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オムニチャネル戦略やO2O事例を読み解く専門メディアモバイルマーケティング研究所

アベイルアプリ:ブランド別アプリ展開のモデルケース しまむらのアプリ戦略とその進化とは?

 Post by MML編集部

しまむらの若年層向けカジュアル&シューズ業態「アベイル」の公式アプリ

アベイルアプリ_トップ画面

今回ご紹介させていただくのは、アパレル大手「しまむら」が全国で281店(2014年6月現在)を展開するカジュアル&シューズ業態「アベイル」の公式スマートフォンアプリです。

しまむらでは2013年11月ごろに「しまむらアプリ(iOS/Android)」「シャンブルアプリ(iOS/Android)」「バースデイアプリ(iOS/Android)」の3つ(以下「先行3アプリ」)を公開しており、今回2014年6月10日に公開されたアベイルアプリが4つ目の公式アプリとなります。主な概要は以下の通りです。

■アベイルアプリ概要
公開日 :2014年6月10日
対応OS :iOS、Android
ストア :iOS版Android版
チェックしたバージョン:1.0.0(iOS版)
紹介ページ :カジュアル&シューズ アベイル – アプリ紹介MOVIE

AppStoreの紹介文は以下の通りとなります。

しまむらグループのカジュアル&シューズ Avail(アベイル)の公式アプリが登場!
トレンドコーディネートからおトクがたくさんのチラシまで、最新ファッショントレンド情報をお届けします!
【アプリでできること】
■アベちら
・Availの最新セールチラシを閲覧できます。
■STORE
・GPS機能を利用した店舗検索、フリーワード検索、都道府県検索などが可能です。
・店舗の詳細情報を閲覧することができます。
・店舗をお気に入りに登録することも可能です。
■MEDIA
・雑誌掲載情報などが閲覧できます。
■NEW COORDINATE(HOME内)
・Availおススメの最新コーディネートを紹介します。
■STYLE BOOK
・おススメコーディネートを一覧で見ることができます。
■MAKING
・モデル撮影現場の雰囲気を動画でお届けします。
■PUSH通知
・おトクな情報や、更新内容などをPUSHメッセージでお知らせします。

しまむらのアプリ戦略を反映

アベイルアプリについて説明する上で、以前の記事(前編/後編)で分析を行ったしまむらのアプリ戦略について簡単に振り返ってみたいと思います。同社のアプリ戦略の主なポイントは以下となります。

1.経営戦略を反映しクーポン値引き・商品検索・EC機能等を提供しないシンプル設計
2.アプリ公開と同時にフィーチャーフォンサイトの廃止を行いスマートフォンに完全シフト
3.共通のシステムをベースに独自デザインを加える事で、複数ブランドのアプリを同時展開
4.テレビCM等のペイドメディアでもアプリの存在をPRしダウンロード増加を図る

上記のポイントはアベイルアプリにもほぼそのまま踏襲されているようです。1.の非提供機能についてはアベイルアプリも同様であり、画面のUIの差などを除き、基本機能は先行3アプリと同様となっています。

また2.のフィーチャーフォンサイト廃止についても同様であり、同社公式サイトには5/20付けでフィーチャーフォンサイトを閉鎖した旨が記載されています。同社の主なターゲットである10代のスマートフォン所有率が約85%に上ると言われている中、妥当な判断と言えるでしょう。

アベイル フューチャーフォンサイト閉鎖(アプリ公開のため)

3.および4.については、アベイルアプリ独自に進化した点なども確認ができます。実際の画面や事例を挙げながら触れてみましょう。

先行3アプリと共通システムで開発 デザイン面に独自の進化も

まず3.の「共通システム×独自デザイン」について、アベイルの独自性も含め説明しましょう。

しまむらは共通のバックエンドシステムおよびアプリをベースとして、4種のアプリを開発していると推測されます。4アプリの画面を並べてみると、特に店舗検索などの下層メニューで、共通する画面が多い事が一目で分かります。

