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オムニチャネル戦略やO2O事例を読み解く専門メディアモバイルマーケティング研究所

ピザーラ公式アプリ:待望の「公式」アプリはスマホサイトの表示が中心 操作性やPR面の課題と改善点とは?

 Post by MML編集部

宅配ピザチェーン最大手「ピザーラ」の公式スマートフォンアプリ

ピザーラ公式アプリ トップ

新たに公開されたO2Oアプリを紹介する「O2Oアプリニュース」シリーズ。今回は2014年5月30日に公開された「ピザーラ」の公式スマートフォンアプリ(iOS版/正式名称は「PIZZA-LA公式アプリ」)について紹介します。

ピザーラは株式会社フォーシーズが全国で551店舗(※)を展開している国内最大手のピザ宅配チェーンです。アプリの主な概要は以下の通りです。

※2014年4月 SankeiBiz調べ

公開日 :2014年5月30日(※Android版は2014年3月24日)
対応OS :iOS、Android
ストア :iOS版Android版
チェックしたバージョン:1.0.0(iOS版)
リリース :なし
紹介ページ :なし

AppStoreの紹介文は以下の通りです。

株式会社フォーシーズが提供するピザーラ公式アプリです。
アプリ限定クーポンくじやインターネット注文サービス、お得なキャンペーン情報、ご注文店舗検索をご利用いただけます。
【アプリ限定のお得なクーポンくじ!】
毎日チャレンジいただけるアプリ限定のクーポンくじをご利用いただけます。
【会員登録でお得なサービス!】
会員限定クーポンメルマガや懸賞プレゼントキャンペーンなど、
登録するだけでお得なサービスをご利用いただけます。
【ご利用に関するご案内】
(以下略)

宅配ピザ業界のアプリへの取り組み/大手では後発の公式アプリ公開

宅配チェーン業界では近年出前館」などの注文サイトを経由したオーダーが増加しています。圧倒的な集客力を持つ注文サイトは売上を確保する上で有効な手段ではあるものの、オーダー金額の5%前後が手数料としてかかり利益が圧迫されてしまう事から、各社とも並行して独自のネットオーダーを増やす事に注力してきました。

スマートフォン普及に伴いその流れは公式アプリの分野にも及んでおり、2010年3月には業界3位のドミノピザが、2013年3月には業界2位のピザハットがそれぞれ公式アプリを公開しています。

ドミノピザ公式アプリ

?ドミノピザ公式アプリ

ピザハット公式アプリ

ピザハット公式アプリ

今回ピザーラの公式アプリは、大手3社の中で最も遅いリリースとなったようです。リリースに至ったきっかけの一つには、2014年1月に話題となった「偽アプリ」の騒動(以下リンク参照)が少なからず影響していると推測されます。この件については次回のブログでも別途触れてみたいと思います。

参考:「ピザーラ公式ではないiPhoneアプリにご注意下さい!

アプリの独自機能は「クーポンくじ」のみ/操作性には課題も

ピザーラ公式アプリの主な機能は「注文」「クーポンくじ」「メニュー」「お店検索」の4つとなっていますが、「クーポンくじ」以外の3つはスマートフォン向けサイトをそのまま表示する形式(いわゆる「ガワアプリ」)となっているようです。

ピザーラ公式アプリ オーダー・会員登録

注文

ピザーラ公式アプリ メニュー

メニュー

ピザーラ公式アプリ お店検索

お店検索

アプリ独自機能である「クーポンくじ」機能は、3つのトランプから1つを選ぶと、ネットオーダーに利用できる「200円オフ」や「ナゲットミックスクーポン」等のサイドメニューが当たる機能です。

ピザーラ公式アプリ クーポンくじ

会員登録をしない状態でもくじを引くことが出来ますが、当たったクーポンの取得には会員登録が必要となっており、オーダー機会の促進とともに、会員登録を促すきっかけとしても機能しているようです。

