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コロワイドのLINE公式アカウント活用戦略。牛角で実施したクーポンの効果、かっぱ寿司、フレッシュネスなどLINE Pay導入事例
牛角、しゃぶしゃぶ温野菜、かっぱ寿司、フレッシュネスバーガーなど、現在54ブランド、国内約2,500店舗を展開する「コロワイド」が展開するLINE公式アカウントの活用事例。LINE公式アカウントを導入した背景とは、クリック数を上げる工夫、友だちを増やし・維持する工夫、LINE公式アカウントの効果、LINE Payの導入状況、将来の展望について具体的に解説した。
牛角ブランドの夏のキャンペーンを対象に、店舗クーポンの利用経路を調査した。最も多いのはLINE公式アカウントからの流入だった。流入経路も利用数もLINEが最も多い結果となった。ただし、ブランドやキャンペーンの種類によって割合は若干変化するため、今回、代表的なキャンペーンを例に取ったという。

株式会社コロワイド システム企画本部 システム企画部 部長 宮野 洋一氏
本記事は、LINEが主催する「LINE Biz-Day for SMB」より、コロワイド 宮野氏の講演「集客から決済まで、コロワイドが実現するLINEの店舗活用」の模様をお届けする。
コロワイドでは、各ブランドでホームページ、メールマガジン、Twitter、Facebook、公式アプリなどさまざまなメディアを展開している。今回なぜLINE公式アカウントを導入したのだろうか?
それは今までのメディアに加えて、新しいコミュニケーション手段として、マス的に大規模なリーチを取り、来店につなげるツールとして導入したのだという。まずは牛角、しゃぶしゃぶ温野菜のブランドでLINE公式アカウントを運用し、そこから他ブランドに順次導入している。
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クーポンのクリック数を上げるための工夫
では具体的にどのようなクーポンを配信しているのだろうか。今回は「牛角」を例に紹介。牛角の場合、子供から家族、高齢者まで3世代が利用するブランドで、お客様にわかりやすく、目で見てすぐにお得を感じられるクーポンを制作。価格面においても390円や半額などお客様に飽きられず、お得を感じてもらえるキャンペーンを展開している。 お客様もずっとタイムライン上に滞在しているわけではない。そのためクーポンのクリック数を上げるための工夫をされているという。1つは、メッセージ画像の内容はシンプルにすること。2つ目は、お昼休憩の時間帯(12時台)をメインで配信することである。 配信時間について宮野氏は、「私どもも通知が埋もれない時間帯、通知が開かれやすい時間帯はどこなのか検証を行っている。現在のところ、店舗の予約電話はお昼の12時台が最も多く、次に多いのは夕方の17時以降。ここが非常に多いので、タイムライン上の配信はこの時間帯を意識している」という。
友だちを増やす工夫、維持する工夫。一方で課題も
では友だちを増やすためにはどのような取り組みを行っているのだろうか。牛角では、WebページやチラシにLINE公式アカウントのURLをQRコードにして掲載している。そして増やした友だちを維持するために、配信面によって内容を変えている。 例えばプッシュ通知でのメッセージは、お客様がダイレクトにメリットを感じられるものにする。タイムライン上に流れるものは、提供する商品をきっかけに、楽しい空間を演出できるようなものを配信している。飲食ブランドのLINE公式アカウントといえばクーポンやキャンペーンが魅力なのだが、一方で大きな課題となっている。 宮野氏は「LINE公式アカウントを開設した際、割引率の高いクーポンを付けてしまうとお客様が大きく期待してしまう。私どもも連続して魅力的なクーポンを配信できるかというと難しい。お客様もクーポンを利用したいがために友だちになって、その後ブロックされた経験はあった」という。 ブロック率については運営する上での課題の1つとなっており、あるブランドによってはブロック率が50%近くになったこともある。ブロック率をどうやって軽減していくのかというのが現在取り組んでいるところだと語った。
クーポン利用数、利用経路の比較
LINE公式アカウント、自社アプリA、自社アプリBからクーポン利用数を比較すると、LINEのクーポン利用数は非常に高いことがうかがえる。LINEというコミュニケーションツールは、お客様のアクティブ率が高く、多くのお客様に届くツールだから利用数は高いのだと宮野氏は解説した。

LINE PayおよびQR決済サービスの導入状況
キャッシュレス決済について今後、需要が見込まれることから使用率も増加するだろうと判断。また政府が後押しする政策に乗り、店舗が複数の決済手段に素早く対応することが重要であるとの判断から、LINE Payの導入に踏み切ったという。 現在、コロワイドグループ全店(一部除く)でLINE Payを導入。そのほか、PayPay、d払い、Alipay、WeChat、楽天Pay、メルペイも導入済みである。店舗によっては施設管理者が指定するPOS端末を利用しなければならず、そういったところは決済サービスの導入ができない店舗もあるそうだ。 また、QR決済を導入する中で、決済事業者から「もう少し見える位置に掲示して欲しい」という依頼があり、レジ回りが乱雑になってしまった。今後は1枚のステッカーに決済手段をまとめることで、わかりやすく掲示するとともに、清潔感を保てるように取り組むという。 以下グラフは、LINE Payの導入状況についてまとめたもの。牛角、かまどか、しゃぶしゃぶ温野菜を展開する「レインズインターナショナル(RI)」、「フレッシュネスバーガー」、かっぱ寿司を展開する「カッパ・クリエイト」の3社における、LINE Payの「件数割合」と「金額割合」をまとめたもの。利用回数が多ければ件数割合が増加し、客単価が増えれば金額割合が多くなる。 それによると、LINE Payの件数割合では、フレッシュネス、カッパ・クリエイトともに約3割と最も多い状況だ。両社は1人で来店するパターンもあり、来店頻度が多い業態であるため、件数割合も伸びている。また金額割合で見るとレインズインターナショナルが37%、カッパ・クリエイトは24%と高い状況だ。両社は家族で来店し食事するパターンが多いため、客単価が高くなる状況である。