アベイルアプリ,しまむらアプリ_店舗検索画面,UI

このようなケースは改修工数・コストの削減などそのメリットの大きさから、近年アプリ開発の現場で増えつつあります。詳細については別途次回の記事でも触れたいと思います。

一方トップ画面については、先行の3アプリが画面下部にボタンを配するタブバー形式を採用しているのに対し、アベイルアプリは横からメニューを引き出す「ドロワー(引き出し)メニュー」形式を採用しており、より独自性の高いデザインとなっている事が分かります。

?アベイルアプリ,しまむらアプリ_トップ画面UI

?アベイルアプリ,しまむらアプリ_メニュー形式

先行3アプリでは、価格に敏感な主婦層を対象に「チラシ」を目立つ位置で訴求していましたが、アベイルアプリではトレンドに敏感な若年層に対し「有名モデルのコーディネート」を縦スクロールで眺められるような構成となっており、ターゲット層に合わせたコンテンツが最適な画面デザインで提供されていると言えます。

ブランドイメージの良しあしが売上に直結するアパレル業界において、アプリのデザイン性は重要な要素とも言えますが、共通のシステム上でデザイン面の自由度を担保する事は一定の技術と工数が必要になったものと思われます。今回のアベイルアプリの独自デザインは、同社アプリの共通化されたシステムが、その段階を経て進化を遂げた事の表れとも言えるでしょう。

プロモーション:先行3アプリでアベイルアプリをPR・紹介動画も作成

3.のプロモーション面については、アベイル自体がTVCMなどマス向けの広告手段を取っていないという違いはありますが、同じポリシーを感じられるのが、先行3アプリそれぞれでアベイルのアプリをPRしている点です。

しまむらアプリ,アベイルアプリ紹介

1企業で複数のアプリを提供しているケースは多く、アプリ内で他のアプリを紹介する手法は良く見られるものですが、企業アプリにおいては導入をしていないケースも多いように感じます。しまむらアプリでも感じられた抜け目のないプロモーションがここでも再現されていると言えるでしょう。

また、各バナーからは人気モデルがアベイルアプリの機能を紹介する動画がチェックできるようになっており、一目で各機能やメリットが分かるようになっています。動画の内容も40秒程度で分かりやすくまとめられており、ダウンロード数を高めるのに効果を発揮しているものと思われます。

?細かな操作性の改善も

また先行3アプリから変わった点として、上記の紹介動画や商品詳細のウェブページなど各種コンテンツを、外部ブラウザの起動なしに確認できるようになった点が挙げられます。

先行3アプリではコンテンツをタップするたび標準のブラウザが直接起動し、特にiOS版ではつどアプリの切替アニメーションが入る事から、操作していて少々ストレスが感じられました。

アベイルアプリではそれらを考慮してか、全てのコンテンツがアプリ内ブラウザでの表示となっており、ストレスなく使う事が可能となっているようです。

ブランド別アプリ展開のモデルケース 共通システム×独自デザインでの開発が普及

記事中で触れた通り、しまむらグループでは共通のシステム上に画面デザインの違う4つのアプリを開発する事により、ブランド別のアプリを効率よく展開しているようです。加えて今回のアベイルアプリでは、トップ画面にドロワーメニューを採用するなど先行3アプリと差別化したデザインを実現しており、システムの進化が感じられます。

同社では今後他の展開ブランドでアプリを開発する場合も、同様のスキームでアプリを開発できるものと予想されます。各アプリを別々に開発するケースに比べより低コスト・短納期で開発・機能強化を図っていけるこれらの手法は、複数ブランドを展開する企業にとって、アプリ戦略のモデルケースの一つと言えるのではないでしょうか。

また、これら「共通システム×独自デザイン」によるアプリ開発の概念は、弊社が展開するアプリ開発プラットフォームのModuleAppsの設計概念にも、近いものがあるように感じます。

次回のコラムでは、しまむらと同様「共通システム×独自デザイン」で複数ブランドのアプリを展開している企業の事例やそのメリットについて、弊社ModuleAppsの例も含め、解説をしてみたいと思います。ぜひご期待くださいませ。