ピザーラ公式アプリ クーポンくじ 当選

?クーポンくじ当選

ピザーラ公式アプリ クーポンくじ 取得

会員登録(クーポン取得)画面

くじの動作自体はネイティブ開発らしいスムーズなもののようですが、大きな課題を3つほど感じました。

1.くじを引く画面に「戻る」ボタンやタブバーがない

ピザーラ公式アプリ クーポンくじ

1つ目が、「クーポンくじ」を押すと画面下部のタブバーが無くなる他、「戻る」ボタンなども表示されず、トップページに戻れなくなる点です。くじの利用を促進する目的であえて導線を絞っている可能性もあるものの、他のアプリではまず見ない、少々ストレスを感じるUIに思えました。

2.途中で別画面を表示すると、クーポンくじの取得ができなくなってしまう

ピザーラ公式アプリ クーポンくじ また明日

2つ目が、「クーポンくじ」を引いて当たりが出た後、クーポンの取得操作をする前に別のページを表示してしまうと、上記のような画面に切り替わり、クーポン取得が出来なくなってしまう点です。こちらも、他社のアプリでは操作途中のステータスを保存している場合が一般的で(例:ビックカメラ公式アプリ)、対応が望ましいように感じました。

3.当たったクーポンの内容が会員向けクーポンの内容と同一

ピザーラ公式アプリ アプリ限定クーポン

アプリ限定クーポン

ピザーラ公式アプリ アプリ会員向けクーポン

会員向けクーポン

3つ目が、クーポンくじで当たるクーポンの内容の多くが、ネット会員に元から提供されているクーポン内容と同じものになっている点です。「当たり」のプレミア感やクーポンを引く意味を無くしてしまっていると言え、ユーザーの不満や離脱を招きかねない点に感じました。

アプリの主目的がネットオーダーの促進であり、クーポンくじは「おまけ」の位置づけだったとしても、唯一のアプリ独自機能が明らかな課題を持ったままリリースされている点は、少々残念に感じました。

アプリに対する評価は厳しい/プロモーションにも不足が

同社のアプリに対しては一般のユーザーからも少々手厳しい評価を受けているようです。AppStoreGooglePlayのレビュー欄では好意的なコメントはごく一部で、「ホームページのまま」「落ちる」「使い勝手が悪い」「ログインできない」などの不満が並んでおり、あまり良いスタートとは言えないようです。

pizza-la_review

また、ホームページ上ではお知らせ欄にAppStoreやGooglePlayへの直リンクを掲載するのみとなっており、プレスリリース等も特に配信されていない模様です。トップ下部にはモバイルサイトのバナーが設置されていますが、肝心のアプリのバナーや紹介ページ等が用意されておらず、アプリを拡げようとする姿勢が不足しているように感じます。

ピザーラホームページ トップ 公式アプリ

その為か、ネット上でも同社の今回のアプリを取り上げるメディア(ニュースサイト・アプリ紹介サイト)は殆ど確認できません。ピザーラはテレビCMを大量に放映する業界最大手であり、その存在感から比べると、今回の公式アプリ施策の反応の少なさには少々寂しさを感じます。

今後の方向性:機能・操作性・PRの改善で競合アプリのキャッチアップを

少々前のデータになりますが、注文サイト「出前館」の2012年度の決算資料によると、スマートフォンアプリを経由したオーダーは前年比10倍の急速な伸びを見せているそうです。

出前館 決算資料 スマートフォン オーダー グラフ

そのような背景の中、競合のドミノピザやピザハットは公式アプリに早期より注力をしており、ピザーラのアプリと比較し機能・完成度の面で先行しているように感じられます。今後はアプリの機能・操作性やプロモーションの面で、早期のキャッチアップが必要と言えるでしょう。

主な改善の方向性として、以下などが挙げられるのではないでしょうか。特に(1)や(2)の要素はユーザーの離脱を招きかねないものであり、早めの改善が求められます。

  1. アプリの安定性の改善
  2. 「クーポンくじ」機能周りの基本的な課題の改善
  3. メニュー情報など既存コンテンツのUI改善
  4. キャンペーン情報やローテーションバナー等アプリコンテンツの充実
  5. プッシュ通知」機能の実装・配信による、利用機会の創出

 

また、それらの改善と並行して、同社が得意とするテレビCMや折込チラシなどのペイドメディアを通じて「スマートフォンアプリを通じたオーダー」を提案し、オウンドメディアにしっかりユーザーを呼び込もうとする意識・施策が必要ではないかと思われます。

同社の今後の展開に期待をしたいと思います。