様などが可視化できるようになったので、それを横展開していくことでCLUB MIZUNO会員のロイヤリティを上げていくことが使命ではあります。

――DearOne社、ModuleAppsに今後期待すること

古城様|現状のアプリをそのままで継続利用していくつもりはなく、もう一歩踏み出したアプリの追加開発をしていきたいです。より良いアプリにするための調査などは弊社だけでは難しいので、弊社に合わせたご提案をいただければと思います。

小森様|日々の運用上での相談にも親身になっていただいていることをありがたく感じているので、これからもご支援いただきたいです。まだダウンロード数やMAUは少ないですが、逆にもっとミズノファンのアプリ利用を増やしていく余地はあるかと思います。

ミズノアプリ導入事例4